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第22話 ファントム視点
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ヒースクリフから聞いたことが衝撃的で、私は思わず黒猫の姿で家から飛び出していた。
いや、いつもこの時間にはすでにアンジェリカの家にいるんだが……。ヒースクリフの言葉に同様して、しばらく自室で呆けてしまったのは失態だった。
お陰でいつもアンジェリカの家までヒースクリフが馬車で送ってくれていたのだが、その時間がとれないという。
むしろ、ヒースクリフは私が今日は家にいると思っているのかもしれない。
いつもは馬車の道のりを猫の足で進むものだからなかなかアンジェリカの家にたどり着かない。
猫の体は一瞬だけ馬車と同じくらいの速度で走ることができる。だが、いかせん持久力がないのが難点だ。
そんなわけでアンジェリカの家に着いたのは、いつもよりだいぶ遅い時間だった。
「クリスっ!?いらっしゃい。今日はこないかと思っていたわ。いつも日が昇るころから来るのに。」
いつもより遅く来たからだろうか。アンジェリカはいつもより嬉しそうにこちらを見て微笑んだ。
アンジェリカの微笑みはいつ見ても神々しい女神のようだ。
呪われた私にはもったいないくらいだ。
女神の美しさにうっとりとなり、無意識にアンジェリカの膝に飛び乗った。
そうして、私は甘いアンジェリカの香りに誘われるように、アンジェリカの頬をひと舐めした。
甘い。
アンジェリカの頬は私が思っていたよりもだいぶ甘かった。いつまでも舐めていたいくらいに甘い。まるで麻薬のようだ。
「ありがとう。クリス。隠していてもクリスは賢いから気づいてしまうのね。」
アンジェリカは私の身体を優しく撫でてきた。アンジェリカの柔らかく暖かい手が私を撫でるととても気持ちがいい。
思わず目を閉じてうっとりとしてしまう。
「クリスが用意してくれたドレス。とっても素敵だったわ。ありがとう。でもね、侯爵様には見ていただけなかったの。それどころか、侯爵様は私のことがお嫌だったのね。冷たい対応をされてしまったわ。」
「にゃにゃにゃー。(気にするな。ただ忌々しい呪いのせいでアンジェリカを傷つけたくなかっただけだ。アンジェリカが悪いわけではない。)」
私はアンジェリカが私の態度のせいで嫌な思いをしていたことに気づき、慰めるようにアンジェリカの手の甲を舐めた。
猫の身体では言葉を話すことができないのがもどかしい。ここで、アンジェリカの誤解を解きたいものだが。
あの忌々しい呪いも猫の姿の時にはおこらない。人間の姿でいるときだけに起こる現象だった。
だから、今ならアンジェリカを怖がらせずにゆっくり話すことができるのに。なぜ、この身体の時は話せないのか。
「ありがとう。クリス。慰めてくれるのね。ほんと、私は侯爵様とではなく、許されるのならクリスと結婚したいわ。」
私はアンジェリカの言葉に衝撃を受けた。アンジェリカ、私はファントムなのだ。アンジェリカの言う侯爵とクリスは同一人物なんだ。
そう言えたらどんなにいいことか。
「にゃぁ~。」
だが、私の口からは猫の鳴き声しか発することができない。実にもどかしい。
そう思っているとふいにアンジェリカの表情が暗くなった。
「にゃあ?(どうしたんだ?)」
アンジェリカの暗くなにかを考え込んでいる表情など見ていられない。私は心配になってアンジェリカを覗き込んだ。
「ごめんね。クリス。でも、私が侯爵家に嫁いでしまったらクリスとは会えなくなってしまうわね。やっぱり、どうにかして侯爵との婚約をなかったことにしてもらわないと、いけないわね。」
「にゃっ!?(なんだとっ!?)」
私との婚約をなかったことにしてもらうだと。それは、それは……。
確かに呪いを持った私よりも良い男など星の数ほどいるだろう。
だが、アンジェリカをそこまで追い詰めていたとは……。昨夜の私はふぬけだった。ヒースクリフの言っていたとおりではないか。
「あら。驚かせちゃった?でも、侯爵様は私を望んではいないようだし、きっとそれが一番いいの。それに、国王陛下は私は、侯爵様の呪いを解呪するために侯爵の婚約者にしたようだし、侯爵様の呪いが解ければ私はお役御免でしょ?そうしたらクリスと一緒にいられるわ。」
アンジェリカは私の身体をひょいと抱き上げて甘く囁いてくる。そうして、私の顔に頬擦りしてきた。
アンジェリカの甘い香りが鼻腔に広がる。思わずその魅力的な匂いにクラっとして身体の力が抜けてしまった。
「大好きよ。クリス。世界で一番大好きだわ。」
そうして、アンジェリカの微笑みにノックアウトされた。
いや、いつもこの時間にはすでにアンジェリカの家にいるんだが……。ヒースクリフの言葉に同様して、しばらく自室で呆けてしまったのは失態だった。
お陰でいつもアンジェリカの家までヒースクリフが馬車で送ってくれていたのだが、その時間がとれないという。
むしろ、ヒースクリフは私が今日は家にいると思っているのかもしれない。
いつもは馬車の道のりを猫の足で進むものだからなかなかアンジェリカの家にたどり着かない。
猫の体は一瞬だけ馬車と同じくらいの速度で走ることができる。だが、いかせん持久力がないのが難点だ。
そんなわけでアンジェリカの家に着いたのは、いつもよりだいぶ遅い時間だった。
「クリスっ!?いらっしゃい。今日はこないかと思っていたわ。いつも日が昇るころから来るのに。」
いつもより遅く来たからだろうか。アンジェリカはいつもより嬉しそうにこちらを見て微笑んだ。
アンジェリカの微笑みはいつ見ても神々しい女神のようだ。
呪われた私にはもったいないくらいだ。
女神の美しさにうっとりとなり、無意識にアンジェリカの膝に飛び乗った。
そうして、私は甘いアンジェリカの香りに誘われるように、アンジェリカの頬をひと舐めした。
甘い。
アンジェリカの頬は私が思っていたよりもだいぶ甘かった。いつまでも舐めていたいくらいに甘い。まるで麻薬のようだ。
「ありがとう。クリス。隠していてもクリスは賢いから気づいてしまうのね。」
アンジェリカは私の身体を優しく撫でてきた。アンジェリカの柔らかく暖かい手が私を撫でるととても気持ちがいい。
思わず目を閉じてうっとりとしてしまう。
「クリスが用意してくれたドレス。とっても素敵だったわ。ありがとう。でもね、侯爵様には見ていただけなかったの。それどころか、侯爵様は私のことがお嫌だったのね。冷たい対応をされてしまったわ。」
「にゃにゃにゃー。(気にするな。ただ忌々しい呪いのせいでアンジェリカを傷つけたくなかっただけだ。アンジェリカが悪いわけではない。)」
私はアンジェリカが私の態度のせいで嫌な思いをしていたことに気づき、慰めるようにアンジェリカの手の甲を舐めた。
猫の身体では言葉を話すことができないのがもどかしい。ここで、アンジェリカの誤解を解きたいものだが。
あの忌々しい呪いも猫の姿の時にはおこらない。人間の姿でいるときだけに起こる現象だった。
だから、今ならアンジェリカを怖がらせずにゆっくり話すことができるのに。なぜ、この身体の時は話せないのか。
「ありがとう。クリス。慰めてくれるのね。ほんと、私は侯爵様とではなく、許されるのならクリスと結婚したいわ。」
私はアンジェリカの言葉に衝撃を受けた。アンジェリカ、私はファントムなのだ。アンジェリカの言う侯爵とクリスは同一人物なんだ。
そう言えたらどんなにいいことか。
「にゃぁ~。」
だが、私の口からは猫の鳴き声しか発することができない。実にもどかしい。
そう思っているとふいにアンジェリカの表情が暗くなった。
「にゃあ?(どうしたんだ?)」
アンジェリカの暗くなにかを考え込んでいる表情など見ていられない。私は心配になってアンジェリカを覗き込んだ。
「ごめんね。クリス。でも、私が侯爵家に嫁いでしまったらクリスとは会えなくなってしまうわね。やっぱり、どうにかして侯爵との婚約をなかったことにしてもらわないと、いけないわね。」
「にゃっ!?(なんだとっ!?)」
私との婚約をなかったことにしてもらうだと。それは、それは……。
確かに呪いを持った私よりも良い男など星の数ほどいるだろう。
だが、アンジェリカをそこまで追い詰めていたとは……。昨夜の私はふぬけだった。ヒースクリフの言っていたとおりではないか。
「あら。驚かせちゃった?でも、侯爵様は私を望んではいないようだし、きっとそれが一番いいの。それに、国王陛下は私は、侯爵様の呪いを解呪するために侯爵の婚約者にしたようだし、侯爵様の呪いが解ければ私はお役御免でしょ?そうしたらクリスと一緒にいられるわ。」
アンジェリカは私の身体をひょいと抱き上げて甘く囁いてくる。そうして、私の顔に頬擦りしてきた。
アンジェリカの甘い香りが鼻腔に広がる。思わずその魅力的な匂いにクラっとして身体の力が抜けてしまった。
「大好きよ。クリス。世界で一番大好きだわ。」
そうして、アンジェリカの微笑みにノックアウトされた。
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