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三章

3ー57

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『あいつらはそっとしておけばそのうち回復するさ。それより、マユ。明日出発するのか?』

「うん。明日の朝一には出発したいと思っているよ。」

ピーちゃんの言葉にこくりと頷く。
明日はちょうどマリアがいなくなってから一週間になる。
女王様との約束の一週間目だ。
明日の朝一には、王都に向けて出発したいところだ。
その前にまず、化粧水の効果を調べなければならない。今日までに作成した化粧水は6種類にのぼる。
味だけは鑑定してわかってはいるんだけれども、効果はまだ私の鑑定レベルでは鑑定することができない。よって、どうしても王都の鑑定士さんの協力が必要になる。
あとは、お弁当も作成しなくっちゃ。って、料理ほとんどできないんだけどね。ゆで卵くらいは作っておかなきゃね。
まあ、別にお弁当なくってもプーちゃんんがいれば転移の魔法でどこにでもすぐに行けるから食いっぱぐれることはないんだけどね。
でも、念のため。

『我もついていくのである。』

「うん。ありがとう。プーちゃん。ついてきてね。頼りにしているからね。」

『うむうむ。泥舟に乗ったつもりでいるといい。』

「・・・あ、うん。」

プーちゃんが頼られて嬉しいのか、胸を張っている。
が、なんだかおかしなことを口走っている。
プーちゃん、泥船に乗っちゃったら沈んでいくよ・・・。
不安だ・・・。

「今日の夜は皆でダンさんの美味しいご飯を食べに行こうか。」

英気を養うためにも美味しいものは役に立つ。幸い、化粧水のお陰でお金には苦労していないし、ここで皆でご飯を食べにいっても懐は全然痛くない。
美味しいものは大事である。
・・・だが、

『不要である。』

『マユの手料理の方がいいな。』

プーちゃんもピーちゃんも食べに行きたくはないらしい。って、私の手料理!?
うわ・・・。めんどくせっ。

『マユ、手料理を作るのだ。』

『楽しみにしてるぜ。』

プーちゃんもピーちゃんもこういう時は気があうんだから。しかたない、今日はご飯を手作りしなきゃなぁ。
さて、何を作ろうか。
畑をぐるっと見渡す。
あ、そう言えば最近、卵を収穫したけど保管庫の中にいれっぱなしで食べてないや。
あとは、食べれるものと言ったらトマトしかない。
なにか、買ってこないといけないなぁ。って、そう言えばここって自給自足だったっけ。
基本的には自分の家で作った作物を食べている。それで、あまった作物を物々交換するのが、このキャティーニャ村だ。
・・・でも、うちのトマトは下手に皆に配れないしなぁ。
あ、明日からしばらく留守にするからってことでご近所回りしてこようかな。化粧水を持って。そしたら、なんか余ってるもの御裾分けしてくれたりしないかなぁ~なんて。
流石に猫化する化粧水は渡せないけれども、それ以外の効果の化粧水だったら渡しても問題はないだろう。幸い化粧水いっぱい作ったし。乳液は………飲まなければ配っても大丈夫だけど、飲んじゃったら大変なことになるから配るのはやめておこう。
そうと決まればまずは化粧水を鑑定士さんに鑑定してもらわなければね。




早速家に戻り化粧水を手に取る。化粧水は全部で50本ある。5種類あるので、それぞれ一本ずつ転送ボックスにいれ、ドアを閉める。これでしばらくすると、鑑定士さんから連絡があるはずだ。

『はろ~。』

って、鑑定士さんの応答速すぎ。暇なの!?って思わず思ってしまった。
しかもこの声、ベアトリクスさんだし。もしかして、うちの専属だったりしないよね?

『またぁ~、面白い~化粧水を~作りましたねぇ~。私にもぉ~1本譲ってくださいよぉ~。希望はぁ~グレープ味のぉ~化粧水ですぅ~。』

「あはははは。」

ベアトリクスさん、ついにおねだりしてきたし。
まあ、お世話になってるし1本くらい、渡してもいいかな。

「グレープ味の化粧水の効果はなんなの?」

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