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第2章:幼少期・純愛編
第19話:【なんということでしょう…】
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皆様、お久しぶりでございます。
梻(シキミ)メギです。
本日から第2章スタートになります。
温かい目でご覧いただけますと幸いです。
どうか。少しでも、お楽しみいただけますように。
▼▼▼
ユーフォリア様とラランとリリィとヤブランと。
五人でいる空間に流れる和やかな雰囲気を打ち破るように、ユーフォリア様が瞳を今まで以上にキラキラと輝かせて、私を抱っこしたまま勢いよく立ち上がった。
「何の憂いも無くなったのだから…では、早速!これから教会に向かおうかッ!!教会内とか俺の部屋とか街のお気に入りの店なんかもルピナスに教えてあげるね」
教会の中やユーフォリア様のお部屋。
…それに街!
教会には父様の付き添いで一度だけ行ったことがあるけれど、教会の中には入ったことがないから見てみたいと思っていたんだ。
馬車から街の様子を眺めたことはあるけれど実際に歩いてみたことはないし、すっごく楽しみ!
私がワクワクしながらユーフォリア様にしがみついているとリリィが唐突に手を合わせてパンッと音を鳴らした。
「…恐れ入りますが、ユーフォリア様!ルピナス様の身支度の準備を致しますので、この別邸内にございます客人用の待合室で、お待ちいただいてもよろしいでしょうか?」
ユーフォリア様への声掛けに、側で聞いていたラランも深く何度も頷いている。
「え~!俺としては、このままでも十分に可愛いと思うんだけど…」
ユーフォリア様が離れるのを惜しむように、よりギュッと私を強く抱きしめた。
よく考えてみたら私は現在、寝巻姿である。
それに、いくらラランたちが清拭してくれていたとはいえ、お風呂にも入っていない状態。
…こうしてユーフォリア様とくっついているのが申し訳なくて、段々と恥ずかしくなってきた。
「あら、そういう訳には参りませんわ。ワタシたちの故郷であり、ユーフォリア様が拠点になされている王都の教会に行かれるのです。人前に出ることになるのですよ?もっちろん、今のルピナス様も素敵ですけれど!着飾られたルピナス様は…より素晴らしくなられるのです。おめかしをして、ルピナス様の素晴らしさをもっともっと活かしませんと!」
ラランが諌めるように言って、ベリッと音がしそうなくらいにユーフォリア様から私を引き剥がした。
「嗚呼、ルピナス……ッ!」
ユーフォリア様は瞳をうるうるとさせて、私に手を伸ばしてくる。
なんだか可哀想に思えて私も手を伸ばすと、リリィがいけませんよ、と言って伸ばしていた手を取り、私を抱っこしているラランの肩に置かせた。
「さあさあ!殿方は、お部屋から出られてくださいな。とびっきりルピナス様をより一層お可愛らしく、ご準備いたしますので…!諸々の準備が整いましたら待合室に向かいます。どうか、それまでお待ちくださいませ」
リリィがユーフォリア様とヤブランに向けて笑顔で言い切ると付け加えるように、よろしいですね?と更に強く後押しをした。
最後のリリィの言葉に渋々、ユーフォリア様は納得なされたようだ。私に後で会おうね、と言って頭を撫でて部屋から出て行かれた。
ユーフォリア様とヤブランが部屋から居なくなると、ラランが私を椅子の上に下ろしてくれた。
「もう!ユーフォリア様ったら、後でルピナス様とお会いできるのに諦めが悪いんだから…!」
「…仕方がないわよ、リリィ。ガイド様によればユーフォリア様は運命であるルピナス様を何百年とお探しになられていたそうよ。それだけの長い年月、運命をお探しになられていたんだもの。気持ち的には片時も離れたくないんじゃないかしら」
呆れた様子のリリィにラランが苦笑を漏らした。
私は、ラランから紡がれた"運命"という言葉が何だか重々しく聞こえて、ずっと疑問だったことを投げかける。
「ねぇ…ララン、リリィ。ユーフォリア様もみんなも言っているけど…その、運命って…なぁに?」
ピシリッという音が聞こえそうなくらいに双子たちは二人とも、そのままの状態で固まって、ゆっくりと私の方を見遣った。
こちらを向く動作は、まるで油が足りないブリキのロボットのようで───。
「「なんということでしょう…」」
そう言うと二人は双子らしく息ぴったりの動きをして、両手で顔を覆ってしまった。
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