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第四章 ジメッとメラッと強化合宿 編
一狩り行こうぜ(罠)
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「ティナさーん!来ましたよーー!!」
「はーーい!ちょっと待っててね!」
パタパタパタパタ
「あれ?マグワンさん」
ティナさんが出てくるかと見せかけて厨房にいるはずのマグワンさん登場。
「お待たせお待たせ。」
「出てきちゃって大丈夫なんですか?」
「ああ、今の時間にご飯食べにくるお客はほとんどいないからね」
「10時半ですもんね」
「11時くらいになってくるとぼちぼちくるけどね。
君のおかげでウチの風呂と料理の評判がすごいことになって前よりお客さんが増えてるんだ。」
「それはよかったです。
今日も同じ量になってます。こっちが男湯用でこっちが女湯用で、こっちが醤油。それとこれが試しのバスボムになってるんでよかったら試して下さい。」
「いいのかい?」
「はい、ちょっとしたものでもいいので教えてもらえると作ってる側も改善のしがいがあるんです。」
「そうか。分かった、ありがとう」
火事から2週間くらいしか経ってないが、宿の経営もおおよそ元どおりになった。
変わったことと言ったらお風呂と厨房のコンロが最新型になったことで薪がいらなくなり、薪運びの依頼を出す必要はなくなった。
あ、俺はどうするのって?何も収入がなくなったわけじゃない。
今までどおり製薬とか残されがちなお仕事依頼が回ってくることは変わらないし、冒険者としてではないが、入浴剤や醤油を宿に納品してまあまあの収入は得ている。
お忘れかもしれないが、俺は商業ギルドにも登録してるので商売許可だとか値段とかはしっかり適正にさせてもらっている。
ちなみに毎回毎回お金もらうとやりとりに時間がかかるとのことで月末にギルド内で引き落とし。
「そろそろ雨季だけどリョー君のところってどんな感じで対策してるのかい?」
雨季?あぁ、梅雨のことか。ここでは雨季が年に2回あると言われてる。
日本で言う梅雨と秋雨の時期と一致する。
日本で春夏秋冬なところを春・雨・夏・雨・秋・冬の6季の扱いなんだって。
「対策してないですね。雨季ってそんなに長いんですか?」
「毎年2週間くらいだけど、洗濯物が乾かないだとか、肉が不足するから雨季の前後は討伐や採取系の依頼が多くなるよ。
時々山道が土砂崩れで通れないなんてことも聞くね。」
「洗濯担当は俺ですけど、光属性の魔法で一発だから乾く乾かないとかの前に濡れることがないですし、土砂崩れはメルタがいればなんとかなるし…
あとは食料問題ですね。」
「リョー君のとこは雨季でもそんなに苦労しそうにないね…」
「宿はシーツとか洗うもの多いですもんね。
雨季の間に暇だったら、お届けに来た時に俺が魔法でしましょうか?」
「冗談抜きでお願いするよ。シーツ不足は毎年の死活問題だから。」
報酬は弾むからと言われてしまい悪い気はしないが、勝手気ままなサービスですといってやんわりと断った。
洗濯分で浮いた時間とお金を奥さんと過ごしたり休憩とかに当てて欲しいし。
ガヤガヤ ザワザワ
「うわぁ…今日はすごいな…」
マグワンさんとの会話からなんとなく寄った冒険者ギルド。
いつもまあまあの人数がいるが、今日の依頼書の周りは冒険者の山。
「ほーら来ただろう?さっさと行っといで」
なんかすごい嫌な予感…
声のした方を恐る恐る見るといるわけですよ。ギルドマスターとこの街の最強パーティの瞬足ガールが。
俺の心の中にコマンド。
【ウィルさんが俺を仲間にしたそうにこちらを見ている。どうしますか?
話す ◁
会釈する
無視する
逃げる 】
よし。
ここは…回れ~右っ!ダーッシュ!
ビュンッギュオンッキキーッ
「ねえねえ!どこ行くの!?」
さすがパーティ1の無属性の使い手、ものすごいスピードで回り込まれた。
「このあと空いてるよね!」
もれなくウチに連行されましたとさ。
匠はルミさん&ヴァルさんに、メルタ&ティールズはセインさん&グレイスさんに回収されましたとさ。
「~ってわけで、依頼手伝ってよ」
「事情はわかりましたけど…」
雨季の間の食料を確保するための獣をひと狩り行こうよって言われても…
「なんで俺達なんですか?」
この街にはDの俺より上のランクの冒険者だって普通にいるわけで、わざわざ手分けして俺達をかき集める必要性などどこにもないはず。
「いや、リョー君も忙しいかもしれないと思って止めはしたんだが…」
「リョーくん達連れてった方が効率よく倒して回れそうだし。」
「はあ……」
「ママが「行くならついでにリョーも連れていって討伐依頼の頭数稼がせてきな」って」
まぁ言わんとしてることは分からなくもない。
ただ…
「…ママ?」
「誰や?。」
「ワシらの知ってる人か?」
「あっ知らないんだっけ?ギルドマスターだよ」
「え…?」
「ルミのお母さん、アンジェさん」
「ええええええ!!?」
アンジェさんに子供いたんだ…
そういえば…似てる…のか?
アンジェさんの話が衝撃的すぎてこの後の説明が全然入ってこなかった。
ひとまず俺たちは森へと飛んだ。
キィィィィィン
門を過ぎて数分。
1号車に俺、グレイスさん、陸。
2号車with 乗合ボックスにメルタ、匠、ウィルさん、ヴァルさんに、ルミさん。
3号車にティールズとセインさん。
in1号車
「魔獣も見え始めたし、ここら辺でいいだろう。」
「あとは陸路で探す感じですか」
「ああ。普通、ここまでくるのも陸路だが…」
「【文句言うなら自分だけ歩き~や】」
「【じゃあ帰りはグレイスだけ歩きだね!】」
「【アタイらはコイツで帰るからせいぜいゆっくり帰っておいで】」
「【…ガンバ】」
「【ヴォッ】」
「あっ…いや…その…」
なかなか見れないグレイスさんが集中砲火を喰らう光景に笑いが溢れながら適当な所に着陸させる。
「【かいしゅ~】」
陸の背中に全飛行車とボックスをしまう。
「こっからどうするん?」
「これだけの人数が動くのはさすがに目立つからな。二つのチームに分けよう。」
俺たちが3人と一羽と一匹と10匹、グレイスさん達が4人と一頭として考えるとして、人外の割り振りをどうすべきか…
話し合うこと数分
Aチーム
前衛:セインさん、ヴァル
中衛: 俺、メルタ
後衛: ルミさん
「攻防のバランスは良さそうだねぇ。」
「ヴォッ」
「そういえば、セイン君はいつもの大盾は使わんのかの?」
セインさんの左手に片手用の盾、右手には片手用の斧が握られている。
「木にひっかかる。土魔法の精度、落ちるが仕方ない。」
「なるほどの。土魔法は当面ワシの担当じゃな」
俺のチームは比較的いい感じだ。
問題あるのは…
Bチーム
前衛: グレイスさん(火禁止)
中衛: ティールズ、匠
後衛: ウィルさん、陸
「こっちもバランスは大丈夫そうだな。」
「…ウィル氏、1人、大丈夫?」
「ああ大丈夫大丈夫。代わりならタクミ君とリク君いるから。」
「あんた人外ならなんでもありなんか」
「ま~かせといZZZzzz」
「寝んなぁ!!」パシィンッ
このザマである。
まぁいざとなったらなんとかなる…はず…多分
大きめの木を集合場所として、AとB別々に分かれて散策することになった。
「こっちのチームは何を狙うんですか?」
「確実に数量を稼ぐ。小型の獣か魔獣を狙って大物が出たら出た時だな」
「ラビット系かディアー系の群れが狙い目だね」
ウサギと…鹿だったっけ?
肉屋でよく見るが、庶民にとって一般的な魔獣肉として流通している。依頼のランクはD~とかだったな。
1匹や2匹捕まえるだけならAランクがパーティーで出るようなことはないが街の食料を用意するのとは勝手が違う。
弱い魔獣でも群れをまるまる押さえるとなると難易度ははね上がるってわけ。
「草食系は素早くてすぐ仕留めないとバラバラに逃げちゃうから、全部仕留めるのはアタイ達も工夫がいるんだよね」
「気付かれずに群れ丸ごとか…技量がものを言うのう。」
音を立てないように探すこと10分ほど。
前足が異常に発達した茶色いウサギが遠目に12,3匹いた。
「ん。ディグラビット。」
穴掘りの得意なウサギさんね。
その前足はどこの生物から取ってきたの?って聞きたくなるくらい太く、長い。
「あれだけの数をどうやって倒すんですか?」
「まぁ見てな【エレキボム】」
ルミさんが小さめのバランスボールほどの黄色い球をウサギに向けて放つ。
ピクンッ
ピョンッズダダダダダダダダダダッ
ビリビリビリビリビリビリ
バチバチバチバチッ
12匹中攻撃が当たったのは5匹。
7匹は地面を掘って逃げた。
穴を塞いでいるあたりしっかりしてるみたい。
「とまぁ、馬鹿正直にやるならこんな感じだね。
12匹もいれば大体1匹は攻撃に気づいちまうのさ。
1匹が気づけばそれを合図に逃げちまう。
ただ威力の高い魔法では意味がないってわけ。」
「さっき当たった5羽は反応が遅れた。たいてい子供だったりする。」
「気付かれずに群れ全部ですか…
あっ!面白い方法を思い付きました。
次ちょっと試していいですか?」
「「?」」
5羽のウサギを回収して他を探す。
「いたよ」
今度は足の方がゴツいのウサギ。数は17。
「さっきのとは違いますね。」
「アレはホッパーラビット。ディグラビットとは逆で空中に逃げる。」
ジャンプ力専門のウサギさんか。
さっきのディグラビットなら地面を固めて掘れなくするか、掘る前のジャンプを封じるんだけど、その逆なら作戦も逆の方法にする。
「罠を作ります。
セインさんとルミさんの魔法で、土を出来るだけ柔らかくできます?」
「ドロッドロにすればいいのかい?」
「はい。
出来るだけ足元を悪くしてください。底無し沼を作るイメージで。」
「分かった。ルミ、雨を頼む」
「はいよ。」
「水魔法で雨降らせられたんですね…」
前に赤い竜を倒した時は雨雲から作ってもらったが、わざわざそんなことをしなくても雨は降らせられるとのこと。
「ワシらはどうするんじゃ?」
「ヴォッヴォッ」
「まずメルタが土魔法で一部分だけ穴を開けた岩の箱を作って、その中にホッパーラビット閉じ込める。当然開けた穴から出てくるだろうからあとは手分けして一網打尽にできるかなと。」
「ヴォッ!」
俺の光魔法で姿を消し、ゆっくりと限界まで近づく。
「3…2…」
「【レイン】」
「【エリアボッグ】」
「【ロックウォール・箱型・穴あり】」
一箇所だけの大雨。
ホッパーラビットの周りに公衆トイレほどの岩箱ができる。
中が目視できないが、外にも泥っぽい水たまりのようなものが見える。なんなら岩箱がちょっとずつ沈んでる。
ゴンッガンッ
頭突きでもしてるのか、岩壁にぶつかっている音が聞こえる。
岩を破られる可能性もあったが、自力で出てこれなさそうなので、ひとまず安心。
「よし、GO」
「ヴォッ」
俺とヴァルさんで前衛、残りは後衛として援護と罠の維持をしといてもらう。
「ヴォッヴォッヴォヴォッ」
ドカッバキッ
「【雷刃】!」
ザシュッズバッ
的確に相手の脳天を殴り蹴るヴァルさんとクナイ+雷魔法でなんとか着いていく俺。
「ヴォーッ」
「いっちょあがりです。」
「お疲れさん。なかなか悪くないコンビネーションだよ」
「時間はかかるがAランクも夢ではない。」
「そうですか?」
「『武器ありで』じゃがな」
「グフっ…痛いとこつかないでよ」
「今度ワシが直々にしごいてやろうかのう」
「えぇ~…」
メルタの訓練か…俺の体が無事だといいけど。
森を行くこと早1時間。俺達の手持ちにはウサギ、ウルフ、鹿が入っている。
現在、遠目に5頭のイノシシがいる。
親のイノシシは全長3メートルくらいある特大サイズ。子供のイノシシでも80センチくらいある。
「あれは…ボアの親子ですよね」
「狙いとはサイズが違うがどうするんじゃ?」
「食えるかどうかで判断する。ボアは煮物か鍋で食える」
デカくても食材になればなんでもOKなのね。
確かにあの大きさなら相当な量の肉が採れるだろうし。
日本でも確かイノシシ料理あったっけな。食べたことないけど。
「アレはアレで狙い目になるね。ちょいと2人で戦ってみなよ」
「あ、はい」
さーてと、子供から行こうか親から行こうか…
「普通のボアはCランク魔獣。動きは単純だけど、油断したら大怪我だから注意しな」
ブギャーー!
親イノシシの威嚇(?)が聞こえた。俺たちの存在に気づいたらしい。
考える時間はないみたい。
「ワシが行こう。」
「1人で?大丈夫?」
「大丈夫じゃ。ボアなら昔山籠もり訓練で何度も倒しとる。
主人としても遅かれ早かれこの体でどこまで行けるか知っとくのも悪くないじゃろて。」
そういえば作った当初から数えても戦ったことほとんどなかったな…
ゴーレムとしての体がどこまで生前のものに馴染むか、俺も知っておいて損はない。
「いざ、参る」
長刀を両手に持ち、どっしり構えたメルタ。
地面を後ろ足で蹴る親イノシシ。
微動だにできない子イノシシ
ズダダッズダダッズダダッズダダッズダダッ
先に動いたのは親イノシシ
メルタは構えたまま動かない。
「遅い」
刃まで1メートルほどのところまで近づいたタイミングでようやく右へ避けると同時に長刀を振る。
猪突猛進とはよく言うもので、避けることなく刃の通り道に入るイノシシ。
ズバッ
「ピギッ?」
「終いじゃ」
残ったのは胴体と別れたイノシシ(親)の頭部。駆け寄る子イノシシ×4。
ブッ…ブブゥ…
「ん?なんか震えてますけど」
ブギャアアアアアアアアアアアアアアアアア
突然体が光り出し、急激にシルエットが大きくなる子イノシシ×4。
「怒りで成長した!?」
「進化も!?こんな急激に!」
「主!気を抜くでないぞ!」
「やっぱりヤバい系?どうします?逃げます?」
「ここで仕留める。絶対に背中を向けるな。」
ブブォォオオオオオオオオオオ!!!
進化を終えた子イノシシは真っ赤なイノシシと牙がとにかく強そうなイノシシの2通りに分かれた。
いずれも"高さで"2メートルくらいある。
「クラッシュボアが2とアングリーボアが2か、数の上ではこちらが有利じゃが4頭全部この大きさはちょっとのぉ…」
「こりゃ、セインも普段の盾に変えた方が良さそうじゃないかい?」
「そうする。ヴァルもグローブ」
「ヴォッ」
セインさんのアイテム袋から取り出された武器に、いかにこの状況がまずいか思い知らされる。
さすがにこの状況で食材として見る余裕はなかった。
ブギャアアア!
ピギイイイイイ!
ブモォオオオ!!!
プギイイイイイ!!
いっせいに突進を仕掛けてくる4頭。
「避けろ!」
「【身体能力強化】っ【跳躍強化】」
幹の上にヴァル&ルミ、左にメルタ、右に俺とセインさん。各々避けることには成功。
木々をなぎ倒してくれたおかげでセインさんが大盾を使いやすくはなった。
「セインさん、接近戦は避けて魔法中心で倒せると思いますか?」
「可能だが…全部避けるのか?」
「突進に当たらなければいいなら策はあります」
作戦会議中。少々お待ちください
「よし、いくぞ」
「いつでもいいよ」
「ワシもじゃ」
「OKです」
「ヴォッ」
「開始!」
「【マッドドール】」
「【アイスドール】」
「【ミラージュ】」
ボアの周りを囲う何十もの氷像と土人形。そして俺の光魔法で5通りの見た目に変える。
キョロキョロ
ピギッ!
ブムォオオ!!
プギイイ…
俺たちの取った作戦は大量の分身と念動で敵のかく乱と突進を防ぎ、4頭がバラバラに動き始めたタイミングで一斉射撃で倒すというもの。
ちなみに本物の俺たちは木の上や魔法で空中に浮いて待機中。
ヴァルさんは地上でとにかく早く走り回って足音を演出しもらっている。
「今だ」
「【アイスボム】」
「【魔法強化】【念動】【サンダーランス】」
「【ロックフォール】」
「【ロックランス】」
一頭目。凍結し絶命。
二頭目。上から岩に頭以外を強打し瀕死。
三頭目。雷に打たれて瀕死
四頭目。槍に体を貫かれ絶命。
「あれ?二頭残ったね。面白い作戦だと思ったのに…」
「魔法単体威力も足らなかったか雷魔法に耐性があったみたいで。」
「だが弱りきってる。とどめはすぐ。」
メルタとセインさんでサクッととどめを刺す。
「改めていっちょあがりだね。さ、解体始めるよ。
リョー、アンタの得意分野だろ?」
「ちょっと待ってて下さいね」
ボア肉に魔法で刺した槍の石の破片などが混じっているのはよくない。
母ボアと4頭全部、俺のスキルで肉や皮やらの部位ごとに解体する。
「これだけ解体すれば大丈夫ですかね?」
「大丈夫だよ。
骨に肉片一つ付いてやしない。ママが連れてけっていうわけだね。」
「手間が省けた。そろそろグレイス達と合流しよう。」
「はい。」
ボア五頭分の素材を回収して集合場所に戻る。
Aランク2人と熟練の元兵士が一緒だったからかあっけなく終わったな…
もうちょっと長期戦も期待していたけど、安全に倒せるに越したことはない。
「匠もグレイスさんも大丈夫疲れてません?」
「あぁ…君は大変だなリョー君…」
他の3人に比べて2人がえらくやつれて見える。
「めっちゃ疲れた…精神面が特に」
「何があったの?」
「・戦闘中に寝るアホが1匹。
・ウサギの群れ見て倒しとうないいうアホが1人。
・ワイの風魔法の中にわざわざブーメラン投げ込んでコンビネーション技や!言うアホが1人。
もう狩りが成立せえへんから最終的に魚釣り班と狩り班に分けたったで」
「お…お疲れ様です…」
まぁ予想してないわけじゃないけど、ウサギの群れ倒すには向いてない組み合わせかもね。
獣の代わりに川魚は結界をうまく使って大量に獲れたらしい。
「そっちはどないや?」
「ウサギとオオカミ、巨大なイノシシを群れで押さえれたよ。」
「なんとかギルドマスターに怒られずに済むね」
「あぁ、だが次来るときはチーム変更を心から希望する。」
「同じくや!」
時刻にすると17時くらい。
俺達は森を抜けてリースに向けて飛行車を飛ばした。
たった1人を除いて。
「本当にオレだけ歩き…」
「はーーい!ちょっと待っててね!」
パタパタパタパタ
「あれ?マグワンさん」
ティナさんが出てくるかと見せかけて厨房にいるはずのマグワンさん登場。
「お待たせお待たせ。」
「出てきちゃって大丈夫なんですか?」
「ああ、今の時間にご飯食べにくるお客はほとんどいないからね」
「10時半ですもんね」
「11時くらいになってくるとぼちぼちくるけどね。
君のおかげでウチの風呂と料理の評判がすごいことになって前よりお客さんが増えてるんだ。」
「それはよかったです。
今日も同じ量になってます。こっちが男湯用でこっちが女湯用で、こっちが醤油。それとこれが試しのバスボムになってるんでよかったら試して下さい。」
「いいのかい?」
「はい、ちょっとしたものでもいいので教えてもらえると作ってる側も改善のしがいがあるんです。」
「そうか。分かった、ありがとう」
火事から2週間くらいしか経ってないが、宿の経営もおおよそ元どおりになった。
変わったことと言ったらお風呂と厨房のコンロが最新型になったことで薪がいらなくなり、薪運びの依頼を出す必要はなくなった。
あ、俺はどうするのって?何も収入がなくなったわけじゃない。
今までどおり製薬とか残されがちなお仕事依頼が回ってくることは変わらないし、冒険者としてではないが、入浴剤や醤油を宿に納品してまあまあの収入は得ている。
お忘れかもしれないが、俺は商業ギルドにも登録してるので商売許可だとか値段とかはしっかり適正にさせてもらっている。
ちなみに毎回毎回お金もらうとやりとりに時間がかかるとのことで月末にギルド内で引き落とし。
「そろそろ雨季だけどリョー君のところってどんな感じで対策してるのかい?」
雨季?あぁ、梅雨のことか。ここでは雨季が年に2回あると言われてる。
日本で言う梅雨と秋雨の時期と一致する。
日本で春夏秋冬なところを春・雨・夏・雨・秋・冬の6季の扱いなんだって。
「対策してないですね。雨季ってそんなに長いんですか?」
「毎年2週間くらいだけど、洗濯物が乾かないだとか、肉が不足するから雨季の前後は討伐や採取系の依頼が多くなるよ。
時々山道が土砂崩れで通れないなんてことも聞くね。」
「洗濯担当は俺ですけど、光属性の魔法で一発だから乾く乾かないとかの前に濡れることがないですし、土砂崩れはメルタがいればなんとかなるし…
あとは食料問題ですね。」
「リョー君のとこは雨季でもそんなに苦労しそうにないね…」
「宿はシーツとか洗うもの多いですもんね。
雨季の間に暇だったら、お届けに来た時に俺が魔法でしましょうか?」
「冗談抜きでお願いするよ。シーツ不足は毎年の死活問題だから。」
報酬は弾むからと言われてしまい悪い気はしないが、勝手気ままなサービスですといってやんわりと断った。
洗濯分で浮いた時間とお金を奥さんと過ごしたり休憩とかに当てて欲しいし。
ガヤガヤ ザワザワ
「うわぁ…今日はすごいな…」
マグワンさんとの会話からなんとなく寄った冒険者ギルド。
いつもまあまあの人数がいるが、今日の依頼書の周りは冒険者の山。
「ほーら来ただろう?さっさと行っといで」
なんかすごい嫌な予感…
声のした方を恐る恐る見るといるわけですよ。ギルドマスターとこの街の最強パーティの瞬足ガールが。
俺の心の中にコマンド。
【ウィルさんが俺を仲間にしたそうにこちらを見ている。どうしますか?
話す ◁
会釈する
無視する
逃げる 】
よし。
ここは…回れ~右っ!ダーッシュ!
ビュンッギュオンッキキーッ
「ねえねえ!どこ行くの!?」
さすがパーティ1の無属性の使い手、ものすごいスピードで回り込まれた。
「このあと空いてるよね!」
もれなくウチに連行されましたとさ。
匠はルミさん&ヴァルさんに、メルタ&ティールズはセインさん&グレイスさんに回収されましたとさ。
「~ってわけで、依頼手伝ってよ」
「事情はわかりましたけど…」
雨季の間の食料を確保するための獣をひと狩り行こうよって言われても…
「なんで俺達なんですか?」
この街にはDの俺より上のランクの冒険者だって普通にいるわけで、わざわざ手分けして俺達をかき集める必要性などどこにもないはず。
「いや、リョー君も忙しいかもしれないと思って止めはしたんだが…」
「リョーくん達連れてった方が効率よく倒して回れそうだし。」
「はあ……」
「ママが「行くならついでにリョーも連れていって討伐依頼の頭数稼がせてきな」って」
まぁ言わんとしてることは分からなくもない。
ただ…
「…ママ?」
「誰や?。」
「ワシらの知ってる人か?」
「あっ知らないんだっけ?ギルドマスターだよ」
「え…?」
「ルミのお母さん、アンジェさん」
「ええええええ!!?」
アンジェさんに子供いたんだ…
そういえば…似てる…のか?
アンジェさんの話が衝撃的すぎてこの後の説明が全然入ってこなかった。
ひとまず俺たちは森へと飛んだ。
キィィィィィン
門を過ぎて数分。
1号車に俺、グレイスさん、陸。
2号車with 乗合ボックスにメルタ、匠、ウィルさん、ヴァルさんに、ルミさん。
3号車にティールズとセインさん。
in1号車
「魔獣も見え始めたし、ここら辺でいいだろう。」
「あとは陸路で探す感じですか」
「ああ。普通、ここまでくるのも陸路だが…」
「【文句言うなら自分だけ歩き~や】」
「【じゃあ帰りはグレイスだけ歩きだね!】」
「【アタイらはコイツで帰るからせいぜいゆっくり帰っておいで】」
「【…ガンバ】」
「【ヴォッ】」
「あっ…いや…その…」
なかなか見れないグレイスさんが集中砲火を喰らう光景に笑いが溢れながら適当な所に着陸させる。
「【かいしゅ~】」
陸の背中に全飛行車とボックスをしまう。
「こっからどうするん?」
「これだけの人数が動くのはさすがに目立つからな。二つのチームに分けよう。」
俺たちが3人と一羽と一匹と10匹、グレイスさん達が4人と一頭として考えるとして、人外の割り振りをどうすべきか…
話し合うこと数分
Aチーム
前衛:セインさん、ヴァル
中衛: 俺、メルタ
後衛: ルミさん
「攻防のバランスは良さそうだねぇ。」
「ヴォッ」
「そういえば、セイン君はいつもの大盾は使わんのかの?」
セインさんの左手に片手用の盾、右手には片手用の斧が握られている。
「木にひっかかる。土魔法の精度、落ちるが仕方ない。」
「なるほどの。土魔法は当面ワシの担当じゃな」
俺のチームは比較的いい感じだ。
問題あるのは…
Bチーム
前衛: グレイスさん(火禁止)
中衛: ティールズ、匠
後衛: ウィルさん、陸
「こっちもバランスは大丈夫そうだな。」
「…ウィル氏、1人、大丈夫?」
「ああ大丈夫大丈夫。代わりならタクミ君とリク君いるから。」
「あんた人外ならなんでもありなんか」
「ま~かせといZZZzzz」
「寝んなぁ!!」パシィンッ
このザマである。
まぁいざとなったらなんとかなる…はず…多分
大きめの木を集合場所として、AとB別々に分かれて散策することになった。
「こっちのチームは何を狙うんですか?」
「確実に数量を稼ぐ。小型の獣か魔獣を狙って大物が出たら出た時だな」
「ラビット系かディアー系の群れが狙い目だね」
ウサギと…鹿だったっけ?
肉屋でよく見るが、庶民にとって一般的な魔獣肉として流通している。依頼のランクはD~とかだったな。
1匹や2匹捕まえるだけならAランクがパーティーで出るようなことはないが街の食料を用意するのとは勝手が違う。
弱い魔獣でも群れをまるまる押さえるとなると難易度ははね上がるってわけ。
「草食系は素早くてすぐ仕留めないとバラバラに逃げちゃうから、全部仕留めるのはアタイ達も工夫がいるんだよね」
「気付かれずに群れ丸ごとか…技量がものを言うのう。」
音を立てないように探すこと10分ほど。
前足が異常に発達した茶色いウサギが遠目に12,3匹いた。
「ん。ディグラビット。」
穴掘りの得意なウサギさんね。
その前足はどこの生物から取ってきたの?って聞きたくなるくらい太く、長い。
「あれだけの数をどうやって倒すんですか?」
「まぁ見てな【エレキボム】」
ルミさんが小さめのバランスボールほどの黄色い球をウサギに向けて放つ。
ピクンッ
ピョンッズダダダダダダダダダダッ
ビリビリビリビリビリビリ
バチバチバチバチッ
12匹中攻撃が当たったのは5匹。
7匹は地面を掘って逃げた。
穴を塞いでいるあたりしっかりしてるみたい。
「とまぁ、馬鹿正直にやるならこんな感じだね。
12匹もいれば大体1匹は攻撃に気づいちまうのさ。
1匹が気づけばそれを合図に逃げちまう。
ただ威力の高い魔法では意味がないってわけ。」
「さっき当たった5羽は反応が遅れた。たいてい子供だったりする。」
「気付かれずに群れ全部ですか…
あっ!面白い方法を思い付きました。
次ちょっと試していいですか?」
「「?」」
5羽のウサギを回収して他を探す。
「いたよ」
今度は足の方がゴツいのウサギ。数は17。
「さっきのとは違いますね。」
「アレはホッパーラビット。ディグラビットとは逆で空中に逃げる。」
ジャンプ力専門のウサギさんか。
さっきのディグラビットなら地面を固めて掘れなくするか、掘る前のジャンプを封じるんだけど、その逆なら作戦も逆の方法にする。
「罠を作ります。
セインさんとルミさんの魔法で、土を出来るだけ柔らかくできます?」
「ドロッドロにすればいいのかい?」
「はい。
出来るだけ足元を悪くしてください。底無し沼を作るイメージで。」
「分かった。ルミ、雨を頼む」
「はいよ。」
「水魔法で雨降らせられたんですね…」
前に赤い竜を倒した時は雨雲から作ってもらったが、わざわざそんなことをしなくても雨は降らせられるとのこと。
「ワシらはどうするんじゃ?」
「ヴォッヴォッ」
「まずメルタが土魔法で一部分だけ穴を開けた岩の箱を作って、その中にホッパーラビット閉じ込める。当然開けた穴から出てくるだろうからあとは手分けして一網打尽にできるかなと。」
「ヴォッ!」
俺の光魔法で姿を消し、ゆっくりと限界まで近づく。
「3…2…」
「【レイン】」
「【エリアボッグ】」
「【ロックウォール・箱型・穴あり】」
一箇所だけの大雨。
ホッパーラビットの周りに公衆トイレほどの岩箱ができる。
中が目視できないが、外にも泥っぽい水たまりのようなものが見える。なんなら岩箱がちょっとずつ沈んでる。
ゴンッガンッ
頭突きでもしてるのか、岩壁にぶつかっている音が聞こえる。
岩を破られる可能性もあったが、自力で出てこれなさそうなので、ひとまず安心。
「よし、GO」
「ヴォッ」
俺とヴァルさんで前衛、残りは後衛として援護と罠の維持をしといてもらう。
「ヴォッヴォッヴォヴォッ」
ドカッバキッ
「【雷刃】!」
ザシュッズバッ
的確に相手の脳天を殴り蹴るヴァルさんとクナイ+雷魔法でなんとか着いていく俺。
「ヴォーッ」
「いっちょあがりです。」
「お疲れさん。なかなか悪くないコンビネーションだよ」
「時間はかかるがAランクも夢ではない。」
「そうですか?」
「『武器ありで』じゃがな」
「グフっ…痛いとこつかないでよ」
「今度ワシが直々にしごいてやろうかのう」
「えぇ~…」
メルタの訓練か…俺の体が無事だといいけど。
森を行くこと早1時間。俺達の手持ちにはウサギ、ウルフ、鹿が入っている。
現在、遠目に5頭のイノシシがいる。
親のイノシシは全長3メートルくらいある特大サイズ。子供のイノシシでも80センチくらいある。
「あれは…ボアの親子ですよね」
「狙いとはサイズが違うがどうするんじゃ?」
「食えるかどうかで判断する。ボアは煮物か鍋で食える」
デカくても食材になればなんでもOKなのね。
確かにあの大きさなら相当な量の肉が採れるだろうし。
日本でも確かイノシシ料理あったっけな。食べたことないけど。
「アレはアレで狙い目になるね。ちょいと2人で戦ってみなよ」
「あ、はい」
さーてと、子供から行こうか親から行こうか…
「普通のボアはCランク魔獣。動きは単純だけど、油断したら大怪我だから注意しな」
ブギャーー!
親イノシシの威嚇(?)が聞こえた。俺たちの存在に気づいたらしい。
考える時間はないみたい。
「ワシが行こう。」
「1人で?大丈夫?」
「大丈夫じゃ。ボアなら昔山籠もり訓練で何度も倒しとる。
主人としても遅かれ早かれこの体でどこまで行けるか知っとくのも悪くないじゃろて。」
そういえば作った当初から数えても戦ったことほとんどなかったな…
ゴーレムとしての体がどこまで生前のものに馴染むか、俺も知っておいて損はない。
「いざ、参る」
長刀を両手に持ち、どっしり構えたメルタ。
地面を後ろ足で蹴る親イノシシ。
微動だにできない子イノシシ
ズダダッズダダッズダダッズダダッズダダッ
先に動いたのは親イノシシ
メルタは構えたまま動かない。
「遅い」
刃まで1メートルほどのところまで近づいたタイミングでようやく右へ避けると同時に長刀を振る。
猪突猛進とはよく言うもので、避けることなく刃の通り道に入るイノシシ。
ズバッ
「ピギッ?」
「終いじゃ」
残ったのは胴体と別れたイノシシ(親)の頭部。駆け寄る子イノシシ×4。
ブッ…ブブゥ…
「ん?なんか震えてますけど」
ブギャアアアアアアアアアアアアアアアアア
突然体が光り出し、急激にシルエットが大きくなる子イノシシ×4。
「怒りで成長した!?」
「進化も!?こんな急激に!」
「主!気を抜くでないぞ!」
「やっぱりヤバい系?どうします?逃げます?」
「ここで仕留める。絶対に背中を向けるな。」
ブブォォオオオオオオオオオオ!!!
進化を終えた子イノシシは真っ赤なイノシシと牙がとにかく強そうなイノシシの2通りに分かれた。
いずれも"高さで"2メートルくらいある。
「クラッシュボアが2とアングリーボアが2か、数の上ではこちらが有利じゃが4頭全部この大きさはちょっとのぉ…」
「こりゃ、セインも普段の盾に変えた方が良さそうじゃないかい?」
「そうする。ヴァルもグローブ」
「ヴォッ」
セインさんのアイテム袋から取り出された武器に、いかにこの状況がまずいか思い知らされる。
さすがにこの状況で食材として見る余裕はなかった。
ブギャアアア!
ピギイイイイイ!
ブモォオオオ!!!
プギイイイイイ!!
いっせいに突進を仕掛けてくる4頭。
「避けろ!」
「【身体能力強化】っ【跳躍強化】」
幹の上にヴァル&ルミ、左にメルタ、右に俺とセインさん。各々避けることには成功。
木々をなぎ倒してくれたおかげでセインさんが大盾を使いやすくはなった。
「セインさん、接近戦は避けて魔法中心で倒せると思いますか?」
「可能だが…全部避けるのか?」
「突進に当たらなければいいなら策はあります」
作戦会議中。少々お待ちください
「よし、いくぞ」
「いつでもいいよ」
「ワシもじゃ」
「OKです」
「ヴォッ」
「開始!」
「【マッドドール】」
「【アイスドール】」
「【ミラージュ】」
ボアの周りを囲う何十もの氷像と土人形。そして俺の光魔法で5通りの見た目に変える。
キョロキョロ
ピギッ!
ブムォオオ!!
プギイイ…
俺たちの取った作戦は大量の分身と念動で敵のかく乱と突進を防ぎ、4頭がバラバラに動き始めたタイミングで一斉射撃で倒すというもの。
ちなみに本物の俺たちは木の上や魔法で空中に浮いて待機中。
ヴァルさんは地上でとにかく早く走り回って足音を演出しもらっている。
「今だ」
「【アイスボム】」
「【魔法強化】【念動】【サンダーランス】」
「【ロックフォール】」
「【ロックランス】」
一頭目。凍結し絶命。
二頭目。上から岩に頭以外を強打し瀕死。
三頭目。雷に打たれて瀕死
四頭目。槍に体を貫かれ絶命。
「あれ?二頭残ったね。面白い作戦だと思ったのに…」
「魔法単体威力も足らなかったか雷魔法に耐性があったみたいで。」
「だが弱りきってる。とどめはすぐ。」
メルタとセインさんでサクッととどめを刺す。
「改めていっちょあがりだね。さ、解体始めるよ。
リョー、アンタの得意分野だろ?」
「ちょっと待ってて下さいね」
ボア肉に魔法で刺した槍の石の破片などが混じっているのはよくない。
母ボアと4頭全部、俺のスキルで肉や皮やらの部位ごとに解体する。
「これだけ解体すれば大丈夫ですかね?」
「大丈夫だよ。
骨に肉片一つ付いてやしない。ママが連れてけっていうわけだね。」
「手間が省けた。そろそろグレイス達と合流しよう。」
「はい。」
ボア五頭分の素材を回収して集合場所に戻る。
Aランク2人と熟練の元兵士が一緒だったからかあっけなく終わったな…
もうちょっと長期戦も期待していたけど、安全に倒せるに越したことはない。
「匠もグレイスさんも大丈夫疲れてません?」
「あぁ…君は大変だなリョー君…」
他の3人に比べて2人がえらくやつれて見える。
「めっちゃ疲れた…精神面が特に」
「何があったの?」
「・戦闘中に寝るアホが1匹。
・ウサギの群れ見て倒しとうないいうアホが1人。
・ワイの風魔法の中にわざわざブーメラン投げ込んでコンビネーション技や!言うアホが1人。
もう狩りが成立せえへんから最終的に魚釣り班と狩り班に分けたったで」
「お…お疲れ様です…」
まぁ予想してないわけじゃないけど、ウサギの群れ倒すには向いてない組み合わせかもね。
獣の代わりに川魚は結界をうまく使って大量に獲れたらしい。
「そっちはどないや?」
「ウサギとオオカミ、巨大なイノシシを群れで押さえれたよ。」
「なんとかギルドマスターに怒られずに済むね」
「あぁ、だが次来るときはチーム変更を心から希望する。」
「同じくや!」
時刻にすると17時くらい。
俺達は森を抜けてリースに向けて飛行車を飛ばした。
たった1人を除いて。
「本当にオレだけ歩き…」
10
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