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魔獣編
しおりを挟む亞希が愛蘭と共に一砂小学校に戻ってくると
魔法陣で見た映像と変わらない景色が広がっていた。
亞希は足元を見るとそこには愛夢が倒れていた。
「酷いものねぇ~
ね?愛夢...?」
「亞希...ソルシエール...さま...」
「使えない奴が。」
「ひっ」
亞希の表情が恐ろしく変わる。
うつろな目をして呟く。
「使えない...使えない...使えない
ねぇー死ぬ?死ぬ?死んじゃう?」
亞希は杖を取り出し、杖の水晶が光ると
杖が小さなナイフに変わる。
「ねぇー愛夢、死ねよ…死ぬ?」
亞希が愛夢に向かってナイフを振り上げたその時。
「ソルシエール様!!!!!!」
「何?」
「ヴゥ゛...」
怪我をした愛が足を引きずり止めに来た。
「おやめください…!亞希様…
どうか…どうかっ妹を殺さないで下さい!!」
「.........
分かったわ。」
「ありがとうございます...!!」
亞希はスッとしゃがむと、愛夢の顔の前に手を伸ばした。
そして目の前に魔法陣が現れ、愛夢は怯えた。
「ひっ(殺される!!)」
「ソルシエール様!!!!!!」
「うっさいなぁ~」
愛夢はそのまま目を開いて涙をこぼし、動かなくなった。
「愛夢ぅぅううぅうぅぅう!!!」
亞希は両手を上に上げると大きな魔法陣を出した。
魔法陣から小さい魔法陣が5つ出ると
愛音、愛姫、愛羽、愛隣の元へ飛んでいく。
「妹達を…やめてぇー!!
おやめて下さい!!ソルシエール様!!」
そんな愛のところにも魔法陣は飛んできた。
「はっ...(逃げなきゃ!)」
足を引きずり逃げる愛の背中に魔法陣が当たる
キャッっと短い悲鳴を上げ倒れる愛。
「ちょこまかと動き回って...」
倒れて動かない姉達を見た愛蘭は涙を流した。
「おねぇー様…」
「ほっておきなさい。
行くわよ。」
「はい...」
......
...
..
.
「......はっ!?
私...死んでない?傷が…治ってる…
!?妹達!!」
「愛さん!」
名前を呼ばれてびっくりした愛が振り返る。
そこに立っていたのは────
「みゆきさん…」
「あなたは…どうして…そんな綺麗な心を持っているのに人殺しなんてするんですか?」
「綺麗な心?」
「だって…妹想いですごくいい人なのに…」
「何も知らないのに…そういう事…言わないでくれる?」
「あっ…ごめんなさい…」
愛はそう言って妹達の元へ行った。
......
...
.
「ありえない!どうして全滅するような事が!!」
運動場へ続く道を歩いていた亞希。
全く人を見なくなっていた。
「一体どこに隠れたのかしら?」
亞希が運動場へ出ると教師達が武装して立ちはだかっていた。
「...なるほど…そういうことね。
殺すな、いたぶる程度と言えば全滅する訳か?
ありえないけど。」
「ソルシエール様…行くんですか?」
「当たり前でしょ?お遊びはおしまいよ。」
その時、頭に激しい衝撃が襲った。
びっくりした愛蘭が飛び上がる。
亞希が地面にズサーっと倒れる。
「亞希・ソルシエール様!!」
「お前を傷付けたくはなかったけど…
子供達を守るためだ!!」
「貴様っ!!」
「亞希・ソルシエール様!!!」
「愛ねぇー様!!無事だったのね!」
「えぇ、ソルシエール様は傷を癒してくださっていたんだ。」
「まだ生きていたのか!!」
「おのれぇええぇぇえ!!!!!」
「おねぇー様!!」
「わかっている!!殺せと命令がない以上
貴様を殺せないのは腹立たしい…」
亞希を襲った教員は愛に向かってバットを振り回す。
愛は飛んでかわす。
「クソッ!おりてこい!!」
そこにみゆきが合流する。
「酷い…」
「みゆきちゃーん」
「愛蘭ちゃん!!
!?...亞希っ!ソルシエール様!!」
「うっ...。」
「…ほっ……愛蘭ちゃんソルシエール様は
気を失ってるだけよ。」
「よかった…よかったよぉ~」
「もぉー我慢出来ない!!
殺す!!」
「おねぇー様!!ダメです!!」
愛は両手に光る双剣を出すと襲ってくる教員を切りつけた。
それを見た男の教員達は集団で襲いかかる。
女の教員は運動場に集めた子供たちを裏門から逃げるよう誘導し始めた。
「きゃあ!!」
「先生ぇー助けてー!!」
『わっ…イテテ…』
『は..大丈夫か!?』
『うん…』
「皆!!早く避難してー!!」
『行くぞ!..と!!』
『あ、まって!た..ん!!』
亞希が目を覚ます。
安心したみゆきが亞希の体を支えながら立ち上がる。
「よかった…!無事で…」
「少し油断しただけよ…
でも、ダメね…」
亞希の首の鈴がチリーンと高い音を響かせた。
その音に愛が反応する。
「!?...化け猫...」
亞希の体を光が包むそこから出てきた亞希は
髪を一つにくくり、黒く大きなリボンでとめている。
体を赤い大きなリボンで結ばれ、手は3本の大きな爪
フィッシュテールワンピースのような黒い服に
足もまた3本の大きな爪。
お尻から2本のしっぽがはえていて
そのしっぽにはあかいリボンの付いた鈴がついている。
そんな亞希の姿を見たみゆきと愛蘭は今までと違う姿に唖然とした。
「猫…?」
「新しい…変身??」
「いいえ…違う…コレは変化。」
「変化…ですか…」
愛蘭がのみこめていないまま亞希は動き出した。
「殺す!!」
腕を振り下ろすと亞希が直接触っていないのに
男の教員達は切り殺されていく。
あっという間に、残った男の教員達はみんな殺された。
みゆきは早いと呟く。
愛も全滅…と言葉を漏らした。
再び亞希を光が包むとパンッっと光がはじける音と共に一信中学の制服を着た亞希が姿を現した。
「う゛…力を使いすぎた…。」
亞希はそのまま気を失う。
ドサッと倒れるとしっぽについていた赤いリボンの付いた鈴が落ちた。
心配したみゆきが亞希に駆け寄る。
「亞希っ!大丈夫…?」
目の前に立つ愛にみゆきが言う。
「愛さん!亞希は!!大丈夫なの!?」
「いきなり2尾は…魔力の消費が激しかったんだろう…。」
「愛さん!どういう事ですか!?」
「んっ...」
「愛さん!!」
「尾よ!マリア様が飼う愛猫…
マリア様の使い魔…普段は尾は1本。
数が多ければ多いほど魔力は強くなる。
でも、尾が9本出るとあの人はあの人でなくなってしまう…。」
「マリア様??どういう事?亞希が亞希じゃなくなるって!」
「あなたは魔獣を知らないの?」
「知りません!!ですから!!」
「一緒にいたら分かるわ…マリア様のことも…何もかも…」
「おねぇー様!ソルシエール様を…
安全な場所へ...!!」
「そうね!」
愛が亞希に、手をかざす。
すると、亞希をシャボン玉のようなものが包み
浮かび上がった。
それを見たみゆきが亞希が全てを忘れるまえを思い出す。
「あの時のも…愛さんが…」
「ん?
行くわよ!!早く済ませないと…。」
「あっはい…」
............
.........
......
...
.
『...県...市で多くの人々が
次々と亡くなるという事件です。
犯人は、現在の情報、女ということ、中学生ということが、わかりました。────』
「まぁ...」
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「クス この子── クスなのね…クス」
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