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教師殺し編
しおりを挟む次の朝、亞希はお気に入りのチョーカーをして学校に向かっていた。
黒いベルトに、真ん中に鈴の付いたチョーカー。
亞希はルンルンだった。
スキップをすれば地面に足がつく度にチリーンと鈴の音がする。
亞希は学校に付くと自分のクラスまでまっすぐ向かった。
クラス、学年…学校中の話題は、この、信一中学校の生徒が次々と死んでいる事についでだった。
特に亞希の学年、2年生では亞希のクラスの3組が1番その間話題で盛り上がっていた。
探偵の真似をして、犯人はお前だー!だなんて言っている奴もいる。
亞希が廊下を歩いていると前から川本みゆきが走ってきた。
「おはよー!亞希っー!」
そんなみゆきの口を人差し指でふさぐ。
鋭い目つきで亞希はみゆきに言った。
「話しかけない方がいい…死ぬよ?
明日から気をつけな……。」
「えっ…でも…」
「今日は許してあげる。でも、明日からはゆるさない。」
「ぅん……。」
そう言って亞希はクラスへと歩いていった。
「(いつもと違う目…怖かったな…まさか本当に…)」
みゆきが考え込んでいるとチャイムが鳴った。
みゆきは首をふって、3組へと入っていった。
1時間目は国語。担当は徳山だ。
何故がいつも鼻が赤く、生徒からも、トナカイ先生なんてあだ名をつけられてるくらいだ。
「竹取物語のこの間やったところ、続きからやるぞー!」
「きりーつ…れぇーい…」
「お願いしまーす」
「ちゃくせーき。」
「はぃ、教科書、87ページ開いてー、読むぞー。
逢ふ事も 涙に浮かぶ我が身には
死なぬ薬も何にかはせん
えぇーっと、歌意、川本読んでくれ。」
「はっはぃ!
かぐや姫に逢うこともできず、我が身が浮かぶほど悲しみの涙を流しているのに、不死になることに何の意味があるのか。」
「はぃ、川本ありがとう。
鑑賞はだな…
かぐや姫が月へ行ってしまった後、傷心の帝が詠んだ歌で
帝は、かぐや姫が残していった不死の薬とのこ歌を月のいわさかと言う人に「天に近き山」へ大勢の兵士を連れて登らせ、頂上で焼くように命じた。
以来、その山を「ふし、(不死・富士を掛けた)の山」と名づけた、それが今の富士山でー...」
ガタン。
「ん?」
亞希はいきなり立ち上がりガラリとドアを開け、外に出ようとした。
当然、徳山は注意する。
「おい、秋…」
そこにみゆきが割って入る。
「先生!はっ話しかけちゃダメです!」
「何言ってんだ川本。
おい、秋──…」
徳山が名前を呼ぼうとした時、亞希はスーっと徳山の目の前に立っていた。
「!?...えっ…」
「本当に話しかけない方がいい。明日から気をつけな…」
「何だその口の聞き方は!先生をなんだと…」
亞希は物音1つたてずにその場から消えていた。
鈴の音だけを残して。
チリーン......。
「おい、川本!」
「はっはぃ!」
「お前何か知ってんのか?」
「いっ…いえ…知りません…」
みゆきが答えたと同時にチャイムが鳴る。
徳山の今日はここまでその言葉で生徒は休憩に入る。
「次の授業なんだっけ?」
「英語でしょー?」
「まじー?移動じゃーん」
「頑張ってね!」
「みゆきの所はいいよねー!女の先生で!
私の所は、片平だよ?汗くさデブでマジでやだ。」
「英語の時だけじゃん!我慢ガマン!じゃっ頑張ってね!」
「みゆきもねー!」
英語を嫌がるクラスメイトを見送ると
みゆきは英語の教科書とノート、筆入れを持って教室を出ようとする。
みゆきは足を止め、亞希の机に向かった。
亞希の机の中からノートを取り出し、筆入れを持ち、教室を出た。
英語の教室に入るとみゆきは教科書を机の上に置く、亞希とは隣の席。
一旦トイレに行き、教室に入り、席に着くとチャイムがなった。
皆が教室に入って次々と席に着く。
亞希も遅れてみゆきの隣に座る。
最後に英語の担当中川が教卓につき、生徒の号令で授業が始まる。
「はぃ、今日は43ページから45ページまでやろうかな!
さっ43ページ開いてー!」
亞希は、範囲を聞くと隣のみゆきの教科書を借りて
ノートに範囲のまとめをサラサラと書き、赤や青の色を使って自分なりにわかりやすくまとめた。
教科書をみゆきに返すと、亞希はそのまま机にうつ伏せて眠りだす。
......
...
数分後、寝ている亞希に気づいた中川が亞希を起こそうとする。
「チョット秋──…」
みゆきがハッとして止めに入る。
「先生!ダメ!!」
「なに?川本さん。」
「あの…亞希は今日は…話しかけない方がいいですよ…」
「そんな訳にはいかないわ!寝ている生徒をほっとけないわ!」
「でも!」
「いいから、川本さんは黒板をノートにうつして!
秋野さん!起きなさい!」
パチッと目を覚ました亞希の目は猫の様に鋭い目をしていた。
ギロっと中川を見ると亞希は言った。
「せっかく…せっかくのみゆきの忠告を無駄にして…
死にたいようね…」
教室にチリーンと鈴の音が響く。
「はぁ?」と中川が亞希の顔を挑発げに見る。
「死ぬ気満々?」
亞希は教卓の所へ行き、ひょいとのぼると楽しそうに言い出した。
「みゆきがせっかく忠告したのにねぇ~
見せてあげるよ亞希の魔法。」
「魔法?魔法なんてある訳がないでしょ?
魔法を信じてるなんて子供みたい。
魔法はないのよ!馬鹿馬鹿しい、降りなさい!席について!」
「なっ…
あんたなんかに…魔法を否定させない!!」
「じゃー使って見せなさいよ!」
チッと舌打ちをするとチリーンと亞希の鈴が鳴る。
亞希はスゥー…っと息を吸う。
「ほぉーら、使えないんじゃない、馬鹿な事言ってないでべんきょっ………えっ…」
教室で悲鳴が上がる。
中川の腹からじわりと服に血がにじむ。
口からダラダラと血が出る。
体が傾く。床に上半身が転がる。
下半身もバタっと倒れる床が血まみれになり、死体を囲む。
次々と教室から生徒が悲鳴を上げて出ていく。
亞希は教卓からぴょんと飛び降りると自分の席に戻り
教材をもった。
「否定した事…許さないから!!」
亞希がそう中川の死体に言い放つとチャイムが鳴る。
みゆきが目の前の出来事に目を疑って亞希の後ろに突っ立っていた。
亞希が振り向き、みゆきに教室を出るように言う。
みゆきは教室を出ると扉を閉めた。
扉の窓から亞希を見ると、何か言っているのか口が動いている。
亞希が両手を上にあげると、教室の床1面に大きな魔法陣が現れた。
生徒が教室を飛び出ていった時に倒れたりしていた机や椅子が綺麗に元に戻り
中川の死体、床に広がった血はスゥーっと消えてなくなった。
亞希が扉を開けてみゆきに教室に戻ると声をかける。
みゆきは頷き、亞希の後ろを追う。
生徒の騒ぎを聞きつけた教師たちが英語教室に向かって走ってきた。
勢いよく扉を開けて中を確認するが、そこに生徒が話すものは何も無かった。
教室に戻ると、亞希が口を開く。
「みゆき、次の授業はなに?」
「えっと…確か…教室だょ!社会。」
「そぅ、分かった。」
短い会話が終わると亞希は教室を出ていく。
みゆきも次の授業に備えて机に社会の教科書を置いて
トイレにむかった。
みゆきが教室に戻ると携帯を取り出した。
モードをサイレントにかえる。
「(次の社会の先生は厄介な人だからなぁ…
授業中に携帯いじってなくても、鳴ったり、バイブ音がしただけでも取り上げようとするんだもん。)」
「みゆき何してるの?」
話しかけてきたのは、同じクラスの灰田りょうこだった。
「あ、りょうこ…次の授業社会だから、りょうこもマナーからサイレントに変えておきなよ?」
「あっ!ホントだ!!ありがとっみゆき!
皆も携帯持ってんならマナーからサイレントしておきなよー!!」
りょうこの言葉を聞き、3組の生徒達はいっせいに携帯をマナーモードからサイレントモードに切り替えた。
そして、チャイムが鳴り、最後に亞希が教室に戻ってきた。
しばらくして、社会の先生も入ってきた、同時に生徒が号令をする。
「皆、おはよー!さっきは騒がしかったな!
誰だ?オオカミ少年は?」
英語で別の教室に移動していた生徒達は何の事?と騒ぎ出し。
亞希と同じ教室で勉強していた生徒達は、恐怖に震えたり、気持ち悪くなり、吐きに出ていく生徒もいた。
そんな時、亞希の胸ポケットからメールの受信音がした。
ピロリロリン...
その音を社会の教師野田は聞き逃さなかった。
「誰だぁー?今携帯を鳴らした奴は?」
野田はそう言いながら亞希の方へ近づく。
みゆきは亞希の元へ走った。
「先生ー!秋野さん体調悪いみたいなんで!」
そう言ってみゆきは亞希を廊下に押し出した。
「何言ってんだ、川本。
アイツが携帯持ってる事は分かってんだ。
逃がすようなことをするな!」
「先生。あの…さっきの騒ぎ起こしたの…秋野さんなんです。
だから…秋野さんには近寄らない方が…」
「秋野がオオカミ少女だったんだな。
まぁ、そんな事はどうだっていい。教師として、携帯は、没収しないといけないからな、川本そこをどいてくれ。」
「ダメです!話しかけちゃダメなんです!
話しかけちゃったら次は野田先生が…」
「本当に川本、お前さっきから何言ってんだ。」
「...わかりました。私が秋野さんに携帯を出すように言います。」
「話しかけたらダメなんだろ?
川本、お前はいいのか?」
「私は…今日だけは許されてるんです。明日から…私も話かけちゃダメで…」
「何のごっこしてるのか知らないが、それなら川本携帯をもってこい。」
「はぃ...」
みゆきが教室を出ると目の前に亞希が立っていた。
「わっ!?」
「なに?亞希を外に放り出して。どういうつもり?」
「…ごめん…これ以上…あんなの見たくなくて…
でも、亞希…野田先生がね、亞希の携帯を渡せって。」
「どうして?亞希は何もしてないよ?
触ってもない、ただ鳴っただけ。
悪いことはしていないよ?」
「ぅん、そうだね、野田先生が異常なだけ…
他の先生なら何も言わないもんね…でも…」
「みゆき、亞希は携帯を渡さない。
そう伝えて。」
みゆきは頷くと教室に、入った。
「川本、携帯は?」
「秋野さんは…自分は触ってない、鳴ってしまっただけで、自分は悪いことはしていないから、渡さないって…」
それを聞いた野田は舌打ちをすると扉を開け、目の前に立っていた亞希の腕をつかみ教室へ入れた。
みゆきが止めに入るが遅かった。
「秋野!出せって言ってんだよ!早く渡せ!!」
「せん…せい…」
「…みゆきがせっかく間に入ってくれたのに…自分から死を選ぶなんて…」
亞希の死という言葉に教室がざわめき出す。
「いいよ、亞希が魔法を見せてあげる。」
「魔法とか言えてお前は幸せな奴だな。」
「魔法が使えなくてあなたは不幸ね…」
「…つっ…使えるって言うのか??」
亞希はコクリと頷く。
そこにみゆきが我慢出来ずに割って入る。
「亞希ー!!止めて!お願い!!」
「...みゆき、じょうぎ貸してくれる?」
「なっ…何するの…??」
「いいから持ってきて。」
「はい...。」
「さぁー先生?亞希が今から魔法を見せてあげるよ
もぅ止められないよ?先生が亞希を怒らしちゃったから」
「何言ってんだ…遊びもそこまでだ。早く渡せ。」
みゆきが筆入れからじょうぎを取り出すと亞希に手渡す。
「ありがとう、みゆき...魔法が始まるよ!!
さぁーじょうぎよ、亞希の言う通りに姿を変えよ…
亞希にじょうぎが味方する。亞希に世界が味方する。
さぁーみゆきのじょうぎよ鋭い刃物に姿を変えよ!!」
.........
「何も起きないじゃないか。茶番はここまでだ。
早く渡せ!チャイムが鳴ってから何分経ってるんだ!
授業が出来ないだろ!!」
その時亞希の持つじょうぎが白く光、鋭い果物ナイフのような形に姿を変えた。
亞希が果物ナイフのようなものを持ち野田にじりじりと近づく。
野田は亞希の手に握られているものを見ると驚いた顔をした。
野田は取り上げようと亞希に近づこうとするが体が動かない。
金縛りにかかったように身動きが取れない。
「おっ…おい!秋野!!止めろ!」
「私に話しかけるな。命令するな。」
「おっ…お願いだ…秋野…止めてくれ…」
「話しかけかけるなと言ったんだ。聞こえなかったのか?」
「......っ!?」
亞希は野田に向かって果物ナイフのようなものを振り上げる。
「やっ止めてくれ!!秋野っ!!ゴ…ゴメ…ンガハッ...」
みゆきは目をそらす。
生徒達は悲鳴を上げて出ていく者や、隅に固まり抱き合っているもの…
亞希の目の前には口の中に果物ナイフのようなものが突き刺さり、貫通して壁にまで到達して、白目を向いて死んでいる野田がいた。
「みゆき、亞希…今からコイツを片付ける。
教室の奴らを連れてここから出ていって。」
「うっ…ぅん...。」
みゆきはクラスに残った生徒に教室を出るように促す。
みゆきに従いクラスメイトはぞろぞろと出ていく。
自分と死体だけになったのを確認すると亞希は死体に向かってしゃべり出す。
「汚い物はサヨウナラ。汚れとともに消えなさい。
荒れた物は元通り。元の姿にもどりなさい。」
亞希が両手を上にあげると、教室の床1面に大きな魔法陣が現れた。
魔法陣が消えると教室は元通りに戻る、死体も姿を消した。
床に落ちたじょうぎを広い教室を出る。
扉の前に立っていたみゆきにじょうぎを返す。
同じように騒ぎを聞きつけた教師たちが3組の教室へぞろぞろと入っていく。
だか、そこに生徒が話すものはやはり無かった。
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