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10話 出会い
しおりを挟む『ヒヒャヒャヒャヒャ!!!コんな愉快なこたァネぇぜェ!?!?いつぶりだァ!?!? そノ気概ィ…そノ根性ゥ!!テメェの魂ィにィ…!!!俺は惚れたぜェ!???』
街中に響いているんじゃないかと思うほど大きな声だった。
そいつはずっと笑っている。
楽しそうに。
生きてると実感するほどの笑い声に、僕もつられて笑う。
「はは……でけぇ…声…だな……」
『…!?!?!?オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイィィ!?????オマエっ!!!!俺様の声が聞こえてんのかよォ!!!……最高だァ!!こんなことがあっていいのかァ??今だけはクソッタレなクソドモに感謝してもいいゼェ!!!!オイぃ!!白髪ゥ!!』
「……な……に…」
もう体も、手足の指の一本まで、全く動かせない。
目を開けてるので精一杯だった。
『テメェはコンなところでくたばるようナ人間じゃネェ…!俺様は気分が絶好調のサァラァ~に絶好調だァ!!オマエに一度だけ力を貸してやるからよォ…っ…俺様が言うことに『はい』とだけ応えろぉ!!イイかぁ?絶対に死なネぇからよォ!』
この窮地をどうにかできるなら、コイツに任せてもイイと思えた。
少しだけ頷くと、剣はしゃべり出した。
『よっしゃぁぁああ!!!俺に体を貸せェ…一時的なものでイイぃ!!絶滅したランクXを見せてやっからよォ…』
ランクX
それは今の時代に1人もいない神話のランク。
人間の最終地点だが、そこに至ったものは何千年も前の神話の時代にしかいなかったという。
それを見せる?
どんなほら吹きだ。
この時代にいるわけがなかった。
そう確信している理由として、この大陸最強と言われる迷宮の翼のレイシアという最強の女性でさえランクVlllなのだから
だけどそんなほら吹きでもこの窮地を脱せれるのならなんでもよかった。
僕はその申し出に 「はい」と、か細い声で答えた。
『ヒヒャヒャヒャヒャ!!!借りるぜぇ??テメェの体ァ……!!』
そう言われた瞬間、何かが入り込んでくるような…少し気持ち悪い感覚がした。
だけどそれだけ。
視界は普段と変わらない。
しかし、先ほどまで立てなかった体が急に立った。
これは僕の意思じゃなく…剣によるものだった。
「ヒヒャヒャヒャ!!!この息を吸うかんじィ…いいねェ…っ…最高だねェ…!!んっん~???ちょっと体がイテェなァ??」
そう言ってぼきぼきしたり伸びをしたり自由に体を動かしていた。体は痛くないのだろうかと疑問に思うほどぴょんぴょん跳ねたりしている。
「コロス。もうオマエはいい。ぐちゃぐちゃにばらばらに殺してやる」
目前には大男が後、数メートルの場所まで来ていた。
「あんマ調子よくねェがァ……見てろよ白髪ゥ?オマエの最終極地・・・通過点のランクXを見せてやる」
そう言うと、さっきの僕の技と同じ構えをし始めた。
見様見真似でできるものじゃないけど、真剣さが心から伝わって来るから…僕は静かにそれを見ていた。
今度は拳ではなく、大剣が上から迫って来る。
リーチの長さはあちらが上。
こっちの黒剣は懐まで体を入れないと届かない。
「誰の心配をしてやがる??俺様がリーチどうのでどうこうできるわけねぇだろォ??目に焼き付けろよォ?」
【一振全撃】
先ほどと全く同じ形から繰り出されたそれは、物凄い速さで大剣に当たり…豆腐のように斬った。
そして下から上へと繰り出された斬撃は大男を真っ二つにし………空の分厚い雲も真っ二つに斬った。
「んっん~♪マァマァだなァ♪」
(…嘘……だろ……)
なんだこれ。なんだこれ。なんだこれ。
「はっはァ~!!俺様とォ………天使を殺そうぜェ」
これが僕、エクスと黒剣の初めての会合だった。
あまりにも異次元的な強さとおかしさに体が、心が震えた。
高揚感がとてつもなく心を躍らせている。
それはまさしくランクX
見たことはないけど、確信したんだ。
僕が目指すべき姿、
その一端に触れ、
最強への道が始まる。
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