【完結】未来から来た私がもたらしたもの

ぅ→。

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宿に帰ると芹沢鴨が激怒していた。何でもお気に入りの芸妓に袖にされたとのこと。だから手打ちにしてくると。近藤勇が止めにはいるが芹沢鴨は聞かない。

芹沢鴨に着いて、その芸妓たちの元に行った。

「どうかお許しくださいませ」

芸妓2人は恐怖で涙を流してる。

「芹沢局長、女子を斬ってしまえば剣が汚れてしまいますわ」

私は芸妓2人の前に立ち、芹沢鴨と向き合った。

「退け。さもなければお前も斬るぞ」
「彼女たちの命を助けてくださるなら退きます」

すると、芹沢鴨が腕を振り下ろし鉄扇を私の首にあてる。

「ほお……。顔色ひとつ変えぬか」

殺気がないもの。顔色なんて変わらないし、例え殺気があっても平気。いざとなればその腕を止められる自信はあったし、一さんも剣に手を置いていつでも抜ける状態にしていた。

「ふんっ。お前に免じて断髪で許してやる」

この時代の断髪は女性にしたら、死刑とそう変わらない。芸妓2人は悲鳴をあげて泣き崩れた。断髪を近藤勇にしろと芹沢鴨は言うが、私が名乗り出た。私なら可愛くしてあげられるから。

「どれぐらいの長さにすればいいのですか?」
「短ければ短いほどいい」

なるほど。それならばショートカットにしよう。

「大丈夫ですよ。お姉さん方は短くしても綺麗ですから」

私は鋏を借りて、彼女たちの髪を切っていく。髪が短くになるつれ彼女たちの泣き声が大きくなった。芹沢鴨はそれを見て満足気にしている。

髪が短くなったため彼女らは今後芸妓としては働けないようだ。彼女たちがどうなるかは分からないけど、生きてればいいことあるし、髪などいくらでも伸びてくる。

「麗奈君、嫌なことをさせてすまなかった」

近藤勇が申し訳なさそうに言ってきた。

「未来では女性でも髪が短い人は沢山いるのです。だから、髪を切るということに罪悪感はないのですよ」
「そうなのか?」

私ははいと答えた。その証拠にスマフォにあるショートカットの写真の女性を見せる。こんなに沢山あるんですよと。

そんなこともありながら京に戻ると、私と同じく未来から来たという女の子がいた。

「山中凛ですぅ!」

とても明るく笑顔の似合う子だ。

「近藤さん、こいつも屯所に置くことになった。部屋は監視も含めて俺と同室にした」

女中兼土方副長の小姓とのこと。

「麗奈ちゃん、同じ令和人同士仲良くしてねぇ!」

そう言って握ってきた手は痛いほど力強かった。まるで私が邪魔だと言ってるかのように。

彼女は満18歳。私と同じ歳。

「麗奈ちゃんはどこの高校だったのぉ?」
「アメリカの大学を卒業したわ」

飛び級で12歳で卒業してる。ニュースに出る出来事だけど政府が隠した。私を悪の組織に潜入させるために。

「わあ!天才なんだねぇ?すごぉい!凛、ばかでぇ英語とかわかんなぁい」
「異国語など分からなくてもいいだろう」
「そうだよねぇ?ここでは必要ないもんねぇ」

土方副長の言葉に凛は嬉しそうにはしゃいだ。

「私、新撰組が大好きなんですぅ!だから!新撰組のためなら何でもしますぅ!」

彼女の言葉がとても軽く感じられた。だけど、土方副長や近藤勇はそんなことないのか、それは有難いと言っている。唯一、私と同じことを思ってるのか一さんの顔は難しいものだった。

部屋に戻ると、一さんが溜め息をつく。

「麗奈、手は大丈夫か?」
「一さん?」
「あの女、力強く握ったであろう?」

気がついてくれたなんて嬉しい。私は思わず笑顔になった。

「私は大丈夫よ。一さんさえ分かってくれれば、それだけで幸せだから」
「麗奈」

そのまま口付けしようとしたら、沖田総司が入ってきた。

「それ以上は出会茶屋でお願いします~」
「沖田、声掛けてから入ってこい」
「だって、そんなことをしてたら2人はことを始めちゃうじゃないですか~。それにしても見ました~。新しく来た人~。あの人、僕に野菜食べろとかうるさいんですよ~」

彼女も未来を知ってる。つまり沖田総司が労咳で死ぬということを知ってるのだ。だから、それを防ごうとしてるのだろう。沖田総司には感染症にならない注射を一さんに渡して、既に一さんが打ったという。スマフォにも沖田総司の死に方が変わった。

そのことをあの子は知らないのかな?

「斎藤さん、麗奈さん、土方副長が及びです。近藤局長の部屋まで」

監察方の山崎烝が呼びに来た。僕も行く~という沖田総司を置いて近藤勇の部屋に。

近藤勇の部屋に行くと、土方歳三から私のじゃないスマフォが渡された。

「お前のスマフォみたいに操作できない。どういうことだ?」

凛ちゃんのスマフォか。見てみると確かにネットとかは繋がらない。だけど、これが普通なのだ。そのことを説明した。何故、私のスマフォが使えるのかも分からない旨も一緒に。

私がスマフォを土方歳三に返そうとしたらスマフォが輝いた。

「何をしやがった!?」

土方歳三が抜刀し、対等するように一さんも刀を抜き、土方歳三に向ける。

「2人とも落ち着け」

近藤勇の言葉に2人が刀を収め、腰を下ろした。

「私にもなんなのか……」

スマフォを弄ってみると、ネットが使えるようになっていた。そのことを説明する。さっきの光はその影響ではないかと。ただ、何故そうなったかは私も分からないと。

「天は麗奈君の味方なのだろう。そのため麗奈君が手にしたから使えるようになった。それ以外思いつかない」

ただの偶然だと思うけどね。だって私はただの特殊部隊の一員だよ。特に優れたところはない。

凛ちゃんのスマフォは土方歳三が管理することになった。そして連絡用に私とLINE友になる。
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