【完結】未来から来た私がもたらしたもの

ぅ→。

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御台所は朝廷に返された。天皇の妹のため命までは取られなかったが、城で短刀を抜いたことは許されず、将軍様との婚姻は無となった。朝廷も流石に庇えなくて受け入れる。

一さんの喪が明けて、私は将軍様と婚姻した。

私の気持ちはまだ一さんにあるから、申し訳ないと言ったが、それでいいのだと。一さんを愛してる私ごと愛してるのだと将軍様は言ってくれた。

そして初夜。将軍様の奥さんだから、沢山の人に体を磨かれた。人に体を洗ってもらうのは慣れてなくて恥ずかしい。

「麗奈」
「……上様」

将軍様の奥さんになったので、呼び方も変わる。一定以上の地位の人しか呼べない上様と。

布団の上で正座してると、上様に抱き寄せられる。

「そなたを大事にする。斎藤の分までな」

私はその身を上様に任せた。行為はもう言葉に表せないほどだ。何も考えれなくなる、頭が真っ白になる。それだけでは足りない。それは上様も同じようで、激しく私を求めてきた。

「余は大奥を閉める」
「それは……」
「余の妻は麗奈だけ。それに欧米諸国を見ても一夫一妻。また未来の日本でも一夫一妻である。ならば余がその先駆けとなる」

私を妻にするだけでも大変だっただろうに。更に一夫一妻にまでするなんて。上様はどれだけ私に心を砕いてくれるんだろうか?そんな上様に私がしてあげられることは何だろうか?

上様は本当に大奥を閉めた。大御台所が反発したが強行したとのこと。上様の側室を狙ってた諸藩も反対した。それに対して上様はそなたらが言うから他の女子も召し上げようとしたが、不能であったと言った。ピクリとも反応しなかったと。麗奈以外、無理であるのに大奥があるのは財政的に不要であると諸藩を納得させた。その浮いたお金を軍隊に回して強国にするとした。

更に上様は私も会議などに参加させる。私の持ってる知識、思考は今後の日本には必要とした。

「上様、急な改革は不満の芽を大きくさせまけんか?」
「それでも進めなければ欧米諸国に飲まれる。また長州に負けるであろう。麗奈、そなたの力が必要だ」

私に何が出来るだろうか?得意なのは諜報活動とか暗殺よ。

私は力になれるように色々、努力した。政は分からないけど、武器には少し詳しい。知らないことはスマフォで調べながら、武器製造の開発に取り組んだ。

「麗奈、上京することになった。共に来てくれるか?」
「はい」

上京するのには船で行くとのこと。酔い止めを貰い飲んでおく。船に酔ったことはないけど、この時代の船がどれくらいの性能か分からないから。

将軍警護のため新撰組も大阪にいるとのこと。身分が違ってしまったため、もう会話することは殆どないであろう。まあ、土方歳三や桜さんとはLINEでやり取りしてるけどね。凛ちゃんは今土方歳三が厳しく指導してるらしい。

「今までと違い堅苦しい生活をさせてしまってるな」
「上様」
「それはすまぬと思っておるが、もう手放してやることは出来ぬ」
「上様がおるところが私の居場所です」

私のことを想ってくれてる上様に私も想いを寄せつつある。それにこうして外に出してくれるのだ不満なんてない。船上で潮風を浴びながら、上様と談話した。

「将軍職を退いたら世界を旅しようぞ」
「上様?」
「斎藤と約束しておったのであろう?その約束、余が果たしてやる」
「上様、世界は広いのですよ?早く退かなければ歳で動けなくなってしまいます」
「それならば、早くできるよう子作りに励むか」
「上様?ここは船上で……」
「関係ない」

そこからは船旅を楽しむというより、殆ど寝室に篭っていた。

大阪城に着き、着替えをする。御台所に相応しい装束に。

「麗奈」
「はい、上様」
「参るぞ」

どこに?

私は腕を取られながら着いていく。城を出て街中に。将軍様が出歩いていいのかな?しかも護衛もいない。

「上様、良いのですか?」
「良いのだ。今日はデートだ」

あちらこちらの店を周り、色々と見ていく。私のものは上様が選び、上様のものは私が選んだ。

そこに新撰組を見つける。向こうも私たちに気が付いた。慌てて平伏しようとするのを上様が良いと声をかける。

「公方様、護衛もなしに何故このよう場所におられるのですか?」
「今は妻と逢い引き中だ」

近藤勇と上様が話してる間、土方歳三が私のところにくる。

「お前、いや、御台所。お変わりになりましたね」

土方歳三が私に敬語を使ってくるのがおかしくてくすくすと笑いがもれた。

「お変わりはなくて?」
「はい。しかし本当にお変わりになりました。つい平伏したくなります」

そんなに変わったかしら?確かに御台所のせいもあってか、老中たちも私に頭を下げるけど。

「天女さんが女神さまになったという感じです~」
「沖田さん」
「ますます手の届かない人になっちゃいましたね~。僕、女神さまのためならこの命捧げられます~」

天女から女神に格上げされた。こんなに沢山人を殺してきた女神なんているんだろうか?

「僕、近藤先生のためなら~って思ってましたけど、今は女神さまのためなら~になりました~」

沖田総司の忠義は将軍より近藤勇にあったと。それが私になったみたいだけど、私に忠義を尽くすなら上様にしてほしい。まあ自由人の沖田総司に言っても無駄であろう。

「我が妻を口説かないでくれるかな?」

上様が私の肩を抱き寄せる。

「公方様、違いますよ~。僕の誠が女神になっただけです~。崇める対象ですよ~」

自由人の沖田総司は上様相手でも口調が変わらない。そのことに近藤勇は顔色を悪くしてる。

「崇める対象は天子様であろう?」
「天子様は会ったことないので~崇められません~。僕の剣は女神さまに捧げます~」

沖田総司、それって今会ってる上様よりも私の方が上だって言ってるようなものよ?武士としてどうなの?

「面白い男だな」
「沖田さんは自由人なのです。でもお強いのですよ」
「なるほど。何にも捕らわれないことが強さに繋がってるのかもな」

近藤勇が流石に2人きりにさせられないと言ってきたので、上様はそれならばお前たちが行くところに共に行くと言った。そうしたら近藤勇は困った顔をする。上様を連れていかれない場所に行こうとしてるのね。こんな昼間から。そんな近藤勇の思いを察することの出来ない沖田総司が行き場所を告げた。

「そこは麗奈も行けるところなのか?」
「問題ありませんよ~。女神さまは京の遊郭にも行ったことありますし~」

私がいけるならば是非行ってみたいと遊郭に行く。上様には太夫を付けるように近藤勇が取り計らうが上様に麗奈以外の女を傍に置くつもりないと言われた。

「上様、私の芸妓姿を見ますか?」
「そうだな。一度見てみたいと思っておった」

私は上様のために芸妓姿に変身する。その姿を見た上様は大満足で、遊郭に誘った沖田総司に褒美を出した。

「余は楽しい」
「私も楽しゅうございます」

もっと上様に楽しんで欲しい。その思いから私も舞を披露していいか聞いてみた。私が舞が出来ることに上様は驚いていたが、OKがでる。

上様のために。

その思いだけで舞う。

舞が終わったあと辺りが静まりかえった。

あれ?不評判?

「麗奈、素晴らしい。余のために舞をしてくれたのだな?そなたの気持ちが伝わってきた」

上様が拍手すると、周りからも拍手をもらえた。

「女神さま、綺麗すぎてこの世のものとは思えませんでした~」
「あんな素晴らしい舞は初めてみました」
「心が洗われた気分です」

更に芸妓たちからも太夫以上の舞だったと褒められた。この場にいられたことに幸せであると。
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