【完結】未来から来た私がもたらしたもの

ぅ→。

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何故か私も御所に行くことに。天皇に会うのだ。朝から緊張してる。

「麗奈、大丈夫だ」
「御台所とはいえ、天子様にお会いするなんて大丈夫なのですか?」
「麗奈を見れば大丈夫だ」

私を見れば大丈夫とはどういうことなのだろうか?

私は不思議に思いながらも上様と共に御所に行った。

謁見の間で待ってると、天皇が来るとのこと。私は頭を下げて待った。

「家茂。何故に女子を連れて参ったのじゃ?」
「天子様にも我が妻を見ていただきたく、また今後の話には妻の意見も参考にしていただきたく思い共に馳せ参じました」

顔を上げるように言われて顔を上げる。途端に天皇が平伏した。何が起きてるのか分からなくて混乱する。私に直答は許されてないから声を掛けることも出来なかった。

天皇自身、平伏したことに驚いてる。だけど、顔を上げて私を見ると平伏する。そのような行動を何回か繰り返した。

「麗奈よ。直答を許してやれ」

え?私が許すの?逆じゃない?そう思いつつも顔を上げることと直答を許すと伝えた。そこでようやく天皇は顔を上げて、私を見る。

「貴方様は何者なのですか?」
「何者と言われましても……。家茂の妻にございます」
「和宮はこのような方に刃を向けたのですか?」

上様は頷くが、私には何が起きてるのかさっぱりだ。

「和宮は出家させます」

何故か前の御台所である和宮様の処遇が決まった。短刀を持ち出して抜いたのは悪いことだしそれで一さんが死んだのだから何かしらの罰は与えて欲しかったが、身分からして無理だろうと思っていた。でも、それも悋気ゆえ。私と上様の関係を疑ってのこと。しかも上様は私のことが前から好きだったみたいだから、和宮様の勘違いでもない。

「しかし貴方様は本当に何者なのですか?このような気を持ってらっしゃる方とは初めてお会いします」
「天子様、普通にお話ください。私に敬語は不要でございます」

天皇に敬語を使われるなんて居心地が悪い。

「朕のことは統仁と呼んでください」

いえいえ。呼べませんからね!

私も天皇もどうしていいか分からないところに事情を知ってるであろう上様が説明する。どうやら上様と致しから私のオーラが変わったとのこと。思わず平伏して崇めたくなると本能的なものらしい。私自身は何が変わったのか分からない。確かに老中たちも簡単に平伏したけど、それは御台所ゆえかと思ってた。

「なるほど。さしずめ現人神あらびとがみのようなものになったということか」

現人神?

「御魂を洗い磨けば神に近付ける。そのような話が伝わっておる」
「えーと……、私は今まで沢山の人を殺めてきております。そのような私が神に近付けるはずはありません」
「家茂との行為より磨かれたのだと思いますよ。家茂も以前と比べて纏ってる気が変わっております」

致すことで魂が磨かれるってそんな洗い方あるの?

「麗奈は神とも会っております。そこで余と魂が結ばれておると言われております。それも関係しておるのかもしれません」

相手は誰だか言ってなかったけど、行為のことを考えると上様しかいないのよね。

「何と!?神にお目通り叶っておりますか?神とはどのようなお話を?」

それから神様について話をした。話と言っても少しの間だけだったので、そんなに話すことはない。

「それより天子様、攘夷についてお話致しましょう」
「そうじゃった。そのために家茂を呼んじゃった。して、家茂、いつ攘夷を行うんじゃ?」
「正直に申してもよろしいでしょうか?」
「よかろう」
「攘夷は……、無理にございます」
「なんじゃと!?」

上様の言葉に天皇が激怒する。だけど、上様はそれは承知のこと。無理な理由を淡々と説明した。孝明天皇は大の外国嫌いなのよね。その天皇に向かって攘夷は無理というなんて勇気がいるわ。将軍職を下ろされても文句が言えないわね。

「余は今を見ておりませぬ。数百年先を見据えております。欧米諸国と対等な関係を築き世界の発展へと導くためには、この日本は必要でございます。そのためには日本は開国し、技術を取り入れ新しい技術を生み世界に貢献すべきでございます」
「日本だけで技術を発展させればよいじゃろう」
「それが出来ぬのです。なぜならば日本には資源がございません」

未来必要となる石油や天然ガスは輸入に頼ってるし、レアアースなんかもそうだ。日本領域内でレアアースが発見されたが、まだ採掘には至ってなかった。

「それはどんな技術なのじゃ?」

上様は懐からスマフォを出した。それを天皇に見せる。天皇はスマフォを見て絶句した。

「これは何なのじゃ?」
「150年先のスマフォという通信機器にございます」
「何故、そのようなものがあるのじゃ?」
「麗奈が150年先から時を遡りやってきたからにございます」

天皇の視線が私に向く。私はこの時代に来た経緯を話した。

「か弱い女子の身で、そのような危険な場所に身を置いておったとは……」

天皇は袖で目元を拭ってる。か弱いね……。私には当てはまらない言葉だわ。

天皇はスマフォで未来のことを知り、攘夷を諦めた。その代わり富国強兵を求める。

「天子様の軍隊を作ってもよろしいでしょうか?」
「朕の軍隊?」
「左様にございます。現在の日の本は藩事に軍を持っております。しかし諸外国は国の軍にございます。日本を一致団結するためには天子様を元にした軍が必須にございます」
「家茂。そのようなことをしたらそなたの存在意義がなくなるぞ」
「幕府より今は日本を強国にするのが先決にございます」

上様は幕府を終わらせるつもりなのかな?上様と天皇はスマフォを見ながら話し合った。その結果、天皇は象徴とし、政治家が政をし、軍隊が防衛する。未来の日本の形にすることになる。

「あの……」
「どうした?麗奈」
「忘れてるようですけど、その前に長州をどうにかしませんと……」

2人ともそうであったと長州についての話になる。朝敵となるのには、まだ先だが今のうちに対策しておかねばならない。

とりあえず、今話した内容を公開して、その時の長州の反応を見て決めるとした。

「世が落ち着くまでは政は家茂がするのじゃぞ?」
「承りました」

未来のために一歩前進した。

「それと、そのスマフォを献上するのじゃ」
「畏まりました」

上様はスマフォを天皇に献上する。使い方を説明し、何故か私とLINEするようになった。私だけ天皇とLINEするのは荷が思い。そこで私の持ってるスマフォを上様に渡した。私は一さんに渡していたスマフォを使う。

「これで、そなたらが江戸におっても密にやりとりできるのじゃな?」
「左様にございます」

暫く天皇もスマフォを見て未来のことを知るので時間を欲した。

「このスマフォはこの3台だけか?」
「いえ、他に未来から来た人が2人おりまして他に3台のスマフォがあります」
「誰が持っておるのじゃ?」
「新撰組の土方歳三とその妾であり未来人の桜、新撰組監察方の山崎烝が持っております」
「長州は持ってないのじゃな?」
「それは分かりませぬ。3人も未来人が来てるので他にいないとは言いきれませぬ」

確かに他にいてもおかしくないよね。3人もいるんだから。でも……。

「スマフォは使えないと思いますよ。何故か私が触れないと使えないのです」

元々は電波がないと使えないし、充電しないと使えないことを教えた。そして何故私が触れると使えるようになるのか分からないことも。

「なるほど。未来人がおっても心配いらぬということじゃな?」
「そのようでございます」

上様と御所を後にして、大阪城に戻った。

「上様?何故、私が変わってることを教えてくださらなかったのですか?」

いきなり天皇に平伏されるなんて心臓に悪いじゃない。

「余も確信してたわけじゃない。余はそなたの夫のせいなのかそれほど強く感じないのだ。ただ大切な人としかな」

確かに上様まで平伏されたら嫌だな。

それからLINEで天皇とやり取りをして、日本の行く末を話し合った。天皇とは未来のやり取りがほとんどで頭を使う。ただの特殊部隊だった私には勉強の毎日だった。
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