48 / 56
必殺技
しおりを挟む「…………」
フィルは未だに無言を決めており雰囲気はよろしくない。
「戦闘開始。両者転送開始。」
いよいよ始まる。
「クリスさんはやっぱり強いですよね?フィルさん勝てると思いますか?」
キリヤが先程クリスと戦ったアルゴに聞いてみる。
「クリスさんは強いよ。3属性持ちでもあるから、有象無象の相手には属性のゴリ押しでも楽に勝てるくらいには力を持ってる。」
「じゃあ、フィルさんはこの勝負厳しいですかね、」
ランクではフィルの方が確実に上ではあるが、3年以上戦闘から離れており、対人戦の経験もほぼ無い。この勝負は大方クリスの優勢だろうとキリヤは思っていた。
しかし、アルゴとアルバードは全く違う意見だった。
「そんな事は無いよ、属性はあればある程良い訳じゃ無いからね!無いよりは間違いなく良い。だが!複数属性を持つと魔力が大幅に割かれてしまう。つまり!洗練された単属性こそが最強という訳だ!そしてフィルさんは氷の単属性!火属性とは少し相性が悪いが、まあ何とかなるだろう!!」
ここで更なる新情報が手に入る。属性についてだ。
まず属性には有利不利があるのは分かっていたが、そこまで重要では無いという事だ。無いのは論外だそうだが、結局は一つのことを極めることが大切である。
「そーだぞキリヤ、俺達が救われた時、フィルさんの攻撃を俺達は見えたか?」
「……見えなかった!!」
フィルは魔力量に目が行きがちだが、基礎能力の最高水準だ。特に技術、速度、知力において、最高評価を受けている。
「始まるぞ、!!しっかり二人の試合を見ておくんだ!」
「はい!!」
「はい」
3人は2人の試合を腰を下ろし見守る。
そして試合が始まり、勝負は一瞬で動く。
「おいおい、もう終わりか?情けないな、弟子の前で、」
試合開始と同時にクリスが風と火属性を合成させ、辺り一面を赤色に染め上げる。一歩も動こうとしない、フィルにクリスは落胆する。
「これでも動かないのか、それとも俺にビビって動けないのか!?」
そのままクリスは手を上に振りかぶり指をフィルに向け雷を放つ。
それでもフィルは一歩も動かない。しかし、フィルの防御魔法は一向に砕ける雰囲気すら感じられない。
「本当に大丈夫ですか、フィルさん………」
何も出来ていないフィルを見てキリヤが心配になる。ここまで反撃をしないともなると、ずっと冷静で口数の少なかったアルバードも流石に不思議に思う。
「どうして、フィルさんは人間を攻撃しようとしないんですか?」
「どうして、アルバード君はフィルさんが人間を攻撃できないと知っているのかな?」
「あ、いや、、そんな感じがしまして、合ってましたか?」
おっと、危ない。踏み込みすぎは危険だ。
「これは噂ではあるんなんだけど、フィルさんは元々人間嫌いだったらしい。性格は元気少年って感じだったらしいんだけどな、そんなフィルさんが、突然人が変わったかの様に雰囲気が変わる時がたまにあったらしいんだ、その時にリューニスって言う人を殺したとか何とかっていう噂。ようはフィルさんは二重人格と言う噂が立っているんだ。」
「二重人格ですか、、」
この噂を聞くとやっぱフィルは人殺しでは無いかと思ってしまう。全ての疑問が、全て繋がったかの様に。
だが、キリヤの見る限りではフィルには二つの人格が見えた事は無い。
「その話、ビーフさん的にはどう思いますか?」
「こんな時にビーフ呼びかい、、うーん俺的にはやっぱ信じたく無いな!以上!!」
この話を聞いてキリヤもそうしておくことにした。
アルバードも聞いていて、少し言葉が出なくなっていた。何か思うところがあるのか。
一方戦闘中
相変わらず戦況は大きく変わらず、クリスが一方的に攻撃をし続け、それをひたすらに防御するだけの試合が続く。
しかしこのただの泥試合でもレベルの高さは感じてくる。
「良い加減攻撃をしろ!!人殺し!リューさんを殺したみたいに俺を攻撃して来いよ」
「五月蝿い初めから俺は攻撃しないって言ってただろ。分かってんなら勝負すんなよ。」
2人は防御魔法越しに喧嘩をする。
クリスは絶えず火で氷を溶かそうとするが、フィルの魔力量の防御には崩せそうに無い。
「リューさんは、リューさんはいつも俺に弟の自慢話をしていた!俺の弟は凄いんだって、そしていつか俺とリューさんとその弟で任務に行って世界を救うんだって、嬉しそうに俺に話してくれていたよ、、、でもその夢を、リューさんの夢をお前は殺して壊した。俺の恩人を大切な恩人を許さない。いくら同業者だからって俺は許さねえ!!」
そう言ってクリスはバックステップで距離をあけ、風で空に浮く。
「リューさんの夢は俺の夢でもあった。だから俺はお前を絶対に殺す。乱れ雷火」
クリスの持ち味である複数属性の合成技が容赦なく繰り出される。
しかし────
「そうだったのか、兄さんにそんな夢があったんだ。」
クリスの声が届いたのか、
ついに防御しかしていなかった、フィルが、ついに防御魔法を解除し、前へ少しずつ歩く。
そして、クリスの攻撃を軽々と全て躱し、近寄る。
「お前の言ってる弟それ、、俺だ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主
雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。
荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。
十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、
ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。
ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、
領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。
魔物被害、経済不安、流通の断絶──
没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。
新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる