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破壊衝動と平和主義
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「お前の言ってる弟それ俺だ。」
「なっ、、、!」
その言葉で空気が一変する。
危険な雰囲気を感じ取ったか、クリスはさらにもう一度距離を取り、大技を出そうとするも、フィルは技を出す暇を与えないよう速攻でクリスに接近する。
「俺は人とは戦わねえって兄さんと約束したんだ。これ以上俺を刺激すると、互いに命が危ない。たとえここが死なない空間だとしても、、、だから降参してくれないか?」
フィルは確実に戦況を大きく変えた。
防戦一方から攻撃こそしていないが、クリスに攻撃の隙を与えない。
クリスも少しの隙を見て攻撃を出すが、そんな小魔法ではフィルに当たった所で何のダメージにもならない。
「お前ふざけんな!!リューさんの弟だからって、それは許されない事なんだよ!!」
「それは分かってる。だから俺はモンスターを殺し続けて一般市民を助けていただろう。」
「それだけじゃリューさんの代わりは務まらねえ、リューさんなら、モンスターも人間害悪も倒して世界を救おうとしている。お前とは生きてる価値が違ったんだ!!!」
クリスはフィルがリューの弟と分かってから、感情的になっている。信じたくも無い事だったのだろう。自慢の弟に殺されてしまっただなんて、、
しかしフィルはリューの弟だ。クリスより辛いな決まっている。
「さっき言ったのにな、ごめんもう知らねえ」
「は?」
「ここからはもう俺じゃねえ」
さっきまでのフィルの右目は地球の様な神秘的な色だった所が、急に黒と赤のオーラに染まる。
先程とさらに雰囲気の変わった、フィルを見てクリスは、、、
「やっと本性を表したか、フィル=フリート!!ここからが本当の殺し合いだなあ!!!」
「!!!!!!」
フィルはさっきとは明らかにおかしい、出ているオーラから声まで先程もフィルの姿がどこにも無い。
「まずい!!」
アルゴが慌てて、戦闘を中断させようとするが、どうしてか、戦闘が終わらない。いや、終わっている。仮想空間が解除されている。
「やばいエラーが起きている。このままじゃクリスが死んでしまう。」
フィルは完全に別の何かに変わっていて、クリスはついに来たかと言わんばかりに、状況の異変に気付いていない。
「まただ、この感覚は」
フィルはこの状況を完全に理解していた。
自分がコントロールを出来ていないことも、クリスの目が変わったことも、しかし一つの異変にはまだ気づけていなかった。
「おい!殺人鬼!ここで俺がお前を殺してやるよ!!!」
実際はこの仮想空間では殺すことが出来ない事くらい、クリスもよく理解している。しかし気付いていなかった。この空間はもうただ外で戦っているだけだという事に、
「フィルさん………」
さっきの二重人格説を信じたくなかったキリヤにとっては見たもの全てが地獄だった。
平和主義的なフィルから破壊衝動を抑えられない醜いフィル。自分はこんな危ない人の下についているのか、と思い知らされる。
そしてこの場から逃げ出そうとする。
「お前このまま辞めたら友達にどうツラ合わせるんだ?」
「え?」
「友達に言ったんだろ、クローシスに入るってこと、すぐに辞めて逃げんのか?」
「でも、、」
友達を裏切ってしまうのは心苦しかったが、自分の中ではやはり、怖かった。信じた人が実際はこんな化物だったなんて、、
「心配すんな。大丈夫。俺が言ってんだぞ?俺が言った事が外れた事があるか?」
アルバードは堂々とこの光景を見ている。
キリヤも目を逸らさずアルバードの言葉を信じ見守る。
アルゴは何故アルバードの言葉が信用できるのか、分からず、慌てる。
次の瞬間勝負はもう決まっていた。
「なっ、、、!」
その言葉で空気が一変する。
危険な雰囲気を感じ取ったか、クリスはさらにもう一度距離を取り、大技を出そうとするも、フィルは技を出す暇を与えないよう速攻でクリスに接近する。
「俺は人とは戦わねえって兄さんと約束したんだ。これ以上俺を刺激すると、互いに命が危ない。たとえここが死なない空間だとしても、、、だから降参してくれないか?」
フィルは確実に戦況を大きく変えた。
防戦一方から攻撃こそしていないが、クリスに攻撃の隙を与えない。
クリスも少しの隙を見て攻撃を出すが、そんな小魔法ではフィルに当たった所で何のダメージにもならない。
「お前ふざけんな!!リューさんの弟だからって、それは許されない事なんだよ!!」
「それは分かってる。だから俺はモンスターを殺し続けて一般市民を助けていただろう。」
「それだけじゃリューさんの代わりは務まらねえ、リューさんなら、モンスターも人間害悪も倒して世界を救おうとしている。お前とは生きてる価値が違ったんだ!!!」
クリスはフィルがリューの弟と分かってから、感情的になっている。信じたくも無い事だったのだろう。自慢の弟に殺されてしまっただなんて、、
しかしフィルはリューの弟だ。クリスより辛いな決まっている。
「さっき言ったのにな、ごめんもう知らねえ」
「は?」
「ここからはもう俺じゃねえ」
さっきまでのフィルの右目は地球の様な神秘的な色だった所が、急に黒と赤のオーラに染まる。
先程とさらに雰囲気の変わった、フィルを見てクリスは、、、
「やっと本性を表したか、フィル=フリート!!ここからが本当の殺し合いだなあ!!!」
「!!!!!!」
フィルはさっきとは明らかにおかしい、出ているオーラから声まで先程もフィルの姿がどこにも無い。
「まずい!!」
アルゴが慌てて、戦闘を中断させようとするが、どうしてか、戦闘が終わらない。いや、終わっている。仮想空間が解除されている。
「やばいエラーが起きている。このままじゃクリスが死んでしまう。」
フィルは完全に別の何かに変わっていて、クリスはついに来たかと言わんばかりに、状況の異変に気付いていない。
「まただ、この感覚は」
フィルはこの状況を完全に理解していた。
自分がコントロールを出来ていないことも、クリスの目が変わったことも、しかし一つの異変にはまだ気づけていなかった。
「おい!殺人鬼!ここで俺がお前を殺してやるよ!!!」
実際はこの仮想空間では殺すことが出来ない事くらい、クリスもよく理解している。しかし気付いていなかった。この空間はもうただ外で戦っているだけだという事に、
「フィルさん………」
さっきの二重人格説を信じたくなかったキリヤにとっては見たもの全てが地獄だった。
平和主義的なフィルから破壊衝動を抑えられない醜いフィル。自分はこんな危ない人の下についているのか、と思い知らされる。
そしてこの場から逃げ出そうとする。
「お前このまま辞めたら友達にどうツラ合わせるんだ?」
「え?」
「友達に言ったんだろ、クローシスに入るってこと、すぐに辞めて逃げんのか?」
「でも、、」
友達を裏切ってしまうのは心苦しかったが、自分の中ではやはり、怖かった。信じた人が実際はこんな化物だったなんて、、
「心配すんな。大丈夫。俺が言ってんだぞ?俺が言った事が外れた事があるか?」
アルバードは堂々とこの光景を見ている。
キリヤも目を逸らさずアルバードの言葉を信じ見守る。
アルゴは何故アルバードの言葉が信用できるのか、分からず、慌てる。
次の瞬間勝負はもう決まっていた。
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