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マリンの戦い2
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マリン視点
ドオオオンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ
容赦なく降り注ぐ砲撃、激しい水柱、ゴーテン号は今まさに集中砲火に晒されていた。
マデリン「お前達、敵艦どちらかの死角に廻りこんで急加速だ、そのまま一気に離脱する!」
三姉妹「「「わかりました!」」」
ガガァアンッ、バアアンッ、ドォンッ
数個の弾薬が、空中で爆発する。
私の結界に触れたからだ。
「うっ、ぐ」
マデリン「マリン様?!」
魔力切れからの回復が、間に合ってないわね。
今の私の魔力は本来の四割かしら。
「大丈夫、とは言いがたいわね。結界を維持できるのは、もって半刻かしら」
それを聞いたマデリンは、覚悟を決めたように私を見た。
マデリン「あれを使います。よろしいですね」
「他に選択肢はないわね」
◆◆◆
兵士「不明船、止まりません!まっすぐこちらに向かってきます」
指揮官「なに?ただの海賊船じゃないのか?だとしても、宰相閣下からこの海域に入った不審船は全て撃沈せよとの事だ。通すわけにはいかん。蹴散らせ!」
兵士「は!」
兵士は、下の砲手指揮所に駆け込む。
ここには、沢山の管がありそれがあちこちの兵士の詰所、各砲手に繋がっている。
兵士は、その管の全てのフタを開けた。
「指揮官の指令を伝える、蹴散らせだ!以上」
砲手達はただちに、大砲に弾を込めた。
「撃てっ」
ドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッ
一気に放たれた砲弾は敵艦に向かって飛んでいくが、際どいところで反らしてしまう。
まっすぐ飛んだものは、船に当たる直前で爆発してしまう。
指揮官「なんだ、魔法か?」
兵士「あ、あれを!」
指揮官「な、なんだ?あれは?!」
不審船の船首に、巨大なナイフがついていた。
◆◆◆
マデリン「ラム戦用意!」
サリー「はい」、サリーがレバーを上げる。
メグがハンドルを廻す。
モモがハンドルを廻す。
ガラン、ガラン、ガラン
船首が二つに割れて、なかから長くて大きな鉄?の固まりが現れた。
さらに、船首側に立ち上がるとそのまま、船首前方向に倒される。
ガコンッ、なにかに嵌まる音。
それは巨大なナイフの様だった。
巨大なナイフが、ゴーテン号の船首についている。
三姉妹「「「用意、完了しました」」」
マデリン「よし、最大船速!!マリン様、お願いします」
マリン「わかったわ。タンちゃん、私のところに掴まって!」
タン「うん!」、タンがマリンのイスと手摺りを掴む。
マリンの椅子は、甲板に固定されている。
サリー「風の加護を、船に力を与えたまえ」
メグ「風の加護を、船に力を与えたまえ」
モモ「風の加護を、船に力を与えたまえ」
マリン「結界、展開!!」
結界が船首を中心に拡がる。
船の速度がどんどん、どんどん上がっていく。
敵艦二隻のうち、その一隻に真っ直ぐ向かっていく。
敵艦は途中から回避行動を始めたが、すでに遅かった。
ゴーテン号の刃が敵艦の真横、中心に突き刺さる。
マデリン「突入!」
ドガガガガーンッ
「うわー!!」、「ぎゃー?!」、「ひぃーっ?!!」
敵兵士達の悲鳴を後ろに、ゴーテン号が突き進む。
軍船はゴーテン号に中央を突き破られ、左右に真っ二つになって沈んでいく。
ゴーテン号はそのままの速度を維持したまま、あっという間に二隻から遠ざかっていった。
◆◆◆
マリン視点
今、私達は秘密裏に帝国のエルヌナ港に上陸している。
結論から云えば、私達はあの足止めで誘拐犯達に追い付けなかった。
奴らの乗った荷馬車は、既に帝都に向け出発した後だったのだ。
タンちゃんは半狂乱になって奴らの後を追おうとしたが、私がなんとか踏みとどまらせた。
とにかく、帝国の事情に詳しくない私達はここでブラックの従者ベクターと連絡を取り、港で落ち合う事になっていた。
私達が港近くの食堂で待っていると、ベクターが現れた。
「忙しいところ、すまないわね。こちらの事情は連絡した通りよ」
ベクター「いえ、あの、他の英雄の方達は?」
「?魔道レターで連絡済み、多分、皆、直接帝都に入るのではないかしら?」
ベクター「…………わかりました。では、私が案内しますのですぐ帝都に向かいましょう。よい隠れ家があります。そこで皆さんと合流してから救出に向かいましょう」
マデリン「……………」
ベクターの表情が妙に固い?マデリンも何か気づいた。?
「わかったわ。マデリン、後で魔道レターを用意して」
マデリン「……わかりました」
「ブラックはその後、どうしたの?こちらには結局、連絡はなかったけど」
ベクター「大丈夫です。帝都で皆さんをお待ちしております」
「あら、そうなの?!随分、人騒がせだったけど、貴方も大変ね」
ベクター「慣れておりますので、大丈夫です」
どちらにしても私達に選択肢はない、今は彼を信じるしかないわ。
ドオオオンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ
容赦なく降り注ぐ砲撃、激しい水柱、ゴーテン号は今まさに集中砲火に晒されていた。
マデリン「お前達、敵艦どちらかの死角に廻りこんで急加速だ、そのまま一気に離脱する!」
三姉妹「「「わかりました!」」」
ガガァアンッ、バアアンッ、ドォンッ
数個の弾薬が、空中で爆発する。
私の結界に触れたからだ。
「うっ、ぐ」
マデリン「マリン様?!」
魔力切れからの回復が、間に合ってないわね。
今の私の魔力は本来の四割かしら。
「大丈夫、とは言いがたいわね。結界を維持できるのは、もって半刻かしら」
それを聞いたマデリンは、覚悟を決めたように私を見た。
マデリン「あれを使います。よろしいですね」
「他に選択肢はないわね」
◆◆◆
兵士「不明船、止まりません!まっすぐこちらに向かってきます」
指揮官「なに?ただの海賊船じゃないのか?だとしても、宰相閣下からこの海域に入った不審船は全て撃沈せよとの事だ。通すわけにはいかん。蹴散らせ!」
兵士「は!」
兵士は、下の砲手指揮所に駆け込む。
ここには、沢山の管がありそれがあちこちの兵士の詰所、各砲手に繋がっている。
兵士は、その管の全てのフタを開けた。
「指揮官の指令を伝える、蹴散らせだ!以上」
砲手達はただちに、大砲に弾を込めた。
「撃てっ」
ドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッ
一気に放たれた砲弾は敵艦に向かって飛んでいくが、際どいところで反らしてしまう。
まっすぐ飛んだものは、船に当たる直前で爆発してしまう。
指揮官「なんだ、魔法か?」
兵士「あ、あれを!」
指揮官「な、なんだ?あれは?!」
不審船の船首に、巨大なナイフがついていた。
◆◆◆
マデリン「ラム戦用意!」
サリー「はい」、サリーがレバーを上げる。
メグがハンドルを廻す。
モモがハンドルを廻す。
ガラン、ガラン、ガラン
船首が二つに割れて、なかから長くて大きな鉄?の固まりが現れた。
さらに、船首側に立ち上がるとそのまま、船首前方向に倒される。
ガコンッ、なにかに嵌まる音。
それは巨大なナイフの様だった。
巨大なナイフが、ゴーテン号の船首についている。
三姉妹「「「用意、完了しました」」」
マデリン「よし、最大船速!!マリン様、お願いします」
マリン「わかったわ。タンちゃん、私のところに掴まって!」
タン「うん!」、タンがマリンのイスと手摺りを掴む。
マリンの椅子は、甲板に固定されている。
サリー「風の加護を、船に力を与えたまえ」
メグ「風の加護を、船に力を与えたまえ」
モモ「風の加護を、船に力を与えたまえ」
マリン「結界、展開!!」
結界が船首を中心に拡がる。
船の速度がどんどん、どんどん上がっていく。
敵艦二隻のうち、その一隻に真っ直ぐ向かっていく。
敵艦は途中から回避行動を始めたが、すでに遅かった。
ゴーテン号の刃が敵艦の真横、中心に突き刺さる。
マデリン「突入!」
ドガガガガーンッ
「うわー!!」、「ぎゃー?!」、「ひぃーっ?!!」
敵兵士達の悲鳴を後ろに、ゴーテン号が突き進む。
軍船はゴーテン号に中央を突き破られ、左右に真っ二つになって沈んでいく。
ゴーテン号はそのままの速度を維持したまま、あっという間に二隻から遠ざかっていった。
◆◆◆
マリン視点
今、私達は秘密裏に帝国のエルヌナ港に上陸している。
結論から云えば、私達はあの足止めで誘拐犯達に追い付けなかった。
奴らの乗った荷馬車は、既に帝都に向け出発した後だったのだ。
タンちゃんは半狂乱になって奴らの後を追おうとしたが、私がなんとか踏みとどまらせた。
とにかく、帝国の事情に詳しくない私達はここでブラックの従者ベクターと連絡を取り、港で落ち合う事になっていた。
私達が港近くの食堂で待っていると、ベクターが現れた。
「忙しいところ、すまないわね。こちらの事情は連絡した通りよ」
ベクター「いえ、あの、他の英雄の方達は?」
「?魔道レターで連絡済み、多分、皆、直接帝都に入るのではないかしら?」
ベクター「…………わかりました。では、私が案内しますのですぐ帝都に向かいましょう。よい隠れ家があります。そこで皆さんと合流してから救出に向かいましょう」
マデリン「……………」
ベクターの表情が妙に固い?マデリンも何か気づいた。?
「わかったわ。マデリン、後で魔道レターを用意して」
マデリン「……わかりました」
「ブラックはその後、どうしたの?こちらには結局、連絡はなかったけど」
ベクター「大丈夫です。帝都で皆さんをお待ちしております」
「あら、そうなの?!随分、人騒がせだったけど、貴方も大変ね」
ベクター「慣れておりますので、大丈夫です」
どちらにしても私達に選択肢はない、今は彼を信じるしかないわ。
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