28 / 50
出会う前 ールシアーノー
しおりを挟む
「何だ、その物語は」
思わず俺は呆れた声を出してしまった。
「そういう物語なんですから、仕方ないじゃないですかあ!でも王都ですっごく人気があるんですよお!」
「私も見に行きましたよ、閣下!面白かったですよ。」
「実は私も」
俺は馴染みの娼館で酒を飲んでいた。
父親と母親から外で酒を飲むなら高級娼館で飲めと口酸っぱく言われていた。
ここなら間違いが無い。
まあ俺は娼館で飲むのは気に入っているし、気まぐれに女たちの駆け引きに乗ってやるのも悪くない。
でも父親が死んでからは忙しくて足が遠のいていた。
そして久々に来てみれば、悪役令嬢断罪劇なる話題で女達は盛り上がっていた。
聞けば王都で大流行りの物語でいろんな劇団が演じており、ついに辺境伯領にもやってきたと言うわけだ。
しかし何とも現実味の無い物語だった。
真実の愛、憧れちゃう!なんていうモンだからつい
「元平民の男爵令嬢が公爵令嬢押し退けて王妃になっても幸せになれるわけないだろう」と酒の席で無粋な事を言ってしまった。
「そういうものですかあ‥」水をさされた女が不貞腐れ気味言う。
「現実はそういうモンさ。まあ物語なんだからそれもいいだろうよ。」とフォローを入れつつこの話を終わらせようとした。
「それが!物語では終わらないんです!王都ではアウリス王子が学園で真実の愛を見つけたって言われてて、お相手はなんと劇と同じ、男爵令嬢なんです!」
「婚約者の公爵令嬢もリアル悪役令嬢なんて呼ばれてるんですよお!なんでも劇と同じように男たらしでえ!意地悪でえ!嫌がらせも本当にしちゃってるんですう!」
「きっとプライド高いから自分の男取られたのが我慢ならないんですよね。気持ちはわかりますよ、いきなり出てきた女に取られたらそりゃあ悔しいですよ!」
興奮気味に盛り上がる女たち。
王子の婚約者はビバリースカイ公爵令嬢だ。
ビバリースカイ公爵家は筆頭公爵家でこの国じゃ王家に次ぐ地位がある。
そんな家の令嬢が男たらし?たかが男爵令嬢に嫌がらせ?ちょっとこれも現実味がない。
内心呆れていると「ほらほら、あなた達!閣下を置いてけぼりにして!その位にしておきなさい!」と女主人が入ってきた。
「失礼しました。」とこちらに謝罪してくれる。
「いや面白い話を聞いたよ。やっぱりたまには飲みに来ないといけないな。」
と笑うと女達はパッと顔を輝かせ
「ええ!本当に。」「そおですよお!」などと言いその話は終わった。
終わるはずだった。
思わず俺は呆れた声を出してしまった。
「そういう物語なんですから、仕方ないじゃないですかあ!でも王都ですっごく人気があるんですよお!」
「私も見に行きましたよ、閣下!面白かったですよ。」
「実は私も」
俺は馴染みの娼館で酒を飲んでいた。
父親と母親から外で酒を飲むなら高級娼館で飲めと口酸っぱく言われていた。
ここなら間違いが無い。
まあ俺は娼館で飲むのは気に入っているし、気まぐれに女たちの駆け引きに乗ってやるのも悪くない。
でも父親が死んでからは忙しくて足が遠のいていた。
そして久々に来てみれば、悪役令嬢断罪劇なる話題で女達は盛り上がっていた。
聞けば王都で大流行りの物語でいろんな劇団が演じており、ついに辺境伯領にもやってきたと言うわけだ。
しかし何とも現実味の無い物語だった。
真実の愛、憧れちゃう!なんていうモンだからつい
「元平民の男爵令嬢が公爵令嬢押し退けて王妃になっても幸せになれるわけないだろう」と酒の席で無粋な事を言ってしまった。
「そういうものですかあ‥」水をさされた女が不貞腐れ気味言う。
「現実はそういうモンさ。まあ物語なんだからそれもいいだろうよ。」とフォローを入れつつこの話を終わらせようとした。
「それが!物語では終わらないんです!王都ではアウリス王子が学園で真実の愛を見つけたって言われてて、お相手はなんと劇と同じ、男爵令嬢なんです!」
「婚約者の公爵令嬢もリアル悪役令嬢なんて呼ばれてるんですよお!なんでも劇と同じように男たらしでえ!意地悪でえ!嫌がらせも本当にしちゃってるんですう!」
「きっとプライド高いから自分の男取られたのが我慢ならないんですよね。気持ちはわかりますよ、いきなり出てきた女に取られたらそりゃあ悔しいですよ!」
興奮気味に盛り上がる女たち。
王子の婚約者はビバリースカイ公爵令嬢だ。
ビバリースカイ公爵家は筆頭公爵家でこの国じゃ王家に次ぐ地位がある。
そんな家の令嬢が男たらし?たかが男爵令嬢に嫌がらせ?ちょっとこれも現実味がない。
内心呆れていると「ほらほら、あなた達!閣下を置いてけぼりにして!その位にしておきなさい!」と女主人が入ってきた。
「失礼しました。」とこちらに謝罪してくれる。
「いや面白い話を聞いたよ。やっぱりたまには飲みに来ないといけないな。」
と笑うと女達はパッと顔を輝かせ
「ええ!本当に。」「そおですよお!」などと言いその話は終わった。
終わるはずだった。
225
あなたにおすすめの小説
【完結】君を迎えに行く
とっくり
恋愛
顔だけは完璧、中身はちょっぴり残念な侯爵子息カインと、
ふんわり掴みどころのない伯爵令嬢サナ。
幼い頃に婚約したふたりは、静かに関係を深めていくはずだった。
けれど、すれ違いと策略により、婚約は解消されてしまう。
その別れが、恋に鈍いカインを少しずつ変えていく。
やがて彼は気づく。
あの笑顔の奥に、サナが隠していた“本当の想い”に――。
これは、不器用なふたりが、
遠回りの先で見つけた“本当の気持ち”を迎えに行く物語
婚約破棄した相手が付き纏ってきます。
沙耶
恋愛
「どうして分かってくれないのですか…」
最近婚約者に恋人がいるとよくない噂がたっており、気をつけてほしいと注意したガーネット。しかし婚約者のアベールは
「友人と仲良くするのが何が悪い!
いちいち口うるさいお前とはやっていけない!婚約破棄だ!」
「わかりました」
「え…」
スッと婚約破棄の書類を出してきたガーネット。
アベールは自分が言った手前断れる雰囲気ではなくサインしてしまった。
勢いでガーネットと婚約破棄してしまったアベール。
本当は、愛していたのに…
奪われる人生とはお別れします 婚約破棄の後は幸せな日々が待っていました
水空 葵
恋愛
婚約者だった王太子殿下は、最近聖女様にかかりっきりで私には見向きもしない。
それなのに妃教育と称して仕事を押し付けてくる。
しまいには建国パーティーの時に婚約解消を突き付けられてしまった。
王太子殿下、それから私の両親。今まで尽くしてきたのに、裏切るなんて許せません。
でも、これ以上奪われるのは嫌なので、さっさとお別れしましょう。
◇2024/2/5 HOTランキング1位に掲載されました。
◇第17回 恋愛小説大賞で6位&奨励賞を頂きました。
◇レジーナブックスより書籍発売中です!
本当にありがとうございます!
【完結】婚約破棄された令嬢の毒はいかがでしょうか
まさかの
恋愛
皇太子の未来の王妃だったカナリアは突如として、父親の罪によって婚約破棄をされてしまった。
己の命が助かる方法は、友好国の悪評のある第二王子と婚約すること。
カナリアはその提案をのんだが、最初の夜会で毒を盛られてしまった。
誰も味方がいない状況で心がすり減っていくが、婚約者のシリウスだけは他の者たちとは違った。
ある時、シリウスの悪評の原因に気付いたカナリアの手でシリウスは穏やかな性格を取り戻したのだった。
シリウスはカナリアへ愛を囁き、カナリアもまた少しずつ彼の愛を受け入れていく。
そんな時に、義姉のヒルダがカナリアへ多くの嫌がらせを行い、女の戦いが始まる。
嫁いできただけの女と甘く見ている者たちに分からせよう。
カナリア・ノートメアシュトラーセがどんな女かを──。
小説家になろう、エブリスタ、アルファポリス、カクヨムで投稿しています。
【完結】彼を幸せにする十の方法
玉響なつめ
恋愛
貴族令嬢のフィリアには婚約者がいる。
フィリアが望んで結ばれた婚約、その相手であるキリアンはいつだって冷静だ。
婚約者としての義務は果たしてくれるし常に彼女を尊重してくれる。
しかし、フィリアが望まなければキリアンは動かない。
婚約したのだからいつかは心を開いてくれて、距離も縮まる――そう信じていたフィリアの心は、とある夜会での事件でぽっきり折れてしまった。
婚約を解消することは難しいが、少なくともこれ以上迷惑をかけずに夫婦としてどうあるべきか……フィリアは悩みながらも、キリアンが一番幸せになれる方法を探すために行動を起こすのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。
「反省してます」と言いましたが、あれは嘘ですわ。
小鳥遊つくし
恋愛
「反省してます」と言いましたが、あれは嘘ですわ──。
聖女の転倒、貴族の断罪劇、涙を強いる舞台の中で、
完璧な“悪役令嬢”はただ微笑んだ。
「わたくしに、どのような罪がございますの?」
謝罪の言葉に魔力が宿る国で、
彼女は“嘘の反省”を語り、赦され、そして問いかける。
――その赦し、本当に必要でしたの?
他者の期待を演じ続けた令嬢が、
“反省しない人生”を選んだとき、
世界の常識は音を立てて崩れ始める。
これは、誰にも赦されないことを恐れなかったひとりの令嬢が、
言葉と嘘で未来を変えた物語。
その仮面の奥にあった“本当の自由”が、あなたの胸にも香り立ちますように。
【完結】愛してるなんて言うから
空原海
恋愛
「メアリー、俺はこの婚約を破棄したい」
婚約が決まって、三年が経とうかという頃に切り出された婚約破棄。
婚約の理由は、アラン様のお父様とわたしのお母様が、昔恋人同士だったから。
――なんだそれ。ふざけてんのか。
わたし達は婚約解消を前提とした婚約を、互いに了承し合った。
第1部が恋物語。
第2部は裏事情の暴露大会。親世代の愛憎確執バトル、スタートッ!
※ 一話のみ挿絵があります。サブタイトルに(※挿絵あり)と表記しております。
苦手な方、ごめんなさい。挿絵の箇所は、するーっと流してくださると幸いです。
婚約破棄されました。
まるねこ
恋愛
私、ルナ・ブラウン。歳は本日14歳となったところですわ。家族は父ラスク・ブラウン公爵と母オリヴィエ、そして3つ上の兄、アーロの4人家族。
本日、私の14歳の誕生日のお祝いと、婚約者のお披露目会を兼ねたパーティーの場でそれは起こりました。
ド定番的な婚約破棄からの恋愛物です。
習作なので短めの話となります。
恋愛大賞に応募してみました。内容は変わっていませんが、少し文を整えています。
ふんわり設定で気軽に読んでいただければ幸いです。
Copyright©︎2020-まるねこ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる