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悪女と対面 ーアベルー
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「単刀直入に問うが、君は悪女なのか。」
天気が良く気持ちのいい日、彼女は輿入れ道具と共にやってきた。
輿入れ道具は普通の三倍はあるのではないかと思うくらいだった。
彼女を応接室に通したと聞いて私も用意をし応接室に向かった。
応接室に入ると蜂蜜色のブロンドの髪の女性が目に入る。
私が入ってきた事に気付くと彼女はゆっくりと立ち上がり美しいカーテシーを見せると丁寧に自己紹介を始めた。
切り揃えられた前髪に強調された大きな瞳はグレーで落ち着いて見える。
透明感のある白い肌に血色のいい唇はポテっとして拗ねたようにツンとしているのが愛らしい。
品のいい立ち振る舞いは知性を感じさせた。
お互い自己紹介を済ませ向かい合わせに座る。
そこで聞いたのだ。
君は悪女なのかと。
そばにいるセバス平静を装いつつも驚いているのがわかる。
「セドリック様から聞いておられますか。」
「いや、隣国に行った友人から聞いた。」
そう言うと彼女はサッと顔色を変えた。
しかしそれは一瞬に過ぎない。瞬きをしていれば見逃してしまっていただろう。
すぐなんでもないような貴族の顔に戻っていた。
「公爵家から手紙はとどきましたでしょうか。」
「手紙?」
なんの話だ……?
そう考えてハッとした。
これは話を逸らされているのでは?
そうはさせるかと力強く言う。
「私の質問に答えてないがどうなのだ?それとも答えられないという答えなのか。」
「アベル様の知る通りです。」
彼女ははっきり言い切った。
息を呑んだ。
思わず黙り込んでしまう。
どのくらいだろう、しばし沈黙の時間が流れた。
「輿入れ道具の運び込みをやめさせましょう。」
沈黙を破ったのは彼女だった。
唐突に言われ、驚いた私にセバス耳打ちする。
「まだ婚約は正式にされていません。口約束だけです。」
気に入らぬなら帰ると言う訳か!
「では話してきます。」
そう言って彼女は立ちあがろうとする。
「いや待て!待ってくれ!」
気がついたら止めていた。
「2年!2年でいい!2年の契約でいいから結婚してくれないか。もちろん離婚の際には十分な慰謝料を払おうじゃないか。」
彼女は上げかけた腰をまた椅子に戻す。
「そうですか。では2年の契約婚ということですね。」
あっさり了承された。
思わずホッとする。
私には後がないのだ。
クスリと笑い声が聞こえ彼女の方をみた。
すると彼女は瞳に嘲るような色をたたえこちらを見ていた。
くそ
なんでこちらが結婚したくてたまらないみたいになっているんだ。
どうしても手紙の彼女と悪女が全く合致しないと思っていたが、いま彼女と悪女が一致した。
この女は悪女だ。
彼女は離れに住むことになった。
大量の輿入れ道具は小さな離れには入りきらず、家具などの大物はこちらに運び込んだ。
それでも大量の衣装や装飾品は衣装室には入り切らず、離れの客室を急遽衣装室にした。
これら全てにゴスルジカの公爵の紋が入っていた。
彼女の戦利品かと思うとゾッとした。
交流?
するわけがない。
悪女と関わっていいことなどひとつもないのだから。
彼女が離れに住んで二ヶ月が経とうとしていた。
離れは小さいので2人いれば十分まわるだろうとメイド長のカトリと娘のマリーの2人に離れの管理を任せた。
カトリは私が生まれる前から働いている優秀で信頼できるメイドだ。
正直本邸からいなくなるのは惜しいのだが仕方がない。
二ヶ月は平和に過ぎ、このまま何事もなければと思っていたがそう甘くはなかったらしい。
「自分の衣装は自分で作る。そう伝えておいてくれないか。」
ブリジットから揃いの衣装を作りたいと打診があったらしい。
何故悪女と揃いの衣装など作らなければならないんだ。
迷う事なく断った。
「アベル様。少しはブリジット様と交流されてみてはどうでしょうか。カトリの話では離れでの暮らしはおとなしいものの様でございます。心配されているような浪費は見当たりません。婚約者と揃いの衣装を作りたいというのを我儘だと言うのは、少し気の毒な気が致します。」
眉を曇らせながらセバスが言った。
気の毒?
私は何か言おうと口を開きかけた時だった。
ノックの音がする。
カトリとマリーだった。
しかし様子が変だ。
カトリは神妙な面持ちをしており、マリーは頭がボサボサだ。
「今日は謝罪に参りました。」
謝罪?
「実はマリーが衣装室の掃除をしている時なんですが……その……可愛いリボンが目に入ったらしく、ついつい手に取ってしまったようです。それを丁度衣装室に訪れたブリジット様の目に入り少し……揉めてしまいました。」
「アベル様!私誓って見ていただけなんです!なのにブリジット様は!私を泥棒って言ったんです!髪の毛に掴み掛かって来て……!見ていただけなのに!!見ていただけなのに!!ううっ」
そこまで言うとマリーは泣き出した。
「いえ、誤解されるような振る舞いをしたマリーが悪いのです。それで謝罪に参りました。」
私は思わずはああっとため息をついた。
「いや、いい。たかがリボン。どう見てもブリジットがやり過ぎだ。マリー、今日はもう休むといい。」
そう言って退室を促した。
部屋を出て行こうとした2人を見送ろうとして、あぁと思い立つ。
「そうだ、カトリ。ブリジットに言っておいてくれないか。揃いの衣装など作る気はない、と。だが予算内なら衣装でもなんでも好きに使えばいいとな。」
カトリは少し目を丸くしたが、すぐ丁寧にお辞儀をして退室した。
平和だと思っていたがなんて事だ。
見ているだけで掴み掛かるなど。
私はまたため息をつくとセバスの方を見た。
「誰がおとなしくしているって?」
「申し訳ございません。」
セバスは深々と頭を下げた。
それ見たことか。
やはり悪女となんて関わらない方がいいのだ。
天気が良く気持ちのいい日、彼女は輿入れ道具と共にやってきた。
輿入れ道具は普通の三倍はあるのではないかと思うくらいだった。
彼女を応接室に通したと聞いて私も用意をし応接室に向かった。
応接室に入ると蜂蜜色のブロンドの髪の女性が目に入る。
私が入ってきた事に気付くと彼女はゆっくりと立ち上がり美しいカーテシーを見せると丁寧に自己紹介を始めた。
切り揃えられた前髪に強調された大きな瞳はグレーで落ち着いて見える。
透明感のある白い肌に血色のいい唇はポテっとして拗ねたようにツンとしているのが愛らしい。
品のいい立ち振る舞いは知性を感じさせた。
お互い自己紹介を済ませ向かい合わせに座る。
そこで聞いたのだ。
君は悪女なのかと。
そばにいるセバス平静を装いつつも驚いているのがわかる。
「セドリック様から聞いておられますか。」
「いや、隣国に行った友人から聞いた。」
そう言うと彼女はサッと顔色を変えた。
しかしそれは一瞬に過ぎない。瞬きをしていれば見逃してしまっていただろう。
すぐなんでもないような貴族の顔に戻っていた。
「公爵家から手紙はとどきましたでしょうか。」
「手紙?」
なんの話だ……?
そう考えてハッとした。
これは話を逸らされているのでは?
そうはさせるかと力強く言う。
「私の質問に答えてないがどうなのだ?それとも答えられないという答えなのか。」
「アベル様の知る通りです。」
彼女ははっきり言い切った。
息を呑んだ。
思わず黙り込んでしまう。
どのくらいだろう、しばし沈黙の時間が流れた。
「輿入れ道具の運び込みをやめさせましょう。」
沈黙を破ったのは彼女だった。
唐突に言われ、驚いた私にセバス耳打ちする。
「まだ婚約は正式にされていません。口約束だけです。」
気に入らぬなら帰ると言う訳か!
「では話してきます。」
そう言って彼女は立ちあがろうとする。
「いや待て!待ってくれ!」
気がついたら止めていた。
「2年!2年でいい!2年の契約でいいから結婚してくれないか。もちろん離婚の際には十分な慰謝料を払おうじゃないか。」
彼女は上げかけた腰をまた椅子に戻す。
「そうですか。では2年の契約婚ということですね。」
あっさり了承された。
思わずホッとする。
私には後がないのだ。
クスリと笑い声が聞こえ彼女の方をみた。
すると彼女は瞳に嘲るような色をたたえこちらを見ていた。
くそ
なんでこちらが結婚したくてたまらないみたいになっているんだ。
どうしても手紙の彼女と悪女が全く合致しないと思っていたが、いま彼女と悪女が一致した。
この女は悪女だ。
彼女は離れに住むことになった。
大量の輿入れ道具は小さな離れには入りきらず、家具などの大物はこちらに運び込んだ。
それでも大量の衣装や装飾品は衣装室には入り切らず、離れの客室を急遽衣装室にした。
これら全てにゴスルジカの公爵の紋が入っていた。
彼女の戦利品かと思うとゾッとした。
交流?
するわけがない。
悪女と関わっていいことなどひとつもないのだから。
彼女が離れに住んで二ヶ月が経とうとしていた。
離れは小さいので2人いれば十分まわるだろうとメイド長のカトリと娘のマリーの2人に離れの管理を任せた。
カトリは私が生まれる前から働いている優秀で信頼できるメイドだ。
正直本邸からいなくなるのは惜しいのだが仕方がない。
二ヶ月は平和に過ぎ、このまま何事もなければと思っていたがそう甘くはなかったらしい。
「自分の衣装は自分で作る。そう伝えておいてくれないか。」
ブリジットから揃いの衣装を作りたいと打診があったらしい。
何故悪女と揃いの衣装など作らなければならないんだ。
迷う事なく断った。
「アベル様。少しはブリジット様と交流されてみてはどうでしょうか。カトリの話では離れでの暮らしはおとなしいものの様でございます。心配されているような浪費は見当たりません。婚約者と揃いの衣装を作りたいというのを我儘だと言うのは、少し気の毒な気が致します。」
眉を曇らせながらセバスが言った。
気の毒?
私は何か言おうと口を開きかけた時だった。
ノックの音がする。
カトリとマリーだった。
しかし様子が変だ。
カトリは神妙な面持ちをしており、マリーは頭がボサボサだ。
「今日は謝罪に参りました。」
謝罪?
「実はマリーが衣装室の掃除をしている時なんですが……その……可愛いリボンが目に入ったらしく、ついつい手に取ってしまったようです。それを丁度衣装室に訪れたブリジット様の目に入り少し……揉めてしまいました。」
「アベル様!私誓って見ていただけなんです!なのにブリジット様は!私を泥棒って言ったんです!髪の毛に掴み掛かって来て……!見ていただけなのに!!見ていただけなのに!!ううっ」
そこまで言うとマリーは泣き出した。
「いえ、誤解されるような振る舞いをしたマリーが悪いのです。それで謝罪に参りました。」
私は思わずはああっとため息をついた。
「いや、いい。たかがリボン。どう見てもブリジットがやり過ぎだ。マリー、今日はもう休むといい。」
そう言って退室を促した。
部屋を出て行こうとした2人を見送ろうとして、あぁと思い立つ。
「そうだ、カトリ。ブリジットに言っておいてくれないか。揃いの衣装など作る気はない、と。だが予算内なら衣装でもなんでも好きに使えばいいとな。」
カトリは少し目を丸くしたが、すぐ丁寧にお辞儀をして退室した。
平和だと思っていたがなんて事だ。
見ているだけで掴み掛かるなど。
私はまたため息をつくとセバスの方を見た。
「誰がおとなしくしているって?」
「申し訳ございません。」
セバスは深々と頭を下げた。
それ見たことか。
やはり悪女となんて関わらない方がいいのだ。
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