6 / 56
そして冒頭に戻る ーアベルー
しおりを挟む
ーあなたを愛する事はないー
やっと言いたいことを言ったはずなのになぜかすっきりしない。
彼女はずっと眉を顰めている。
タウンハウスではずっと笑顔で話していたくせに、私にはずっとこうだ。
私はいらいらと事を進める。
暗い室内でもわかるくらい白くなめらかな肌が露わになる。
息を呑んだ。
美しい肌に触れれば応える様に艶めかしく動く肢体。
なんともいえぬ色気があたりに漂った。
だらり、と力なくブリジットの腕が垂れた。
ハッと我にかえる。
ブリジットは気を失っていた。
窓の外を見ると夜明け前の様だった。
さすがにやりすぎた。
焦ってブリジットを見ると乱れた髪が顔にかかったまま目を閉じたまま動かない。
「ブリジット。」
返事はない。
顔を近づけるとスースーと規則正しい寝息が聞こえ、安堵する。
顔にかかっている髪をそっと撫でるように横に流した。
すっかり力が抜けた体にシーツを掛けると私も横になった。
顔が間近にある。
「ブリジット」
眠っている事確認するかの様に呼びかけると、少し顔が緩んだような気がした。
さらさらと蜂蜜色の髪を撫でつけて整える。
彼女のあどけない顔を見つめた。
「……ビジイ」
そっと呟くとブリジットの唇が少し動いた様な気がした。
起きた?
そこで我に返る。
「馬鹿馬鹿しい。」
愛称がなんだと言うんだ。
くだらない。
私は反対側に寝返りを打った。
ハッと飛び起きた。
窓の外を見ると空が白み始め室内もぼんやり明るくなり始めていた。
どうやら少し眠っただけらしい。
私は起き上がりトラウザーを履くと使用人にタオルを用意させた。
自分の吐き出したもので汚れている彼女を、そのままにしているのは気が引けた。
シーツを捲る。
瞠目した。
え?
これは?
いやまさか。
でも
「どうして……」
思わず声が漏れた。
どういうことだ?
横でもモゾモゾと動き出した気配がした。
私はぎこちなくブリジットへ顔を向ける。
「君は……まさか……」
唾を飲み込む。
ゴクリと音が鳴った。
「純潔だったのか……?」
明け方の薄ぼんやりとした部屋の中でみたブリジットの足は、純潔の証で汚れていた。
彼女はゆっくり起き上がるとこちらを見る。
「月のものですわ。昨夜申し上げようとしたのに、アベル様は随分急いていらしたようで。」
ブリジットはクスリ、と初対面のあの日のように笑った。
カッと顔が熱くなる。
私は乱暴にタオルをベッドに放ると、シャツを鷲掴みにして部屋を出ていった。
服を着ながら本邸に帰る。
どうして純潔だなんて思ったんだ。
さっきまでの自分が恥ずかしい。
くそ
やはりあの女は悪女だ。
やっと言いたいことを言ったはずなのになぜかすっきりしない。
彼女はずっと眉を顰めている。
タウンハウスではずっと笑顔で話していたくせに、私にはずっとこうだ。
私はいらいらと事を進める。
暗い室内でもわかるくらい白くなめらかな肌が露わになる。
息を呑んだ。
美しい肌に触れれば応える様に艶めかしく動く肢体。
なんともいえぬ色気があたりに漂った。
だらり、と力なくブリジットの腕が垂れた。
ハッと我にかえる。
ブリジットは気を失っていた。
窓の外を見ると夜明け前の様だった。
さすがにやりすぎた。
焦ってブリジットを見ると乱れた髪が顔にかかったまま目を閉じたまま動かない。
「ブリジット。」
返事はない。
顔を近づけるとスースーと規則正しい寝息が聞こえ、安堵する。
顔にかかっている髪をそっと撫でるように横に流した。
すっかり力が抜けた体にシーツを掛けると私も横になった。
顔が間近にある。
「ブリジット」
眠っている事確認するかの様に呼びかけると、少し顔が緩んだような気がした。
さらさらと蜂蜜色の髪を撫でつけて整える。
彼女のあどけない顔を見つめた。
「……ビジイ」
そっと呟くとブリジットの唇が少し動いた様な気がした。
起きた?
そこで我に返る。
「馬鹿馬鹿しい。」
愛称がなんだと言うんだ。
くだらない。
私は反対側に寝返りを打った。
ハッと飛び起きた。
窓の外を見ると空が白み始め室内もぼんやり明るくなり始めていた。
どうやら少し眠っただけらしい。
私は起き上がりトラウザーを履くと使用人にタオルを用意させた。
自分の吐き出したもので汚れている彼女を、そのままにしているのは気が引けた。
シーツを捲る。
瞠目した。
え?
これは?
いやまさか。
でも
「どうして……」
思わず声が漏れた。
どういうことだ?
横でもモゾモゾと動き出した気配がした。
私はぎこちなくブリジットへ顔を向ける。
「君は……まさか……」
唾を飲み込む。
ゴクリと音が鳴った。
「純潔だったのか……?」
明け方の薄ぼんやりとした部屋の中でみたブリジットの足は、純潔の証で汚れていた。
彼女はゆっくり起き上がるとこちらを見る。
「月のものですわ。昨夜申し上げようとしたのに、アベル様は随分急いていらしたようで。」
ブリジットはクスリ、と初対面のあの日のように笑った。
カッと顔が熱くなる。
私は乱暴にタオルをベッドに放ると、シャツを鷲掴みにして部屋を出ていった。
服を着ながら本邸に帰る。
どうして純潔だなんて思ったんだ。
さっきまでの自分が恥ずかしい。
くそ
やはりあの女は悪女だ。
124
あなたにおすすめの小説
あの、初夜の延期はできますか?
木嶋うめ香
恋愛
「申し訳ないが、延期をお願いできないだろうか。その、いつまでとは今はいえないのだが」
私シュテフイーナ・バウワーは今日ギュスターヴ・エリンケスと結婚し、シュテフイーナ・エリンケスになった。
結婚祝の宴を終え、侍女とメイド達に準備された私は、ベッドの端に座り緊張しつつ夫のギュスターヴが来るのを待っていた。
けれど、夜も更け体が冷え切っても夫は寝室には姿を見せず、明け方朝告げ鶏が鳴く頃に漸く現れたと思ったら、私の前に跪き、彼は泣きそうな顔でそう言ったのだ。
「私と夫婦になるつもりが無いから永久に延期するということですか? それとも何か理由があり延期するだけでしょうか?」
なぜこの人私に求婚したのだろう。
困惑と悲しみを隠し尋ねる。
婚約期間は三ヶ月と短かったが、それでも頻繁に会っていたし、会えない時は手紙や花束が送られてきた。
関係は良好だと感じていたのは、私だけだったのだろうか。
ボツネタ供養の短編です。
十話程度で終わります。
もう一度、君を好きになる時間
なべぞう
恋愛
結婚後、夫とのすれ違いと孤独な生活の中で心身を壊し、若くして病死した女性・相沢美月。
後悔だけを残して人生を終えたはずの彼女は、目を覚ますと――大学時代へと時間が巻き戻っていた。
二度目の人生を得た美月は決意する。
「今度こそ、自分を大切にして生きる」と。
前の人生で結婚した元恋人・恒一との再会。
しかし、同じ未来を辿るつもりはない。
そんな中、前の人生では出会うことのなかった青年・三浦との出会いが、彼女の未来を少しずつ変えていく。
「我慢すること」が正解だと思っていた彼女は、二度目の人生で初めて自分の幸せを選び取る勇気を学んでいく。
――人は、やり直せたなら本当に幸せになれるのか?
失敗した人生をもう一度歩き直す、一人の女性の再生と恋、そして本当の愛を見つける物語
全部私が悪いのです
久留茶
恋愛
ある出来事が原因でオーディール男爵家の長女ジュディス(20歳)の婚約者を横取りする形となってしまったオーディール男爵家の次女オフィーリア(18歳)。
姉の元婚約者である王国騎士団所属の色男エドガー・アーバン伯爵子息(22歳)は姉への気持ちが断ち切れず、彼女と別れる原因となったオフィーリアを結婚後も恨み続け、妻となったオフィーリアに対して辛く当たる日々が続いていた。
世間からも姉の婚約者を奪った『欲深いオフィーリア』と悪名を轟かせるオフィーリアに果たして幸せは訪れるのだろうか……。
*全18話完結となっています。
*大分イライラする場面が多いと思われますので苦手な方はご注意下さい。
*後半まで読んで頂ければ救いはあります(多分)。
*この作品は他誌にも掲載中です。
【完結】伯爵令嬢は婚約を終わりにしたい〜次期公爵の幸せのために婚約破棄されることを目指して悪女になったら、なぜか溺愛されてしまったようです〜
よどら文鳥
恋愛
伯爵令嬢のミリアナは、次期公爵レインハルトと婚約関係である。
二人は特に問題もなく、順調に親睦を深めていった。
だがある日。
王女のシャーリャはミリアナに対して、「二人の婚約を解消してほしい、レインハルトは本当は私を愛しているの」と促した。
ミリアナは最初こそ信じなかったが王女が帰った後、レインハルトとの会話で王女のことを愛していることが判明した。
レインハルトの幸せをなによりも優先して考えているミリアナは、自分自身が嫌われて婚約破棄を宣告してもらえばいいという決断をする。
ミリアナはレインハルトの前では悪女になりきることを決意。
もともとミリアナは破天荒で活発な性格である。
そのため、悪女になりきるとはいっても、むしろあまり変わっていないことにもミリアナは気がついていない。
だが、悪女になって様々な作戦でレインハルトから嫌われるような行動をするが、なぜか全て感謝されてしまう。
それどころか、レインハルトからの愛情がどんどんと深くなっていき……?
※前回の作品同様、投稿前日に思いついて書いてみた作品なので、先のプロットや展開は未定です。今作も、完結までは書くつもりです。
※第一話のキャラがざまぁされそうな感じはありますが、今回はざまぁがメインの作品ではありません。もしかしたら、このキャラも更生していい子になっちゃったりする可能性もあります。(このあたり、現時点ではどうするか展開考えていないです)
【完結】お荷物王女は婚約解消を願う
miniko
恋愛
王家の瞳と呼ばれる色を持たずに生まれて来た王女アンジェリーナは、一部の貴族から『お荷物王女』と蔑まれる存在だった。
それがエスカレートするのを危惧した国王は、アンジェリーナの後ろ楯を強くする為、彼女の従兄弟でもある筆頭公爵家次男との婚約を整える。
アンジェリーナは八歳年上の優しい婚約者が大好きだった。
今は妹扱いでも、自分が大人になれば年の差も気にならなくなり、少しづつ愛情が育つ事もあるだろうと思っていた。
だが、彼女はある日聞いてしまう。
「お役御免になる迄は、しっかりアンジーを守る」と言う彼の宣言を。
───そうか、彼は私を守る為に、一時的に婚約者になってくれただけなのね。
それなら出来るだけ早く、彼を解放してあげなくちゃ・・・・・・。
そして二人は盛大にすれ違って行くのだった。
※設定ユルユルですが、笑って許してくださると嬉しいです。
※感想欄、ネタバレ配慮しておりません。ご了承ください。
嘘が愛を試す時 〜君を信じたい夜に〜
月山 歩
恋愛
サラとマリウス・ハンプトン侯爵夫婦のもとに、衝撃的な告白を携えた男が訪れる。「隠れてサラと愛し合っている。」と。
身に覚えのない不貞の証拠に、いくらサラが誤解だと訴えてもマリウスは次第に疑念を深めてゆく。
男の目的はただ一つ、サラを奪うこと。
*こちらはアルファポリス版です。
報われなかった姫君に、弔いの白い薔薇の花束を
さくたろう
恋愛
その国の王妃を決める舞踏会に招かれたロザリー・ベルトレードは、自分が当時の王子、そうして現王アルフォンスの婚約者であり、不遇の死を遂げた姫オフィーリアであったという前世を思い出す。
少しずつ蘇るオフィーリアの記憶に翻弄されながらも、17年前から今世まで続く因縁に、ロザリーは絡め取られていく。一方でアルフォンスもロザリーの存在から目が離せなくなり、やがて二人は再び惹かれ合うようになるが――。
20話です。小説家になろう様でも公開中です。
【完結済】ラーレの初恋
こゆき
恋愛
元気なアラサーだった私は、大好きな中世ヨーロッパ風乙女ゲームの世界に転生していた!
死因のせいで顔に大きな火傷跡のような痣があるけど、推しが愛してくれるから問題なし!
けれど、待ちに待った誕生日のその日、なんだかみんなの様子がおかしくて──?
転生した少女、ラーレの初恋をめぐるストーリー。
他サイトにも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる