転生勇者の異世界見聞録

yahimoti

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第59話 カニツアー2

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「本当に久しぶりね。」

ギルドの受付担当のメルダが言う。

「でも今はあなたにやってもらう様な依頼はないわよ。」

最近は盗賊も少なくなり、強力な魔物も出てこない。

冒険者はもっぱら畑を荒らす獣の退治やダンジョンの攻略をしている。

マッテオ達はこのギルドの筆頭冒険者になっている。

「もうそろそろ帰ってくる頃ね。」

既に依頼や今日の活動を終えた冒険者が帰って来ておりギルドは賑やかになっている。

他所から来た冒険者だろうか既に出来上がっている様子じゃ。

ご機嫌さんじゃ。

「おいおい、ここのギルドはいい女がいるじゃねえか。」

と絡んでくる。

するとわしが反応する前に周囲の冒険者達が真っ青になって

「あのバカを放りだせ。」

と寄ってたかって絡んでこようとした冒険者を担ぎ上げてギルドの外に出ていった。

メルダがちっと舌打ちする。

ギルド長が奥の部屋から出てくる。

「なにを騒いでいるの?また壊さないでよ。」

ギルドの壁は穴を塞いだ所だけ不自然にきれいになっている。

大きなテーブルは真ん中で裏から当て木をして修理してある。

これ、こんな修理するのに金貨何枚もいったのかな。

「外でバケツ持って立たされている奴がいるけどなんだあれ。」

マッテオ達がやってくる。

ここは昭和の学校か?わしの頃でももうそんなことなかったぞ。

「ユウト久しぶりじゃんか。なんか面白いことでもあるんか?」

「マッテオ、カニ食べたことある?」

「カニ?なんだそれ。」

「私、食べたことないけど知っているわ。」とカーラが言う。

「足がいっぱい生えている虫みたいなやつ。海に住んでるって。」

ユリアンナが「私、旅行ガイドでみた。」と言う。

旅行ガイドなんてあるんだ。

タピタは誇らしげに言う。

「おれ食べたことある、サラダに入ってた。」

「どこの?」と聞く。

「猫耳しっぽ亭。今朝のサラダに入ってた。なんか知らんもの入ってたから親父に聞いた。」

「じゃあ、みんな食べてるんじゃん。」
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