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第77話 もう一人の転生者1
しおりを挟む「もう、お前クビだから。」
パーティのリーダーが唐突に言う。
「えっ、なんで。」
「お前、全然戦わないじゃん。」
「俺達が必死になって魔物倒してるのにお前荷物持ってボーっとしてるだけだし、邪魔なだけなんだよ。」
「じゃあな。」
と言って転移石を使って帰ってしまった。
「待って。」
と言う間もなかった。
僕は転移石を持っていないし、戦闘職じゃないので戦えない。
絶対絶命だ。
僕は中島浩次、中学1年13歳。
学校ではなんのきっかけだったのか心当たりがないのだけどイジメのターゲットにされた。
2ヵ月ぐらい我慢して学校に行ったけど同級生にパンツ脱げとか言われて限界を感じて行かなくなった。
学校に行かないで部屋に閉じこもって居た。
今度は、イジメられていた時は関わるのを避けるようにしてただ見ていた同級生や担任の教師が家に押しかけて来た。
「学校に行きましょう。」
とか言ってくる。
こいつらは僕の為にこんな事をしているわけじゃない。
自分達の体裁のためにしているだけなんだってわかってしまった。
親も同じで学校に行かないで部屋に引きこもっている子供がいるなんてご近所に体裁が悪いと思っているだけなんだ。
話しをしても学校には行かなければダメだとか、浩次の為だとか、いじめられる方にも何か問題があるのだから直せばいいなどと言う。
僕は家に居る事も出来なくなった。
親が仕事で留守になった隙に僕は家を出た。
行く当てなんか無かった。
電車に乗って住んでいた町を離れて知らない町の駅で降りた。
この町にはネットカフェがあるのでしばらくは寝泊まり出来ると思った。
駅を出て歩いていると黒い猫がいた。
猫は道路を渡ろうとしている。
何故か猫は車が来ているのに道路に飛び出す。
僕の体が反射的に動いて猫と車の間に飛び出してしまう。
猫を車の前から押し退けたと思った時、僕は体に衝撃を受けて意識を無くした。
意識が戻った時僕はトリミド村の村人の子供として生まれ変わっていた。
10歳になって三男だった僕は村を出てフエツの街に行って冒険者になった。
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