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第78話 もう一人の転生者2
しおりを挟む僕は自分を鑑定する事が出来たしインベントリも生まれつき持っていた。
ジョブは錬金術と付与なので戦闘には向かない。
ギルドではポーターとして働いていた。
同じ村出身の三人のパーティに入れてもらったのだけれどこんな仕打ちを受けるとは思っても見なかった。
小さな時からいつの間にか一緒にいる黒猫が警戒する様に身構えている。
小さい体で僕を守っているつもりだ。
ここはフエツの街の近くにある7つのダンジョンの一つで初心者向けではあるけれど34階層にもなると僕の様な戦闘職でない者には脅威だ。
既に周りは魔物達に取り囲まれている。
一応は持っている短剣に魔法を付与して身構える。
すると巨大な白い狼が走ってくるのが見えた。
あれはダメだどんな事をしてもあれには敵わない。
僕は完全に観念した。
近づいて来ると白い狼の頭の上に小さな子供が乗っているのが見えた。
突然、周囲の魔物達がパンっと言う音を立てて光の粒になって消えた。
パンパンパンっと続け様に音がなって周囲が明るく光り魔物は全くいなくなった。
ドロップアイテムがそこいら中に放置されている。
僕はドロップアイテムを拾い集めながらダンジョンの出口を目指した。
ダンジョンを出るまで魔物は全く現れなかった。
訳がわからないままフエツの街に行くとマッテオさんのパーティにであった。
「コージお前一人なのか?」
とマッテオさんが聞いて来たのでダンジョンの事を話した。
「そりゃムートとユウトだ、コージ運が良かったな。」
「それにしてもパーティメンバーを置き去りにするなんて、それもポーターを、殺すつもりか?」
「酷え奴らだ。」
マッテオさんはお怒りです。
ギルドに着くとリーダー達が驚いた顔していたが気を取り直したのか
「コージ無事だったのか。よかった。」
などと言う。
ギルドには僕は魔物に食われて死んだ事になっていた。
「何言ってんだお前らコージを置き去りにしたんだろうが。」
と大きな声で言う。
マッテオさんはこのギルドでトップクラスの冒険者だからそんな人に大きな声で言われると疑う人はいない。
これは重大なギルドの規則違反なのだし。
パーティの三人はギルドの屈強な職員さんに有無を言わさず連れて行かれてしまった。
おそらく鉱山での強制労働に行く事になる。
この世界の鉱山での労働は刑罰になる程過酷なのだ。
「コージは何も気にしなくていいからな。」
とマッテオさんが言う。
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