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第95話 魔法学校1
しおりを挟むだから言わんこっちゃない。
男は完全に魔力切れで伸びている。
リルとのリンクを一瞬、男に切り変えてみただけなのだが。
この子達とのリンクを維持するには結構な魔力量が必要なのじゃ。
レティシアと王都に出かける。
ムート,リル、アサンはセットの様について来るのだけど、何故ジェノツマルヤ迄ついて来ているのじゃ。
「私、なるべくユウトの側にいないと結界が途切れて街とか国とかがなくなってしまうし、ずっと眠っていたから退屈だったので。」
そうか、退屈だったのか。
ロイス邸に来てからもずっと眠っていたからそれが普通の状態なのかと思っていた。
魔法学校に向かう途中なのだけど何か面倒くさい奴に引っかかってしまう。
露店商に向かって何か怒鳴っている。
「なんで、こんな腐ったもん売ってんだ、臭えだろうが。」
「あんだとー、漬物を知らねえのか田舎者が。」
と露店商も負けていない。
「おいおい、ジュナス侯爵家のヘンリック様に向かって田舎者だとー、手打ちにしてくれる。」
ヘンリックが剣を振り上げる。
「それはダメ。」
レティシアが鞘に収めたままの剣でヘンリックの剣を絡めとる。
「なんだ、何をする。私を誰だと思っている。ジュナス侯爵家のヘンリック様だぞ。」
「私はロイス侯爵家のレティシアよ。」
「げっ、アリシアの姉か。」
「魔法学校の子か?」
ヘンリックは急に顔色を悪くする。
「おまえ達、オレを舐めやがってきっと思い知らせてやるからなー。覚えてろー。バカー。」
とか言いながら後退りして逃げていった。
ザリガニか?
と思っていたら今度はテンプレぴったりの悪そうな男の一団がやって来た。
「なんだー、おまえらあんまり見かけんなーどっから来た。」
「んー、オレ様を誰だと思っている?ジュナス侯爵家のブライオだぞ。」
さっきのやつの兄貴か?
レティシアに突っかかるのは、やめといた方がいいと思う。
死んじゃうよ。
「きれいな女の子ばっかりじゃん、後はちっちゃい子供な。」
「ギャハハ。」とお上品に笑う。
「おまえ使い魔か?とリルに手をかける。オレ使い魔欲しかったんだ。これ、オレが貰ってやるよ。」
と頭の悪そうな男が言う。
わしは意地悪そうに笑いながら
「本気か。」
と聞いてやる。
「なんだよ、いいからよこせよ。」
リルは人化したままなのに目が狼になっている。
わしの顔を見てにやりと悪そうな笑い方をする。
悪には悪をと、とっても意地悪な気持ちになる。
わしは「ふーん。」と言ってリルとのリンクをこの男につないでやる。
男はビクッとしたかと思うと無言のままバッタリと倒れた。
リルに魔力を吸い取られて魔力欠乏症になったのだ。
取り巻きが倒れた男を抱え上げて
「おまえら、オレ達を舐めやがって、きっと思い知らせてやるからなー。覚えてろー。バカー。」
とか言いながら後退りして逃げていった。
兄弟で同じパターンか。
王都は変なやつが多いのか?
「学校があるからじゃないの?学校って変な子が多いし、変になるタイミングでもあるから。」
レティシアが言う。
お前もな。
と言ってあげたい。
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