2 / 56
芍薬
夢?現実?あの世?
しおりを挟む
目が覚めると見慣れない天井があった。眺めること約10分。今までの状況をやっと呑み込み、勢いよく起き上がる。
「こ、ここ何処?!確か駅の階段で落ちたはずなのに何故‥‥」
辺りを見渡すと、見慣れないものばかりだでどこか古めかしい。自分が着てる服も着物にそっくりで、コスプレみたいだ。
「こんなコスプレ紛いな服、病院服なわけないよね‥‥」
となると私は
「死んだ?それとも夢?」
腕や頬をつねるが痛い。 怪しいと思ったので棚にあった高そうな皿を床に叩きつけて割り、腕を切って見ると血が出たので間違いなく現実のようだ。
「じゃあ、ここは」
駅の階段から落ちて運ばれたのが病院ならわかる。夜遅くとはいえ、10時だった。駅員はまだいたはずだ。故意に落とされたとはいえ
ドラマででくるような病院のVIP室に通されるわけがない。
「血はでてるし、痛い。死んではいないみたい‥‥っは?!まさかあの世は痛みが伴うのか?!」
皿の破片が散らばった床にしゃがみ込み、やばい、やばいを連発しながら血がついた破片を眺める。これから自分はどうなるのか、麗華は無事なのかと考え込んでいるとドア?が開き、女が入って来た。女もコスプレみたいな格好をしている。
「あ、村人‥‥じゃなくて、あの」
皿を割ってごめんなさい、ここはどこですか?と聞こうとしたが、女はわなわなと震えはじめ
「皇后様!!なぜ、お怪我をしているのですか?!誰か!待医を待医を呼びなさい!」
侍医‥医者のこと
「え、ちょ?!」
女の一言でぞろぞろと人が入ってくる。みな同じようにコスプレをしている。
「こ、皇后様!!いったいどうされたのですか?!!」
「皇后様!早く寝台へ参りましょう!もうじき待医がいらっしゃいますから!」
「皇后様!ここは危険ですので、早くお立ちください!」
「皇后様、すぐに陛下を呼びますので!」
口々に言われてしまい、頭がおいつかない。
ん?ちょっと待って?この人達今「皇后様」っていってなかった? 私は立ち上がり聞いてみる事にした。
「ね、ねぇ」
「皇后様どうされ‥‥」
「皇后様って?」
私の一言で沈黙に包まれる。周りの人達は顔を見合わせたり、「なんということだ」「祟りだ」と呟く者もいたので
「ちょ、祟りだなんて失礼な!」
思わずつっこむといったであろう人がひざまづき
「お許しを!皇后様!どうか、お許しを!」
「い、いやあのね?!」
もうめちゃくちゃだ。私を「皇后」という人達に囲まれてる。もう、どっかの宗教なのではないかと思う。
すると、ある女が私の前に現れた。他のコスプレに比べて少し豪華めだ。
「皆の者!控えなさい!皇后様は今起きたばかりである!数日間眠っておられたのはみ皆知っておろう!静養を妨げ、皇后様のお体になにかあったらただでは済まさぬ!おい、そこの者!先程祟りといったな?」
「ひっ、は、はい‥」
祟りと言った男は怯えながら女の方を見る。
「鞭打ち30回の後、慎形司に連れて行きなさい!」
慎形司‥使用人に罰を与えるところ
しんけいし?聞きなれない言葉だ。しかし、男が怯えているのでものすごく怖い場所であることは間違いない。
「どうかお許しを!!」
「連れて行け!」
すると、剣を持った人たちが、男を引きずりだそうとしたので
「ま、まって!!悪気があって言ったわけでではないだろうし!たかが、そんな発言で鞭打ちなんて馬鹿げてる!」
「こ、皇后様」
「ですが、皇后様!これでは下の者に示しがつきません!」
下の者という発言にカチンときたので引き下がらない事にした。
「あのね!祟りなんてあるわけないでしょうよ?!それに、天は人の上に人を造らずっ諭吉様も言ってるでしょうよ?!」
すると、女は驚愕した顔を向けてきたが無視し
「祟りって、悪気があって言ったわけではないですよね?」
そう聞くと、小さい声で「はい」と答えた。
「なら良いです。でも、発言には責任を取ってくださいな。一週間、外出禁止。謹慎してください。あと、反省文書いてね。」
反省文、よく書かされたなー思いつつ男を見ると何故か泣きながら
「こ、皇后様、お慈悲をありがとうございます!」
お慈悲って、別に普通なんだけどなと思いながらも「早く書いてきてね」と言うと男はよろよろと立ち上がりながら出て行った。
「さ、みんなも一回、外へ出よう。私はこの人に話があるから。」
そういうと、皆一礼してから部屋を出て行った。
「(なんか、やばい黄泉の国だな。)」
皇后様設定の黄泉の国。もう、そう思わないとやってけないこの状況に溜息をついた。
すると、女はひざまづき
「皇后様の御前で声を荒げてしまい申し訳ありません!」
「え、あーうん。ところでさ、ここ何処?それに、なんでそんな格好をしてるのよ。」
話題を変えないと、「死ぬ」とか言い出しそうだったのでとりあえず何処なのか聞いてみる。
「‥‥何処とは?ここは、皇后様の宮ですが?それに、いつもと同じ服装ですが?」
「いつもと同じ?」
「はい。もしかして、何も覚えていらっしゃらないのですか?」
そう言うと、私の顔と腕を見比べながら
「と、とにかくお手当をしましょう。秋侍医がもうじきお越しになるはずですから。そしたらお話いたしましょう。」
「こ、ここ何処?!確か駅の階段で落ちたはずなのに何故‥‥」
辺りを見渡すと、見慣れないものばかりだでどこか古めかしい。自分が着てる服も着物にそっくりで、コスプレみたいだ。
「こんなコスプレ紛いな服、病院服なわけないよね‥‥」
となると私は
「死んだ?それとも夢?」
腕や頬をつねるが痛い。 怪しいと思ったので棚にあった高そうな皿を床に叩きつけて割り、腕を切って見ると血が出たので間違いなく現実のようだ。
「じゃあ、ここは」
駅の階段から落ちて運ばれたのが病院ならわかる。夜遅くとはいえ、10時だった。駅員はまだいたはずだ。故意に落とされたとはいえ
ドラマででくるような病院のVIP室に通されるわけがない。
「血はでてるし、痛い。死んではいないみたい‥‥っは?!まさかあの世は痛みが伴うのか?!」
皿の破片が散らばった床にしゃがみ込み、やばい、やばいを連発しながら血がついた破片を眺める。これから自分はどうなるのか、麗華は無事なのかと考え込んでいるとドア?が開き、女が入って来た。女もコスプレみたいな格好をしている。
「あ、村人‥‥じゃなくて、あの」
皿を割ってごめんなさい、ここはどこですか?と聞こうとしたが、女はわなわなと震えはじめ
「皇后様!!なぜ、お怪我をしているのですか?!誰か!待医を待医を呼びなさい!」
侍医‥医者のこと
「え、ちょ?!」
女の一言でぞろぞろと人が入ってくる。みな同じようにコスプレをしている。
「こ、皇后様!!いったいどうされたのですか?!!」
「皇后様!早く寝台へ参りましょう!もうじき待医がいらっしゃいますから!」
「皇后様!ここは危険ですので、早くお立ちください!」
「皇后様、すぐに陛下を呼びますので!」
口々に言われてしまい、頭がおいつかない。
ん?ちょっと待って?この人達今「皇后様」っていってなかった? 私は立ち上がり聞いてみる事にした。
「ね、ねぇ」
「皇后様どうされ‥‥」
「皇后様って?」
私の一言で沈黙に包まれる。周りの人達は顔を見合わせたり、「なんということだ」「祟りだ」と呟く者もいたので
「ちょ、祟りだなんて失礼な!」
思わずつっこむといったであろう人がひざまづき
「お許しを!皇后様!どうか、お許しを!」
「い、いやあのね?!」
もうめちゃくちゃだ。私を「皇后」という人達に囲まれてる。もう、どっかの宗教なのではないかと思う。
すると、ある女が私の前に現れた。他のコスプレに比べて少し豪華めだ。
「皆の者!控えなさい!皇后様は今起きたばかりである!数日間眠っておられたのはみ皆知っておろう!静養を妨げ、皇后様のお体になにかあったらただでは済まさぬ!おい、そこの者!先程祟りといったな?」
「ひっ、は、はい‥」
祟りと言った男は怯えながら女の方を見る。
「鞭打ち30回の後、慎形司に連れて行きなさい!」
慎形司‥使用人に罰を与えるところ
しんけいし?聞きなれない言葉だ。しかし、男が怯えているのでものすごく怖い場所であることは間違いない。
「どうかお許しを!!」
「連れて行け!」
すると、剣を持った人たちが、男を引きずりだそうとしたので
「ま、まって!!悪気があって言ったわけでではないだろうし!たかが、そんな発言で鞭打ちなんて馬鹿げてる!」
「こ、皇后様」
「ですが、皇后様!これでは下の者に示しがつきません!」
下の者という発言にカチンときたので引き下がらない事にした。
「あのね!祟りなんてあるわけないでしょうよ?!それに、天は人の上に人を造らずっ諭吉様も言ってるでしょうよ?!」
すると、女は驚愕した顔を向けてきたが無視し
「祟りって、悪気があって言ったわけではないですよね?」
そう聞くと、小さい声で「はい」と答えた。
「なら良いです。でも、発言には責任を取ってくださいな。一週間、外出禁止。謹慎してください。あと、反省文書いてね。」
反省文、よく書かされたなー思いつつ男を見ると何故か泣きながら
「こ、皇后様、お慈悲をありがとうございます!」
お慈悲って、別に普通なんだけどなと思いながらも「早く書いてきてね」と言うと男はよろよろと立ち上がりながら出て行った。
「さ、みんなも一回、外へ出よう。私はこの人に話があるから。」
そういうと、皆一礼してから部屋を出て行った。
「(なんか、やばい黄泉の国だな。)」
皇后様設定の黄泉の国。もう、そう思わないとやってけないこの状況に溜息をついた。
すると、女はひざまづき
「皇后様の御前で声を荒げてしまい申し訳ありません!」
「え、あーうん。ところでさ、ここ何処?それに、なんでそんな格好をしてるのよ。」
話題を変えないと、「死ぬ」とか言い出しそうだったのでとりあえず何処なのか聞いてみる。
「‥‥何処とは?ここは、皇后様の宮ですが?それに、いつもと同じ服装ですが?」
「いつもと同じ?」
「はい。もしかして、何も覚えていらっしゃらないのですか?」
そう言うと、私の顔と腕を見比べながら
「と、とにかくお手当をしましょう。秋侍医がもうじきお越しになるはずですから。そしたらお話いたしましょう。」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる