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芍薬
これからの事
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鈴音公主と蓮絡が戻り、公主は私の腕の中で遊んでいた。
「(こうみると、やっぱリンなのよね)」
サラサラとした黒髪なので、ピンク色の花飾りがよく似合う。
「(もし、私が"美皇后"じゃないと知ったらきっと悲しむだろうな。)」
なりは美皇后でも、今は姫川瑠璃なのだ。美皇后と同じようにはできないだろう。
「お母様ー」
「ん?どうした?」
「これ、作ってー??」
「ん?」
渡された本をみるとくす玉の作り方が載っていた。
「いいよー、作ってあげる!」
「本当?!」
「うん!蓮絡、色紙とかある?あれば持ってきて欲しいの」
「はい!ありますよ!今とってまいりますね。」
「あ、なるべく色が被らないようにお願い」
蓮絡は頷き、部屋の外へでた。
「じゃあ、鈴音。寝台からテーブルに移動しようか」
「てーぶる??」
あ、こちらの世界では英語はわからないのか。
「え、えと机に移動しましょう!」
「うん!」
元の世界の語を使わないようにしないとなと思い、頬をたたいた。
机には色とりどりの色紙。どれも上質な紙であることがわかる。
「(ルナが見たら発狂しそう)」
和物が好きなルナは自室は全て和で統一されていた。
「よし!つくるぞー」
どれくらい時がたったかわからないが形が出来上がる。花模様のくす玉で、色紙を組み合わせて正方形をつくり折ったのでカラフルな色合いになった。
「(昔の研究が役に立ったわ)」
ルナが小学生の時、一緒に折り紙で色々つくり「本が出版できるんじゃね?!」なんて話をしていた。
「どう、かな?カラフ‥色とりどりにしてみたんだけど?」
「カラフル」といいそうになる自分を抑えた。
「‥‥お母様」
「ん??」
やばい。もしかして気に入らなかった?!
「すごいです!なんで綺麗な色合いなのだ!!初めて見ました!」
キャッキャとはしゃぐ姿を見て胸をなでおろす。
「皇后様、素晴らしい技術です!とても美しい色合いです!」
「そ、そう?ありがとう」
ここまで褒められるとちょっと照れる。
「お母様!飾ってもいい?」
「うん、いいよー」
くす玉を蓮絡と一緒に飾る鈴音公主。
「(なんだか、微笑ましいな)」
"美皇后"もこんな気持ちで成長を見守っていたのだろうか。向こうの世界での私がどうなっているかわからない。もしかしたら死んでいるかもしれない。
「(でも)」
言える事は、元の世界に帰る日が来るまで"美皇后"として鈴音公主、皇太子の成長を見守ること。皇后の責務を果たすことだ。となると私はこの世界で生き残らないといけない。「(となると、誰が私の味方になってくれて、誰が敵かを知る必要があるね。)」
"美皇后"は毒殺されかけた。なら、自分の身を守るためにも側室達の関係性を知ろう。
「("美皇后"としてやってやろうじゃないの!絶対に私はこの世界で生き残ってみせるんだから!!)」
「(こうみると、やっぱリンなのよね)」
サラサラとした黒髪なので、ピンク色の花飾りがよく似合う。
「(もし、私が"美皇后"じゃないと知ったらきっと悲しむだろうな。)」
なりは美皇后でも、今は姫川瑠璃なのだ。美皇后と同じようにはできないだろう。
「お母様ー」
「ん?どうした?」
「これ、作ってー??」
「ん?」
渡された本をみるとくす玉の作り方が載っていた。
「いいよー、作ってあげる!」
「本当?!」
「うん!蓮絡、色紙とかある?あれば持ってきて欲しいの」
「はい!ありますよ!今とってまいりますね。」
「あ、なるべく色が被らないようにお願い」
蓮絡は頷き、部屋の外へでた。
「じゃあ、鈴音。寝台からテーブルに移動しようか」
「てーぶる??」
あ、こちらの世界では英語はわからないのか。
「え、えと机に移動しましょう!」
「うん!」
元の世界の語を使わないようにしないとなと思い、頬をたたいた。
机には色とりどりの色紙。どれも上質な紙であることがわかる。
「(ルナが見たら発狂しそう)」
和物が好きなルナは自室は全て和で統一されていた。
「よし!つくるぞー」
どれくらい時がたったかわからないが形が出来上がる。花模様のくす玉で、色紙を組み合わせて正方形をつくり折ったのでカラフルな色合いになった。
「(昔の研究が役に立ったわ)」
ルナが小学生の時、一緒に折り紙で色々つくり「本が出版できるんじゃね?!」なんて話をしていた。
「どう、かな?カラフ‥色とりどりにしてみたんだけど?」
「カラフル」といいそうになる自分を抑えた。
「‥‥お母様」
「ん??」
やばい。もしかして気に入らなかった?!
「すごいです!なんで綺麗な色合いなのだ!!初めて見ました!」
キャッキャとはしゃぐ姿を見て胸をなでおろす。
「皇后様、素晴らしい技術です!とても美しい色合いです!」
「そ、そう?ありがとう」
ここまで褒められるとちょっと照れる。
「お母様!飾ってもいい?」
「うん、いいよー」
くす玉を蓮絡と一緒に飾る鈴音公主。
「(なんだか、微笑ましいな)」
"美皇后"もこんな気持ちで成長を見守っていたのだろうか。向こうの世界での私がどうなっているかわからない。もしかしたら死んでいるかもしれない。
「(でも)」
言える事は、元の世界に帰る日が来るまで"美皇后"として鈴音公主、皇太子の成長を見守ること。皇后の責務を果たすことだ。となると私はこの世界で生き残らないといけない。「(となると、誰が私の味方になってくれて、誰が敵かを知る必要があるね。)」
"美皇后"は毒殺されかけた。なら、自分の身を守るためにも側室達の関係性を知ろう。
「("美皇后"としてやってやろうじゃないの!絶対に私はこの世界で生き残ってみせるんだから!!)」
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