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蘭
私らしく
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「ねぇ、青雲。威厳のある格好はどんなのだと思う?」
賢貴妃様付きの侍女に自分の宮まで送ってもらい、朱貴妃様の命令を遂行しているのだがあまり着飾る事をしないのでいまいちわからない。
「優妃様、私にお任せくださいな。」
侍女である青雲は腕まくりをすると髪の毛をゆいはじめる。
「桃色の髪が映えるようにしましょう。」
「う、うん。」
髪の毛を全て上げるのは宮中に上がった時以来だ。いつもは後ろに髪を垂らし、乱れても自分ですぐ直せる髪型にしている。
「(あれ?)」
青雲がつけようとしているの白色の花に真珠がついた簪。派手な作りではないが高級品であることはすぐにわかる。
「こんな髪飾りあった?」
「え、えぇ。こないだ、宮廷にやってきた松陽国の従者が是非、優妃様にと。」
「…そっか?」
松陽国といえば、生地の名産地だが。
「(内陸なのにどうして真珠を?)」
内陸の国は真珠は高価で、この国でも高く取引される。そんな真珠の髪飾りを妃に渡すだろうか?
「(お父様に松陽国のご友人でもいたかしら?)」
外交を任されている。ならば、松陽国に友人や知人がいてもおかしくない。
「(んー、今度聞いてみましょう。)」
それから見覚えの無い髪飾りを次々につけられていく。青い水晶でできた小さな花飾りと真珠を交互につけられていく。
「(これも、きっとお父様のご友人からよね?!)」
お礼の手紙を書かなければならない。
「優妃様!次はお化粧ですね!」
「え、えぇ!」
化粧品を山のように出してくる青雲。しかし
「これって、珊瑚の頬紅じゃあ‥‥」
化粧品に疎い私でもこれはしっている。東珠国の名産品。海に囲まれた国で真珠もよくとれる国だ。真珠が主な名産品だが東珠国の皇后様がほかの誰よりも美しくなければ気がすまないと言って開発されたのが珊瑚の頬紅だ。真珠の粉末を練りこまれている。宮廷でも使っているのは皇貴妃様、朱貴妃様ぐらいだ。
「え、えぇ!これはその私からですよ!」
「青雲から?」
「は、はい!こ 私の祖父が化粧品を作っておりまして!それで優妃様に使いたいといったら、分けて下さったのです!」
驚いた。青雲の実家が化粧品作りに携わっているなんて。
「ですから、お気にせずお使い下さい!」
「う、うん。」
青雲は私の顔に白粉や頬紅、口紅をつけていく。白粉の香りは薔薇の匂いがした。
「(薔薇の白粉は一級品とされてるし‥‥)」
なぜ、こんなに高価なものが私の宮にあるのか。
「(いままで頂いた家禄は宝飾品や衣装に、殆ど回してないのに!)」
皇后様が倹約家のため余った家禄や生地は嬪の位までの者に渡される。そのため、新しい衣装を作るとき銀子がかからない。宝飾品もたまに商人から買う程度。そのため、家禄は余る。余った分はお母様に送ったり、お兄様に乗馬用品を贈り物したり、宮で働く者達への褒美として使っている。
「(今の一連が終わったら青雲に聞いてみよう。)」
静お姉様が倒れた次の日から青雲がいそいそしていた。どうしたのかと尋ねると「なんでもありません!」と言っていた。その時は気に留めていなかった。
「次は衣装ですね!これがよろしいかと!」
出してきた衣装は水色で海棠の花が刺繍されていて、薄い生地が何重にも重ねられているた。
「こ、これって天女の衣?!」
松陽国伝統の織り方だ。この技術を使える職人は龍驤国にはいない。
「え、そ、そうです!これも松陽国の使者から頂いたのです!」
青雲は戸惑う私をよそに着付けていく。
「さ、できましたよ!」
鏡の前に立たされ、まじまじと見る。
「(自分じゃないみたい)」
派手に着飾っている姿。
「お、お気に召しませんでしたか?」
「う、ううん!自分じゃない見たいで‥‥」
今、ここに立っているのはどこからどう見ても妃。でも
「お、優妃綺麗ね!」
「え?!賢貴妃様!?」
いつの間にか来ていたようだ。挨拶をしようと膝をつこうとしたが「挨拶はいらないわよ!さっき会ったばっかりじゃない」と言って近くの椅子に座る。
「いやー、用意が終わって暇して来ちゃったわ!まったく朱貴妃も無茶苦茶よ!着飾りなさいなんて!衣装は重いし髪の毛は色々つけられるし!動きずらいったらありゃしない!」
「私より上だから逆らえないけど!」と付け加える。
「あ、あの賢貴妃様!」
「ん?」
「私、こんなに着飾っていいのでしょうか?私はそのまだ夜伽をしていないです!正式的な側室ではないのに!なのに…」
「優妃」
賢貴妃様は私の肩に手を置く。
「気にしないの!夜伽してないってちゃんと理由があるでしょ?それを誰かに言われた?」
「いいえ」
「でしょ?ならいいのよ!もし、認めてなかったら朱貴妃が貴方に声なんてかけないし。それに盗‥原石なんて渡さないわよ?」
「そう、でしょうか?」
「絶対にね!あの高嶺の花と呼ばれる朱貴妃をあんなに‥‥」
「私がなにかしら?」
「げっ!」
「朱貴妃様!」
朱貴妃様は賢貴妃様の隣に立ちまじまじと私を見ると「悪くないわね」と呟き賢貴妃様に向き合った。
「まぁ、見ためは貴妃ね。」
「見ためはって!失礼な!」
賢貴妃様の主張を無視しながら
「いい?貴方は妃なのよ。堂々としてなさい。もっと着飾ってもいいくらいよ。」
「は、はい!」
「ふん。それでいいわ。貴方は貴方らしくしていなさいな。さ、行くわよ」
そういうと部屋を出て行く。
「まったく、なんというか彼女も自由人よね。」
やれやれとした賢貴妃様を見て思わず笑った。
賢貴妃様付きの侍女に自分の宮まで送ってもらい、朱貴妃様の命令を遂行しているのだがあまり着飾る事をしないのでいまいちわからない。
「優妃様、私にお任せくださいな。」
侍女である青雲は腕まくりをすると髪の毛をゆいはじめる。
「桃色の髪が映えるようにしましょう。」
「う、うん。」
髪の毛を全て上げるのは宮中に上がった時以来だ。いつもは後ろに髪を垂らし、乱れても自分ですぐ直せる髪型にしている。
「(あれ?)」
青雲がつけようとしているの白色の花に真珠がついた簪。派手な作りではないが高級品であることはすぐにわかる。
「こんな髪飾りあった?」
「え、えぇ。こないだ、宮廷にやってきた松陽国の従者が是非、優妃様にと。」
「…そっか?」
松陽国といえば、生地の名産地だが。
「(内陸なのにどうして真珠を?)」
内陸の国は真珠は高価で、この国でも高く取引される。そんな真珠の髪飾りを妃に渡すだろうか?
「(お父様に松陽国のご友人でもいたかしら?)」
外交を任されている。ならば、松陽国に友人や知人がいてもおかしくない。
「(んー、今度聞いてみましょう。)」
それから見覚えの無い髪飾りを次々につけられていく。青い水晶でできた小さな花飾りと真珠を交互につけられていく。
「(これも、きっとお父様のご友人からよね?!)」
お礼の手紙を書かなければならない。
「優妃様!次はお化粧ですね!」
「え、えぇ!」
化粧品を山のように出してくる青雲。しかし
「これって、珊瑚の頬紅じゃあ‥‥」
化粧品に疎い私でもこれはしっている。東珠国の名産品。海に囲まれた国で真珠もよくとれる国だ。真珠が主な名産品だが東珠国の皇后様がほかの誰よりも美しくなければ気がすまないと言って開発されたのが珊瑚の頬紅だ。真珠の粉末を練りこまれている。宮廷でも使っているのは皇貴妃様、朱貴妃様ぐらいだ。
「え、えぇ!これはその私からですよ!」
「青雲から?」
「は、はい!こ 私の祖父が化粧品を作っておりまして!それで優妃様に使いたいといったら、分けて下さったのです!」
驚いた。青雲の実家が化粧品作りに携わっているなんて。
「ですから、お気にせずお使い下さい!」
「う、うん。」
青雲は私の顔に白粉や頬紅、口紅をつけていく。白粉の香りは薔薇の匂いがした。
「(薔薇の白粉は一級品とされてるし‥‥)」
なぜ、こんなに高価なものが私の宮にあるのか。
「(いままで頂いた家禄は宝飾品や衣装に、殆ど回してないのに!)」
皇后様が倹約家のため余った家禄や生地は嬪の位までの者に渡される。そのため、新しい衣装を作るとき銀子がかからない。宝飾品もたまに商人から買う程度。そのため、家禄は余る。余った分はお母様に送ったり、お兄様に乗馬用品を贈り物したり、宮で働く者達への褒美として使っている。
「(今の一連が終わったら青雲に聞いてみよう。)」
静お姉様が倒れた次の日から青雲がいそいそしていた。どうしたのかと尋ねると「なんでもありません!」と言っていた。その時は気に留めていなかった。
「次は衣装ですね!これがよろしいかと!」
出してきた衣装は水色で海棠の花が刺繍されていて、薄い生地が何重にも重ねられているた。
「こ、これって天女の衣?!」
松陽国伝統の織り方だ。この技術を使える職人は龍驤国にはいない。
「え、そ、そうです!これも松陽国の使者から頂いたのです!」
青雲は戸惑う私をよそに着付けていく。
「さ、できましたよ!」
鏡の前に立たされ、まじまじと見る。
「(自分じゃないみたい)」
派手に着飾っている姿。
「お、お気に召しませんでしたか?」
「う、ううん!自分じゃない見たいで‥‥」
今、ここに立っているのはどこからどう見ても妃。でも
「お、優妃綺麗ね!」
「え?!賢貴妃様!?」
いつの間にか来ていたようだ。挨拶をしようと膝をつこうとしたが「挨拶はいらないわよ!さっき会ったばっかりじゃない」と言って近くの椅子に座る。
「いやー、用意が終わって暇して来ちゃったわ!まったく朱貴妃も無茶苦茶よ!着飾りなさいなんて!衣装は重いし髪の毛は色々つけられるし!動きずらいったらありゃしない!」
「私より上だから逆らえないけど!」と付け加える。
「あ、あの賢貴妃様!」
「ん?」
「私、こんなに着飾っていいのでしょうか?私はそのまだ夜伽をしていないです!正式的な側室ではないのに!なのに…」
「優妃」
賢貴妃様は私の肩に手を置く。
「気にしないの!夜伽してないってちゃんと理由があるでしょ?それを誰かに言われた?」
「いいえ」
「でしょ?ならいいのよ!もし、認めてなかったら朱貴妃が貴方に声なんてかけないし。それに盗‥原石なんて渡さないわよ?」
「そう、でしょうか?」
「絶対にね!あの高嶺の花と呼ばれる朱貴妃をあんなに‥‥」
「私がなにかしら?」
「げっ!」
「朱貴妃様!」
朱貴妃様は賢貴妃様の隣に立ちまじまじと私を見ると「悪くないわね」と呟き賢貴妃様に向き合った。
「まぁ、見ためは貴妃ね。」
「見ためはって!失礼な!」
賢貴妃様の主張を無視しながら
「いい?貴方は妃なのよ。堂々としてなさい。もっと着飾ってもいいくらいよ。」
「は、はい!」
「ふん。それでいいわ。貴方は貴方らしくしていなさいな。さ、行くわよ」
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やれやれとした賢貴妃様を見て思わず笑った。
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