50 / 56
蘭
宮女達の記録
しおりを挟む
この話は優妃達が隠し通路に向かっている時まで遡る。
「おい。本当に大丈夫なんだよな?」
「‥えぇ。準備できているわ」
宮女と男が話している。
「約束通りこれを。」
女は袋を取り出し渡す。男は重さを確かめると笑みを浮かべ
「必ず、期待通りに」
男は立ち去った。
「‥‥必ず排除してみせる。」
宮女は空を見上げる。
「もう少しですよ。もう少しで」
宮女は一呼吸おき「内部から崩壊する」と呟きその場を去った。
「‥‥」
その様子を見ていた顔に火傷を負った宮女。火傷の痕が酷く、目が腫れている。
「おい、醜女。持ち場に戻れ。」
声をかけられたので醜女もその場を去った。
「あの宮女。よく宮廷に入れたわよね!」
影口を叩かれるのは慣れてしまった。
「ねぇ、あの醜女冷宮に配属されたそうよ」
「当たり前よね!あんなのがうろついてたら気味悪いもの。」
「(気にしない。気にしない。)」
私は冷宮に戻り、洗濯物を干す。ここは間違いを犯した妃嬪が集う場所。みな正気を失っている。
「キャハハ!今日は陛下と夜伽をするのよ!」
「私、子供を身籠ったの!」
はしゃぎながら走り回る女達。妃嬪だった面影はない。
「早く、早く遊びましょうよ!!なにする?
」
「鬼ごっこ!」
バタバタと走り回るせいか土煙が上がる。
「(哀れね)」
洗濯物を干し終わったので次は食事作り。傷んだ食材が多く作るのが大変だ。
「おい。醜女。早く茶を入れぬか」
そこには髪が乱れきっている女が雑草を手に持っていた。
「これで茶を入れろ!」
草を投げつけるとその場を立ち去る。
「‥はぁ」
狂った世界だ。それでもやっていける自分を褒めた。
「おい、醜女。お前に客だ。」
護衛にそう言われ出てみると宮女がいた。
「今日から配属になったらしい。面倒を見るようにな。」
護衛はその場を後にする。
「‥‥行きましょうか」
私は宮女を案内した。
同時刻、宮廷。
「これからは私達の時代よね!」
「本当に!やっと陛下の寵妃になったんだもの!」
遊女のような格好をしている妃嬪は品の無い笑い方をしながら歩く。
「いばり散らしていた皇貴妃も終わったわよね!」
「皇后も失脚したもの!あんな2人がいなくなって清々したわ!」
後ろを歩くのが嫌になる。いかに上に立つべき人では無いことがわかる。
「早く歩きなさいよ!宮女の分際で!」
「申し訳ありません。」
私は後ろにつく。
「ふん!それにしても陛下から翡翠の指輪を頂いたの。綺麗よね」
「えぇ。とても綺麗ですわ。」
「早く、嬪に上がらないかしら。」
「いずれは皇后になるわ!」と談笑をしながら歩く主人に、ため息をついた。
「おい。本当に大丈夫なんだよな?」
「‥えぇ。準備できているわ」
宮女と男が話している。
「約束通りこれを。」
女は袋を取り出し渡す。男は重さを確かめると笑みを浮かべ
「必ず、期待通りに」
男は立ち去った。
「‥‥必ず排除してみせる。」
宮女は空を見上げる。
「もう少しですよ。もう少しで」
宮女は一呼吸おき「内部から崩壊する」と呟きその場を去った。
「‥‥」
その様子を見ていた顔に火傷を負った宮女。火傷の痕が酷く、目が腫れている。
「おい、醜女。持ち場に戻れ。」
声をかけられたので醜女もその場を去った。
「あの宮女。よく宮廷に入れたわよね!」
影口を叩かれるのは慣れてしまった。
「ねぇ、あの醜女冷宮に配属されたそうよ」
「当たり前よね!あんなのがうろついてたら気味悪いもの。」
「(気にしない。気にしない。)」
私は冷宮に戻り、洗濯物を干す。ここは間違いを犯した妃嬪が集う場所。みな正気を失っている。
「キャハハ!今日は陛下と夜伽をするのよ!」
「私、子供を身籠ったの!」
はしゃぎながら走り回る女達。妃嬪だった面影はない。
「早く、早く遊びましょうよ!!なにする?
」
「鬼ごっこ!」
バタバタと走り回るせいか土煙が上がる。
「(哀れね)」
洗濯物を干し終わったので次は食事作り。傷んだ食材が多く作るのが大変だ。
「おい。醜女。早く茶を入れぬか」
そこには髪が乱れきっている女が雑草を手に持っていた。
「これで茶を入れろ!」
草を投げつけるとその場を立ち去る。
「‥はぁ」
狂った世界だ。それでもやっていける自分を褒めた。
「おい、醜女。お前に客だ。」
護衛にそう言われ出てみると宮女がいた。
「今日から配属になったらしい。面倒を見るようにな。」
護衛はその場を後にする。
「‥‥行きましょうか」
私は宮女を案内した。
同時刻、宮廷。
「これからは私達の時代よね!」
「本当に!やっと陛下の寵妃になったんだもの!」
遊女のような格好をしている妃嬪は品の無い笑い方をしながら歩く。
「いばり散らしていた皇貴妃も終わったわよね!」
「皇后も失脚したもの!あんな2人がいなくなって清々したわ!」
後ろを歩くのが嫌になる。いかに上に立つべき人では無いことがわかる。
「早く歩きなさいよ!宮女の分際で!」
「申し訳ありません。」
私は後ろにつく。
「ふん!それにしても陛下から翡翠の指輪を頂いたの。綺麗よね」
「えぇ。とても綺麗ですわ。」
「早く、嬪に上がらないかしら。」
「いずれは皇后になるわ!」と談笑をしながら歩く主人に、ため息をついた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる