皇后はじめました(笑)

ルナ

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宮女達の記録

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この話は優妃達が隠し通路に向かっている時まで遡る。





「おい。本当に大丈夫なんだよな?」
「‥えぇ。準備できているわ」
 宮女と男が話している。
「約束通りこれを。」
女は袋を取り出し渡す。男は重さを確かめると笑みを浮かべ
「必ず、期待通りに」
男は立ち去った。
「‥‥必ず排除してみせる。」
 宮女は空を見上げる。
「もう少しですよ。もう少しで」
宮女は一呼吸おき「内部から崩壊する」と呟きその場を去った。
「‥‥」
その様子を見ていた顔に火傷を負った宮女。火傷の痕が酷く、目が腫れている。
「おい、醜女。持ち場に戻れ。」
 声をかけられたので醜女もその場を去った。

「あの宮女。よく宮廷に入れたわよね!」
影口を叩かれるのは慣れてしまった。
「ねぇ、あの醜女冷宮に配属されたそうよ」
「当たり前よね!あんなのがうろついてたら気味悪いもの。」
「(気にしない。気にしない。)」
私は冷宮に戻り、洗濯物を干す。ここは間違いを犯した妃嬪が集う場所。みな正気を失っている。
「キャハハ!今日は陛下と夜伽をするのよ!」
「私、子供を身籠ったの!」
はしゃぎながら走り回る女達。妃嬪だった面影はない。
「早く、早く遊びましょうよ!!なにする?

「鬼ごっこ!」
バタバタと走り回るせいか土煙が上がる。
「(哀れね)」
洗濯物を干し終わったので次は食事作り。傷んだ食材が多く作るのが大変だ。
「おい。醜女。早く茶を入れぬか」
そこには髪が乱れきっている女が雑草を手に持っていた。
「これで茶を入れろ!」
草を投げつけるとその場を立ち去る。
「‥はぁ」
狂った世界だ。それでもやっていける自分を褒めた。
「おい、醜女。お前に客だ。」
護衛にそう言われ出てみると宮女がいた。
「今日から配属になったらしい。面倒を見るようにな。」
護衛はその場を後にする。
「‥‥行きましょうか」
私は宮女を案内した。



同時刻、宮廷。
「これからは私達の時代よね!」
「本当に!やっと陛下の寵妃になったんだもの!」
 遊女のような格好をしている妃嬪は品の無い笑い方をしながら歩く。
 「いばり散らしていた皇貴妃も終わったわよね!」
「皇后も失脚したもの!あんな2人がいなくなって清々したわ!」
 後ろを歩くのが嫌になる。いかに上に立つべき人では無いことがわかる。
「早く歩きなさいよ!宮女の分際で!」
「申し訳ありません。」
私は後ろにつく。 
 「ふん!それにしても陛下から翡翠の指輪を頂いたの。綺麗よね」 
「えぇ。とても綺麗ですわ。」
「早く、嬪に上がらないかしら。」
「いずれは皇后になるわ!」と談笑をしながら歩く主人に、ため息をついた。













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