51 / 56
蘭
容貴人の証言
しおりを挟む
馬車で容貴人の宮につく。
「うわ、汚い。」
宮は廃墟になっていた。
「遊女に宮などもったいない。小屋ですら惜しいわ」
「い、いや。それは言いすぎよ。」
朱貴妃は鼻を鳴らしながら入る。
「優妃。絶対に側を離れない事いいね?」
「は、はい!」
私は優妃の手を掴み入っていった。
「ひくっ、なんの用?!」
宮に入るなりお酒臭い。 優妃の鼻を袖で覆う。
「いい?優妃はまだ飲んじゃだめよ?!15から飲みなさい?!」
「わ、わかりました!」
教育上悪い光景だ。そんなのも見向きもせず朱貴妃は
「落ちぶれたな。まぁ、もともと落ちぶれているがな。」
「なんですってぇ?!」
朱貴妃に向かって酒瓶が投げられるが当たらず瓶は砕け散った。
「そなた、冷宮に行かないのは陛下のお情けであるのにそれを無下にするとは低脳であるな。」
朱貴妃、容赦ない。
「ふん。もう少しで私が皇后になっていたのよ!?」
無理だな。絶対に。
「ふん。お前がなれるのはせいぜい毒婦の親玉ぐらいであろう。」
容貴人はバンと机を叩き立つと朱貴妃に向かって怒鳴り付ける。
「ふん!貴妃のくせに子が成せない貴妃など役立たずよ!将軍の娘が妃なんてそれこそありえないわ!!国を傾ける害虫よ!」
害虫‥‥地味に傷つく。容貴人は優妃の存在に気がついたようで優妃を指差すと
「嬪の分際で妃並みの着飾ってるなんて図々しいわ!」
そう叫んで優妃から髪飾りを奪おうとしてきたので足を引っかける。ベシャっと音がしたが気にしない。優妃をみると震えていた。やっぱり連れてくるべきではなかったようだ。
「いっとくけどこの子、妃だから。貴方より上よ?」
朱貴妃は涼しい顔をしながら言う。
「夜伽もしてないでそんなわけないわ!どうやって取り入ったのよ!?こんな奴らが上位なんて!」
朱貴妃は優妃に「女狐」とぶつぶつ唱えはじめたので「お前が狐だろうが!」と叫ぼうとしたが
「と、取り入ってません!!私は、私は妃になったんです!これ以上2人を侮辱しないでください!」
優妃が珍しく声をあらげる。
「それに、しゅ、朱貴妃様は役立たずなんかじゃないです!!賢貴妃様は害虫なんかじゃない!貴方みたいな人が、ひ、人が皇后になんてなれっこない!」
「な、何いって」
「貴方みたいな人が上に立てるわけない!貴方こそ、あ、貴方こそ害虫よ!」
「(ゆ、優妃?!)」
優妃の口からでた暴言。きっと皇后様が聞いたら驚くだろう。
「ふ、よく言ったわ!」
朱貴妃は優妃の頭を撫でると
「貴方、奏貴妃と繋がってるみたいね!落ちるところまで落ちたわね。」
朱貴妃はうつ伏せになっている容貴人を見下しながら言った。
「な!」
容貴人の顔はみるみると青くなる。
「やはりね!落ちぶれた癖に葡萄酒を飲めるのだから!」
朱貴妃は机にあった瓶の中身を床にぶちまける。
「葡萄酒なんて中々手に入らない。」
朱貴妃は酒瓶を床に投げつけた。
「通路でも使ったのかしら?でなければ買えないでしょ?」
「な、なんのことか」
「あら?これはなにかしらね?」
そういって蝶がほられた指輪を投げつける。
「!」
「これ特注品でしょ?なんで通路に落ちてるのかしら?」
容貴人が入宮した時に見せびらかしていたものだ。私は特別だからと。
「な、なによ!私を陥れたいの?!」
「じ、自業自得です!」
尽かさず援護する優妃。
「その通りだ。其方が馬鹿をしなければこんな自体にならぬわ!それに、麝香のせいで子が成せないのだから今更、静妃を妬む必要があるか?」
あれ?以外に2人の息がぴったりだ。
「妬む?なんのことよ!?」
容貴人はからだを起こし、喚き散らした。
「わ、私は元々、陛下の寵愛を取り戻すために奏貴妃に近づいたわ!奏貴妃の実家はまだ潰れでいないからいい金づるになるとね!」
ここで容貴人の本性が現れた。
「だ、だから!私は奏貴妃に言われた通り花街にいける通路を通って男の相手をしてお金を巻き上げで、奏貴妃に渡したわ!皇貴妃のにすると約束してね!」
やはり、裏で繋がっていた。しかし静妃の件に関しては無関係ないいようだ。
「敗戦国の女が産む子など興味ないわよ!私は陛下から愛されればいいの!陛下に愛して欲しいだけなのよぉ!!!」
ここまでくるとただの狂人だ。
「ふん。そなたの言い分は聞き飽きたわ!お前など冷宮でさえもったいない!」
「わ、私は!私は!静妃の子の死に関与はしておらぬ!」
「戯言を申すか!」
朱貴妃が怒鳴りつけるが容貴人は気にせず続ける。
「静妃の子を殺めたのは私でわない!殺めたのは」
容貴人の言葉を最後まで聞く事は出来なかった。なぜなら、容貴人は口から血を吐いた。
「なっ‥…」
朱貴妃も想定外だったようだ。たじろいでいる。
「わ、わたしは死にたくないっ!」
踠き苦しむ容貴人。それに伴い血を吐く。
優妃に見せないよう目を手で覆う。
「こんなところで、お、終われない!」
ーお前は犬も同然だー
ー卑しい女の子など罰があたるわ!ー
ー見返してやる!すべて!頂点へ登りつめてやる!!全てを手に入れてやる!ー
ー陛下の寵愛を得るためにはなんだってしてやるの!ー
私は終われない。だって、まだ頂点に立っていないのだから。
「わ、わたしは」
容貴人はばたりと倒れた。朱貴妃が脈を確認すると首を振った。
「うわ、汚い。」
宮は廃墟になっていた。
「遊女に宮などもったいない。小屋ですら惜しいわ」
「い、いや。それは言いすぎよ。」
朱貴妃は鼻を鳴らしながら入る。
「優妃。絶対に側を離れない事いいね?」
「は、はい!」
私は優妃の手を掴み入っていった。
「ひくっ、なんの用?!」
宮に入るなりお酒臭い。 優妃の鼻を袖で覆う。
「いい?優妃はまだ飲んじゃだめよ?!15から飲みなさい?!」
「わ、わかりました!」
教育上悪い光景だ。そんなのも見向きもせず朱貴妃は
「落ちぶれたな。まぁ、もともと落ちぶれているがな。」
「なんですってぇ?!」
朱貴妃に向かって酒瓶が投げられるが当たらず瓶は砕け散った。
「そなた、冷宮に行かないのは陛下のお情けであるのにそれを無下にするとは低脳であるな。」
朱貴妃、容赦ない。
「ふん。もう少しで私が皇后になっていたのよ!?」
無理だな。絶対に。
「ふん。お前がなれるのはせいぜい毒婦の親玉ぐらいであろう。」
容貴人はバンと机を叩き立つと朱貴妃に向かって怒鳴り付ける。
「ふん!貴妃のくせに子が成せない貴妃など役立たずよ!将軍の娘が妃なんてそれこそありえないわ!!国を傾ける害虫よ!」
害虫‥‥地味に傷つく。容貴人は優妃の存在に気がついたようで優妃を指差すと
「嬪の分際で妃並みの着飾ってるなんて図々しいわ!」
そう叫んで優妃から髪飾りを奪おうとしてきたので足を引っかける。ベシャっと音がしたが気にしない。優妃をみると震えていた。やっぱり連れてくるべきではなかったようだ。
「いっとくけどこの子、妃だから。貴方より上よ?」
朱貴妃は涼しい顔をしながら言う。
「夜伽もしてないでそんなわけないわ!どうやって取り入ったのよ!?こんな奴らが上位なんて!」
朱貴妃は優妃に「女狐」とぶつぶつ唱えはじめたので「お前が狐だろうが!」と叫ぼうとしたが
「と、取り入ってません!!私は、私は妃になったんです!これ以上2人を侮辱しないでください!」
優妃が珍しく声をあらげる。
「それに、しゅ、朱貴妃様は役立たずなんかじゃないです!!賢貴妃様は害虫なんかじゃない!貴方みたいな人が、ひ、人が皇后になんてなれっこない!」
「な、何いって」
「貴方みたいな人が上に立てるわけない!貴方こそ、あ、貴方こそ害虫よ!」
「(ゆ、優妃?!)」
優妃の口からでた暴言。きっと皇后様が聞いたら驚くだろう。
「ふ、よく言ったわ!」
朱貴妃は優妃の頭を撫でると
「貴方、奏貴妃と繋がってるみたいね!落ちるところまで落ちたわね。」
朱貴妃はうつ伏せになっている容貴人を見下しながら言った。
「な!」
容貴人の顔はみるみると青くなる。
「やはりね!落ちぶれた癖に葡萄酒を飲めるのだから!」
朱貴妃は机にあった瓶の中身を床にぶちまける。
「葡萄酒なんて中々手に入らない。」
朱貴妃は酒瓶を床に投げつけた。
「通路でも使ったのかしら?でなければ買えないでしょ?」
「な、なんのことか」
「あら?これはなにかしらね?」
そういって蝶がほられた指輪を投げつける。
「!」
「これ特注品でしょ?なんで通路に落ちてるのかしら?」
容貴人が入宮した時に見せびらかしていたものだ。私は特別だからと。
「な、なによ!私を陥れたいの?!」
「じ、自業自得です!」
尽かさず援護する優妃。
「その通りだ。其方が馬鹿をしなければこんな自体にならぬわ!それに、麝香のせいで子が成せないのだから今更、静妃を妬む必要があるか?」
あれ?以外に2人の息がぴったりだ。
「妬む?なんのことよ!?」
容貴人はからだを起こし、喚き散らした。
「わ、私は元々、陛下の寵愛を取り戻すために奏貴妃に近づいたわ!奏貴妃の実家はまだ潰れでいないからいい金づるになるとね!」
ここで容貴人の本性が現れた。
「だ、だから!私は奏貴妃に言われた通り花街にいける通路を通って男の相手をしてお金を巻き上げで、奏貴妃に渡したわ!皇貴妃のにすると約束してね!」
やはり、裏で繋がっていた。しかし静妃の件に関しては無関係ないいようだ。
「敗戦国の女が産む子など興味ないわよ!私は陛下から愛されればいいの!陛下に愛して欲しいだけなのよぉ!!!」
ここまでくるとただの狂人だ。
「ふん。そなたの言い分は聞き飽きたわ!お前など冷宮でさえもったいない!」
「わ、私は!私は!静妃の子の死に関与はしておらぬ!」
「戯言を申すか!」
朱貴妃が怒鳴りつけるが容貴人は気にせず続ける。
「静妃の子を殺めたのは私でわない!殺めたのは」
容貴人の言葉を最後まで聞く事は出来なかった。なぜなら、容貴人は口から血を吐いた。
「なっ‥…」
朱貴妃も想定外だったようだ。たじろいでいる。
「わ、わたしは死にたくないっ!」
踠き苦しむ容貴人。それに伴い血を吐く。
優妃に見せないよう目を手で覆う。
「こんなところで、お、終われない!」
ーお前は犬も同然だー
ー卑しい女の子など罰があたるわ!ー
ー見返してやる!すべて!頂点へ登りつめてやる!!全てを手に入れてやる!ー
ー陛下の寵愛を得るためにはなんだってしてやるの!ー
私は終われない。だって、まだ頂点に立っていないのだから。
「わ、わたしは」
容貴人はばたりと倒れた。朱貴妃が脈を確認すると首を振った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる