皇后はじめました(笑)

ルナ

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容貴人の証言

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 馬車で容貴人の宮につく。
「うわ、汚い。」
宮は廃墟になっていた。
「遊女に宮などもったいない。小屋ですら惜しいわ」
「い、いや。それは言いすぎよ。」
 朱貴妃は鼻を鳴らしながら入る。
「優妃。絶対に側を離れない事いいね?」
「は、はい!」
私は優妃の手を掴み入っていった。

「ひくっ、なんの用?!」
宮に入るなりお酒臭い。 優妃の鼻を袖で覆う。
「いい?優妃はまだ飲んじゃだめよ?!15から飲みなさい?!」
「わ、わかりました!」
教育上悪い光景だ。そんなのも見向きもせず朱貴妃は
「落ちぶれたな。まぁ、もともと落ちぶれているがな。」
「なんですってぇ?!」
朱貴妃に向かって酒瓶が投げられるが当たらず瓶は砕け散った。
「そなた、冷宮に行かないのは陛下のお情けであるのにそれを無下にするとは低脳であるな。」
 朱貴妃、容赦ない。
「ふん。もう少しで私が皇后になっていたのよ!?」
無理だな。絶対に。
「ふん。お前がなれるのはせいぜい毒婦の親玉ぐらいであろう。」
容貴人はバンと机を叩き立つと朱貴妃に向かって怒鳴り付ける。
「ふん!貴妃のくせに子が成せない貴妃など役立たずよ!将軍の娘が妃なんてそれこそありえないわ!!国を傾ける害虫よ!」
 害虫‥‥地味に傷つく。容貴人は優妃の存在に気がついたようで優妃を指差すと
「嬪の分際で妃並みの着飾ってるなんて図々しいわ!」
そう叫んで優妃から髪飾りを奪おうとしてきたので足を引っかける。ベシャっと音がしたが気にしない。優妃をみると震えていた。やっぱり連れてくるべきではなかったようだ。
「いっとくけどこの子、妃だから。貴方より上よ?」
 朱貴妃は涼しい顔をしながら言う。
 「夜伽もしてないでそんなわけないわ!どうやって取り入ったのよ!?こんな奴らが上位なんて!」
 朱貴妃は優妃に「女狐」とぶつぶつ唱えはじめたので「お前が狐だろうが!」と叫ぼうとしたが
「と、取り入ってません!!私は、私は妃になったんです!これ以上2人を侮辱しないでください!」
優妃が珍しく声をあらげる。
 「それに、しゅ、朱貴妃様は役立たずなんかじゃないです!!賢貴妃様は害虫なんかじゃない!貴方みたいな人が、ひ、人が皇后になんてなれっこない!」
「な、何いって」
「貴方みたいな人が上に立てるわけない!貴方こそ、あ、貴方こそ害虫よ!」
「(ゆ、優妃?!)」
優妃の口からでた暴言。きっと皇后様が聞いたら驚くだろう。
「ふ、よく言ったわ!」
 朱貴妃は優妃の頭を撫でると
「貴方、奏貴妃と繋がってるみたいね!落ちるところまで落ちたわね。」
朱貴妃はうつ伏せになっている容貴人を見下しながら言った。
「な!」
容貴人の顔はみるみると青くなる。
「やはりね!落ちぶれた癖に葡萄酒を飲めるのだから!」
 朱貴妃は机にあった瓶の中身を床にぶちまける。
「葡萄酒なんて中々手に入らない。」 
朱貴妃は酒瓶を床に投げつけた。
「通路でも使ったのかしら?でなければ買えないでしょ?」
「な、なんのことか」
「あら?これはなにかしらね?」
そういって蝶がほられた指輪を投げつける。
「!」
「これ特注品でしょ?なんで通路に落ちてるのかしら?」
 容貴人が入宮した時に見せびらかしていたものだ。私は特別だからと。
「な、なによ!私を陥れたいの?!」
「じ、自業自得です!」
尽かさず援護する優妃。
「その通りだ。其方が馬鹿をしなければこんな自体にならぬわ!それに、麝香のせいで子が成せないのだから今更、静妃を妬む必要があるか?」
 あれ?以外に2人の息がぴったりだ。
「妬む?なんのことよ!?」
 容貴人はからだを起こし、喚き散らした。
「わ、私は元々、陛下の寵愛を取り戻すために奏貴妃に近づいたわ!奏貴妃の実家はまだ潰れでいないからいい金づるになるとね!」
 ここで容貴人の本性が現れた。
「だ、だから!私は奏貴妃に言われた通り花街にいける通路を通って男の相手をしてお金を巻き上げで、奏貴妃に渡したわ!皇貴妃のにすると約束してね!」 
  やはり、裏で繋がっていた。しかし静妃の件に関しては無関係ないいようだ。
「敗戦国の女が産む子など興味ないわよ!私は陛下から愛されればいいの!陛下に愛して欲しいだけなのよぉ!!!」
 ここまでくるとただの狂人だ。
「ふん。そなたの言い分は聞き飽きたわ!お前など冷宮でさえもったいない!」
「わ、私は!私は!静妃の子の死に関与はしておらぬ!」
「戯言を申すか!」
朱貴妃が怒鳴りつけるが容貴人は気にせず続ける。
「静妃の子を殺めたのは私でわない!殺めたのは」
  容貴人の言葉を最後まで聞く事は出来なかった。なぜなら、容貴人は口から血を吐いた。
「なっ‥…」
 朱貴妃も想定外だったようだ。たじろいでいる。 
「わ、わたしは死にたくないっ!」
踠き苦しむ容貴人。それに伴い血を吐く。
優妃に見せないよう目を手で覆う。
「こんなところで、お、終われない!」 



                ーお前は犬も同然だー

   ー卑しい女の子など罰があたるわ!ー

ー見返してやる!すべて!頂点へ登りつめてやる!!全てを手に入れてやる!ー

ー陛下の寵愛を得るためにはなんだってしてやるの!ー

 私は終われない。だって、まだ頂点に立っていないのだから。
「わ、わたしは」
 容貴人はばたりと倒れた。朱貴妃が脈を確認すると首を振った。




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