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第二章 闘技大会編
2日目3日目ハイライト
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予選を終えた日、最期に8名によるトーナメントの抽選が行われた。メリーとは決勝で当たる事になった。
明日4戦を行い4人が勝ち上がる。そしてその次の日に2戦行い2名が勝ち上がる。そして最終日に決勝戦が行われる。勝ち上がった一名が魔王討伐メンバー候補として名を連ねるわけだ。
とは言え、近接部門は勇者の俺が出ているわけだから、決勝に上がったやつ。もしくは俺が初戦敗退して優勝したやつって感じか。
まあ負ける気はさらさらないがな。
二日目、俺の相手は盗賊風の男だった。がりっがりに痩せた体に、手に持ったナイフをアイスクリームかのように舐めている。
確かに滑らかな鉄の感触って触ってて気持ちいいよな。舐めたいとは思わないが・・・。
「なぁ・・・そのナイフっておいしいのか?」
「ああ!ウマイぜぇ~!それにこの鉄の感触がたまらん!!」
「さいですか・・・」
唾液でベタベタのナイフを攻撃で当てられるの嫌だし、打ち合うのも嫌だった。
「それじゃあ勇者様よ!いくぜぇ!!」
そう言うや否や、舐めていたナイフを投擲する。
顔に向かって飛んでくるナイフを大げさに避ける。汚ねぇ!
「まだまだ!いくぜぇ~!」
数十本の唾液付きナイフがあらゆる角度で飛んでくる。汚ねぇ!
フードを脱ぎ捨て、盾にしナイフを吹き飛ばす。
「ヒッヒッヒッヒ!こいつはどうかなー!」
頭上から唾液付きのナイフがさらに降ってくる。なんで全部唾液ついてんの!?汚ねぇ!
さっさと勝負をつけるために、降ってくるナイフを避けつつ距離を詰め、剣を横薙ぎに振る。
しかし男はすれすれで体を逸らして避けつつ、俺の大剣をなめる。汚ねぇ!
「舐めるな!!」「いい味だヒッヒ」
一刻も早くこいつを倒さないと、俺の大剣も唾液でヌメヌメになる。
横薙ぎにした勢いそのまま蹴りを放ち、相手の体勢を崩すを即座に剣の側面を上段から振り下ろす。
ガァン!と言う音が響き、男の顔に直撃し、そのまま男は気を失い倒れる。
上から振り下ろしたのに、顔に当たるという事は・・・。
俺の大剣には少し粘り気のある液体が滴っていた。
汚ねぇ・・・。
メリーは居合の達人との戦いで苦戦を強いられていた。
間合に入るや否や、目に留まらぬ速度で放たれる剣線。攻めあぐねるメリーと完全に待ちに入っている相手。
完全な膠着状態で、メリーが勝負に出る。メリーも剣を納め、居合の構えをとる。
じりじりと間合いを詰め、両者必殺の間合になった瞬間。両者が動く。
抜きの速さはわずかに対戦相手。このままだとメリーの首が先に飛ぶだろう。
しかし、負けを悟ったメリーは即座に体を前に倒し、刀は髪をわずかり切り裂き、メリーはそのまま前傾姿勢のまま、居合抜きを下から上に切り上げる様に放つ。
ザンッと相手の鎖骨あたりをきれいに切り裂き、メリーは残心し、納刀した。
対戦相手のの男は笑みを浮かべ、見事。と言い放ち地面に伏した。
とてもいい試合だった。どちらが勝ってもおかしくない、実力伯仲の戦いであった。
三日目。準決勝の相手は、黒光りした体のマッチョだった。身長は2mほどあり、胴回りは俺の二回りはデカい禿の男だった。
ナックルガードを付けていることから、多分拳闘士だろう。超接近戦に大剣は向かない。なので相性はかなり悪いだろう。
「ウフフ。勇者様とヤリ会える日を楽しみにしてたわ。今日は存分に語り合いましょう!!」
オカマだった。なんで俺の相手は色物ばっかなの?
「どう?勇者様。お互い拳で愛を語り合うというのは?」
煽情的なポーズ(サイドチェスト)でそう提案するマッチョ。
「いいだろう。愛を語り合う気はないが、拳で戦うのも嫌いじゃない」
大剣を外し、舞台外に置く。拳にバンテージを巻き、シュッシュと軽く拳を振るう。
「さぁ来い!!」
「イクわよー!!」
お互い超接近で足を止めての殴り合いが始まる。
レバーを殴られ、フックで顔面を殴り、アッパーで顎を揺さぶられ、お返しに鳩尾に拳を叩きこむ。
しばし、殴り、殴られ、鈍い音が会場に響く。しかし、明らかに体格が劣る俺が次第に押していく。
不屈。精神力が俺の力を底上げする。俺ができると思い込んだことは絶対できる。それは例え俺の体が機能停止したとしてもだ。
「っ!?」
「うおおおぉぉぉ!」
とどめと言わんばかりにラッシュを叩きこむ。
ドドドドドッと拳が肉を打つ音響き、とどめにアッパーを飛び上がりつつ顎に放つ。
グラリと男は傾き、地面に倒れ・・・
るときに俺の体を抱き寄せ。二人同時に倒れる。
そのまま足を絡められ、頬にキスをされまくる。
「ん~好き好き!勇者ちゃんいいわ~私とこのままもう一ラウンドっちゃう?」
「や・・・やめ・・・俺はノンケだー!レフェリー!」
疲れた体では、がっちりホールドされた拘束を解くことが出来ず。しばしその場でジタバタするのだった。
なお観戦席から差すような殺気をいくつか感じ、軽く死を感じた一戦になってしまった・・・。
メリーの対戦相手は、短剣二振りを自在に操る小柄な女性だった。
奇しくもスピードに重きを置いた二人の対戦となった。
太刀と小太刀の二刀流で手数の多いメリーと、小ぶりなタガーで敵を翻弄するトリッキーな動きをする対戦相手。
メリーあらゆる角度からの攻撃に対応はできるものの、どうしても一撃が入れられない。敵の動きが早すぎて、攻撃を防いでも、反撃するころにはそこにはいないのだ。
ジリ貧になり、少しづつ削られ、体から血が滴っていく。そんな最中、メリーは突如目を閉じる。
勝負を捨てたか!と叫びメリーの首に向かってタガーと振るう。
しかしそのタガーは、すれすれで届かなかった。メリーが柄で相手の鳩尾を殴打したからだ。
そして目を開き、そのまま返す刀で敵の体を袈裟斬り、決着がついた。
憶測だが、彼女は視界を閉じ、聴覚に集中した。なぜなら相手が攻撃を行うときだけ、力強く踏み込んでいたからだ。見ただけではわからないが、音ならば確実に違いが出る。それにカウンターを合わせる為だけに、無防備に首をさらしたのだろう。
これで決勝戦は俺とメリーの対戦になったわけだ。相手にとって不足はなし・・・。ってわけでもないな。まだまだ未熟だし、彼女はもっと強くなるだろう。今は自分の身を削って、何とかここまで来たという所だろう。
メリーは余裕が全くない。前の試合で限界が見えたと思ったが、この試合でさらに限界を超えた。末恐ろしい才能である。
願わくば俺を踏み台にして、さらなる高みに至ってほしいものだ。
まあ易々とはさせないが。
明日4戦を行い4人が勝ち上がる。そしてその次の日に2戦行い2名が勝ち上がる。そして最終日に決勝戦が行われる。勝ち上がった一名が魔王討伐メンバー候補として名を連ねるわけだ。
とは言え、近接部門は勇者の俺が出ているわけだから、決勝に上がったやつ。もしくは俺が初戦敗退して優勝したやつって感じか。
まあ負ける気はさらさらないがな。
二日目、俺の相手は盗賊風の男だった。がりっがりに痩せた体に、手に持ったナイフをアイスクリームかのように舐めている。
確かに滑らかな鉄の感触って触ってて気持ちいいよな。舐めたいとは思わないが・・・。
「なぁ・・・そのナイフっておいしいのか?」
「ああ!ウマイぜぇ~!それにこの鉄の感触がたまらん!!」
「さいですか・・・」
唾液でベタベタのナイフを攻撃で当てられるの嫌だし、打ち合うのも嫌だった。
「それじゃあ勇者様よ!いくぜぇ!!」
そう言うや否や、舐めていたナイフを投擲する。
顔に向かって飛んでくるナイフを大げさに避ける。汚ねぇ!
「まだまだ!いくぜぇ~!」
数十本の唾液付きナイフがあらゆる角度で飛んでくる。汚ねぇ!
フードを脱ぎ捨て、盾にしナイフを吹き飛ばす。
「ヒッヒッヒッヒ!こいつはどうかなー!」
頭上から唾液付きのナイフがさらに降ってくる。なんで全部唾液ついてんの!?汚ねぇ!
さっさと勝負をつけるために、降ってくるナイフを避けつつ距離を詰め、剣を横薙ぎに振る。
しかし男はすれすれで体を逸らして避けつつ、俺の大剣をなめる。汚ねぇ!
「舐めるな!!」「いい味だヒッヒ」
一刻も早くこいつを倒さないと、俺の大剣も唾液でヌメヌメになる。
横薙ぎにした勢いそのまま蹴りを放ち、相手の体勢を崩すを即座に剣の側面を上段から振り下ろす。
ガァン!と言う音が響き、男の顔に直撃し、そのまま男は気を失い倒れる。
上から振り下ろしたのに、顔に当たるという事は・・・。
俺の大剣には少し粘り気のある液体が滴っていた。
汚ねぇ・・・。
メリーは居合の達人との戦いで苦戦を強いられていた。
間合に入るや否や、目に留まらぬ速度で放たれる剣線。攻めあぐねるメリーと完全に待ちに入っている相手。
完全な膠着状態で、メリーが勝負に出る。メリーも剣を納め、居合の構えをとる。
じりじりと間合いを詰め、両者必殺の間合になった瞬間。両者が動く。
抜きの速さはわずかに対戦相手。このままだとメリーの首が先に飛ぶだろう。
しかし、負けを悟ったメリーは即座に体を前に倒し、刀は髪をわずかり切り裂き、メリーはそのまま前傾姿勢のまま、居合抜きを下から上に切り上げる様に放つ。
ザンッと相手の鎖骨あたりをきれいに切り裂き、メリーは残心し、納刀した。
対戦相手のの男は笑みを浮かべ、見事。と言い放ち地面に伏した。
とてもいい試合だった。どちらが勝ってもおかしくない、実力伯仲の戦いであった。
三日目。準決勝の相手は、黒光りした体のマッチョだった。身長は2mほどあり、胴回りは俺の二回りはデカい禿の男だった。
ナックルガードを付けていることから、多分拳闘士だろう。超接近戦に大剣は向かない。なので相性はかなり悪いだろう。
「ウフフ。勇者様とヤリ会える日を楽しみにしてたわ。今日は存分に語り合いましょう!!」
オカマだった。なんで俺の相手は色物ばっかなの?
「どう?勇者様。お互い拳で愛を語り合うというのは?」
煽情的なポーズ(サイドチェスト)でそう提案するマッチョ。
「いいだろう。愛を語り合う気はないが、拳で戦うのも嫌いじゃない」
大剣を外し、舞台外に置く。拳にバンテージを巻き、シュッシュと軽く拳を振るう。
「さぁ来い!!」
「イクわよー!!」
お互い超接近で足を止めての殴り合いが始まる。
レバーを殴られ、フックで顔面を殴り、アッパーで顎を揺さぶられ、お返しに鳩尾に拳を叩きこむ。
しばし、殴り、殴られ、鈍い音が会場に響く。しかし、明らかに体格が劣る俺が次第に押していく。
不屈。精神力が俺の力を底上げする。俺ができると思い込んだことは絶対できる。それは例え俺の体が機能停止したとしてもだ。
「っ!?」
「うおおおぉぉぉ!」
とどめと言わんばかりにラッシュを叩きこむ。
ドドドドドッと拳が肉を打つ音響き、とどめにアッパーを飛び上がりつつ顎に放つ。
グラリと男は傾き、地面に倒れ・・・
るときに俺の体を抱き寄せ。二人同時に倒れる。
そのまま足を絡められ、頬にキスをされまくる。
「ん~好き好き!勇者ちゃんいいわ~私とこのままもう一ラウンドっちゃう?」
「や・・・やめ・・・俺はノンケだー!レフェリー!」
疲れた体では、がっちりホールドされた拘束を解くことが出来ず。しばしその場でジタバタするのだった。
なお観戦席から差すような殺気をいくつか感じ、軽く死を感じた一戦になってしまった・・・。
メリーの対戦相手は、短剣二振りを自在に操る小柄な女性だった。
奇しくもスピードに重きを置いた二人の対戦となった。
太刀と小太刀の二刀流で手数の多いメリーと、小ぶりなタガーで敵を翻弄するトリッキーな動きをする対戦相手。
メリーあらゆる角度からの攻撃に対応はできるものの、どうしても一撃が入れられない。敵の動きが早すぎて、攻撃を防いでも、反撃するころにはそこにはいないのだ。
ジリ貧になり、少しづつ削られ、体から血が滴っていく。そんな最中、メリーは突如目を閉じる。
勝負を捨てたか!と叫びメリーの首に向かってタガーと振るう。
しかしそのタガーは、すれすれで届かなかった。メリーが柄で相手の鳩尾を殴打したからだ。
そして目を開き、そのまま返す刀で敵の体を袈裟斬り、決着がついた。
憶測だが、彼女は視界を閉じ、聴覚に集中した。なぜなら相手が攻撃を行うときだけ、力強く踏み込んでいたからだ。見ただけではわからないが、音ならば確実に違いが出る。それにカウンターを合わせる為だけに、無防備に首をさらしたのだろう。
これで決勝戦は俺とメリーの対戦になったわけだ。相手にとって不足はなし・・・。ってわけでもないな。まだまだ未熟だし、彼女はもっと強くなるだろう。今は自分の身を削って、何とかここまで来たという所だろう。
メリーは余裕が全くない。前の試合で限界が見えたと思ったが、この試合でさらに限界を超えた。末恐ろしい才能である。
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