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アイテムボックスで魔王城蹂躙偏
消え失せた魔王城
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ゼロは仰向けに地面に倒れていた。他の魔族も同様に地に伏せる。死んではいない。だが、声が上がらない。魔王ゼロが負けたという事実が理解出来ていないから。
突然、世界から魔力がなくなったら?
突然、重力の向きが変わったら?
突然、天と地がひっくり返ったら?
突然、物理法則がなくなったら?
突然、地上から空気がなくなったら?
突然、太陽がなくなったら?
突然、『魔王ゼロが勝つ』という当たり前の常識が常識じゃなくなったら?
反応も理解も出来ない。すぐには呑み込めない。それが普通の反応。その反応しか出来ない。ゼロが反応も反撃も出来ずに魔王城を消されるという異常事態が起こる。
魔族達が混乱する中、ゼロが一番早く状況を理解し、反応する。
「何!? もう一体が消えただと……。いや、それより逃すか!」
ゼロが反応した時にはもう一体の赤い生物が消えていた。そして、残った方が飛んで来た方へ超高速で帰っていく。ゼロが咄嗟に拘束魔法を掛けるが弾かれる。
「なんだ? 今のは……」
ゼロは飛行魔法で空を飛び、赤い生物を追う。移動速度はゼロの方が早いようだが、少しでも距離を縮めようとゼロは空間圧縮能力を赤い生物目掛けて使う。
-が、弾かれる弾かれる。
「く、これもダメか。なら!」
ゼロはこの世界の時間を止めようと能力を使う。が、これも弾かれる。
「『物質消滅・光超速度』」
『物質』は『原子』と『電子』の集合体である。物質の核となっているのは原子。その原子を壊したら物質は物質でなくなる。残るのは原子の残骸と電子のみになり、物質は崩壊する。
ゼロの右手に黒い霧のようなものが集まる。この霧のようなものは『原子を破壊する』ゼロの生成したもの。それをゼロさえ回避不可能な速度で、『目の前の』赤い生物の黒い靄の部分に向かって射出する。
アイテム? 生物? エネルギー?
アイテムボックスは『物』であり『固体』と認識出来るもの以外は収納できない。よって--。
ゼロは肉体を構築する物質が消滅し、ゼロは死ぬ。
「あれも弾かれたか……」
ゼロは魔王城のあった場所へ生き還る。魔族達は未だ戸惑い、ゼロの近くにいたルビがゼロに声をかけた。
「あ、あのー。ま、魔王様……」
「アハ、ハハハハハハ。いやー、負けた負けた。意味わかんねー。アハハハハ」
「魔王様!? ま、負けたんですか?」
「ハハハ。……ああ、負けた。この世界に来てから初めての経験だ。次、逢う時はセカンドまで外してもいいかな。……あぁ、初めてだな。能力解放しないと勝てそうに無い相手と出逢うのは。ハハ、楽しみだ」
ゼロは明るく笑い、ルビは困惑する。
「ん、ああ、そうだった。城、創り直すか。んー、今回はそうだな……。対空防御が薄かったのが原因だったから……うん、こうしよう」
ゼロはそう言い、片手を挙げる。
「『コードフィフスオフ・ザ・クリエイトフォートレス』」
目の前に近代的な『要塞』が現れた。ゼロは振り返りみんなに告げる。
「みんな、ここが新しい家だ」
突然、世界から魔力がなくなったら?
突然、重力の向きが変わったら?
突然、天と地がひっくり返ったら?
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突然、地上から空気がなくなったら?
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反応も理解も出来ない。すぐには呑み込めない。それが普通の反応。その反応しか出来ない。ゼロが反応も反撃も出来ずに魔王城を消されるという異常事態が起こる。
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「何!? もう一体が消えただと……。いや、それより逃すか!」
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「なんだ? 今のは……」
ゼロは飛行魔法で空を飛び、赤い生物を追う。移動速度はゼロの方が早いようだが、少しでも距離を縮めようとゼロは空間圧縮能力を赤い生物目掛けて使う。
-が、弾かれる弾かれる。
「く、これもダメか。なら!」
ゼロはこの世界の時間を止めようと能力を使う。が、これも弾かれる。
「『物質消滅・光超速度』」
『物質』は『原子』と『電子』の集合体である。物質の核となっているのは原子。その原子を壊したら物質は物質でなくなる。残るのは原子の残骸と電子のみになり、物質は崩壊する。
ゼロの右手に黒い霧のようなものが集まる。この霧のようなものは『原子を破壊する』ゼロの生成したもの。それをゼロさえ回避不可能な速度で、『目の前の』赤い生物の黒い靄の部分に向かって射出する。
アイテム? 生物? エネルギー?
アイテムボックスは『物』であり『固体』と認識出来るもの以外は収納できない。よって--。
ゼロは肉体を構築する物質が消滅し、ゼロは死ぬ。
「あれも弾かれたか……」
ゼロは魔王城のあった場所へ生き還る。魔族達は未だ戸惑い、ゼロの近くにいたルビがゼロに声をかけた。
「あ、あのー。ま、魔王様……」
「アハ、ハハハハハハ。いやー、負けた負けた。意味わかんねー。アハハハハ」
「魔王様!? ま、負けたんですか?」
「ハハハ。……ああ、負けた。この世界に来てから初めての経験だ。次、逢う時はセカンドまで外してもいいかな。……あぁ、初めてだな。能力解放しないと勝てそうに無い相手と出逢うのは。ハハ、楽しみだ」
ゼロは明るく笑い、ルビは困惑する。
「ん、ああ、そうだった。城、創り直すか。んー、今回はそうだな……。対空防御が薄かったのが原因だったから……うん、こうしよう」
ゼロはそう言い、片手を挙げる。
「『コードフィフスオフ・ザ・クリエイトフォートレス』」
目の前に近代的な『要塞』が現れた。ゼロは振り返りみんなに告げる。
「みんな、ここが新しい家だ」
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