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お別れ
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ばーちゃんが逝った。
倒れて病院に運ばれたあの日から、10年後のことだった。
最後の方は苦笑してた。
「もうそろそろお迎えがきてもいい頃なのにねぇ。じーさんにはもうすぐ逝くって何年も言ってるのに、これじゃあ逝く逝く詐欺だよ」
って。
そんな詐欺なら、じーちゃんも許してくれると思う。
じーちゃんのことを思い出したせいか
「ヒカルも年寄りに遠慮してないでさっさと結婚しな」
なんて無茶振りをされたけど、
「僕はばーちゃん居なくても結婚しないし、ばーちゃん居なくなったら一人ぼっちになるだけだから長生きして」
って返したら、困ったような呆れたような顔をされた。
「育て方間違えたかねぇ」
肩を落とすばーちゃんに、
「そこは関係ないから気にしないで」
ってフォローしたら
「おまえは気にしな」
って小突かれた。
理不尽だ。
慰めたつもりだったのに。
うん。まぁそんなこともありつつ暮らしてたんだけど、とうとうばーちゃんは逝ってしまった。ある日眠って、そのまま起きてこなかった。
流石に10年あったから心の準備はできてたけど、やっぱり寂しい。ついばーちゃんを目で探しちゃうし、耳がばーちゃんの足音を待っている。
それに。
一人の食卓は結構堪える。
いつもなんだかんだ話しながら食べていたのに、今はシンと静かだ。
かといって今さらテレビを買う気にもなれないし、動画とかの音で誤魔化す気にもなれなくて、一人黙々とごはんを食べる。
倒れて病院に運ばれたあの日から、10年後のことだった。
最後の方は苦笑してた。
「もうそろそろお迎えがきてもいい頃なのにねぇ。じーさんにはもうすぐ逝くって何年も言ってるのに、これじゃあ逝く逝く詐欺だよ」
って。
そんな詐欺なら、じーちゃんも許してくれると思う。
じーちゃんのことを思い出したせいか
「ヒカルも年寄りに遠慮してないでさっさと結婚しな」
なんて無茶振りをされたけど、
「僕はばーちゃん居なくても結婚しないし、ばーちゃん居なくなったら一人ぼっちになるだけだから長生きして」
って返したら、困ったような呆れたような顔をされた。
「育て方間違えたかねぇ」
肩を落とすばーちゃんに、
「そこは関係ないから気にしないで」
ってフォローしたら
「おまえは気にしな」
って小突かれた。
理不尽だ。
慰めたつもりだったのに。
うん。まぁそんなこともありつつ暮らしてたんだけど、とうとうばーちゃんは逝ってしまった。ある日眠って、そのまま起きてこなかった。
流石に10年あったから心の準備はできてたけど、やっぱり寂しい。ついばーちゃんを目で探しちゃうし、耳がばーちゃんの足音を待っている。
それに。
一人の食卓は結構堪える。
いつもなんだかんだ話しながら食べていたのに、今はシンと静かだ。
かといって今さらテレビを買う気にもなれないし、動画とかの音で誤魔化す気にもなれなくて、一人黙々とごはんを食べる。
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