【完結】王子への罰として婚約させられました!

オリハルコン陸

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些細な問題

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それにしても王子の調教きょういくは順調だ。
最初に思った通り、王子はかなり素直な人だった。
飲み込みもそう悪くはない。
きちんと教育すれば、それなりにはなりそうだ。
ちょっと考えなしで、ちょっと大きな乳が好きすぎるけど、完璧な犬なんていない。


そんな訳で、予定しているカリキュラムは順調に半分くらいまで進んでいる。
けれど別の問題が出てきた。
いや、うん。問題って訳ではないかな。
でも……

王子に少し人気が出てきたのだ。
女性に、というより、むしろ貴族に。

今まで「アレはないな!」って言ってた家が、「コレなら縁つづきになってもいいかも?」って意見を変え始めてるみたいなのだ。


王子には兄弟姉妹が何人もいる。
だから今まではそっちを狙っていたけれど、当然普通に倍率が高い。
だから今の王子ならギリ有りだから狙いを変更しようかな、って家が。
やっぱり王族と縁戚、っていうカードは大きいからね。

複数の家が、裏で動き始めてるらしい。
あんなふざけた理由で婚約破棄された元婚約者の侯爵家までが『誠意を見せるなら復縁してやらなくもない』的な感じなんだとか。

っていう情報をターニャが拾ってきた。

そうなると、子爵家のうちは分が悪いし、王子曰く貧乳・オブ・ザ・チャンピオンの私個人も分が悪い。
というかむしろお呼びじゃない。


…別にこの婚約がダメになったっていいけど。
うち程度じゃ、王族のコネなんてあっても使いこなせないから。
私個人も、身分違いは最初からわかっていたし『王子様(笑)』への憧れなんてのも無かったから別に立場への執着はないけれど。

…でも、折角調教した犬を手放すのは、ちょっと悲しい。
だいぶ頑張ったのに。
それに…王子のこと、クーの次くらいには気に入ってるのに…

…これも……領地に帰ればクーがいるから、別にいいけど………
頑張って調教した子を手放すのも、いつものことだし…

ただ…基本的に彼らは、最初から手放すつもりだったけれど…
王子は、ずっと一緒にいるつもりで育ててたから、ちょっとクるっていうか……



そんなことでモヤモヤしてたら、お茶のテーブルについた王子が、いつの間にか心配そうな目で私を見ていた。

…その目はやめて欲しい。
情が湧いてしまうから。
手放す時、悲しくなるじゃないか。


頭を振って気を取り直す。

「さあ王子。さっき不正解だったから、今日のおやつは私から選ばせてもらいますからね!」

虚勢をはってそう言うと、

「ああ、いくつでも好きなもの選んでいいから元気出せ」

とか格好いいこと言われた。

…王子の…癖にっ…

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