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【番外編・ハロルドとの恋愛エンディング】
03 どうしてこうなった?
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週に一度ハロルドに会うようになってから、さらにひと月がたった。
メアリーはソファーに座るハロルドの膝の上に座らされ、後ろから抱きしめられていた。
「メアリー……聞いてよ。あいつら、本当に腹立たしいんだ」
メアリーの肩の上にハロルドの綺麗な顔がのっている。さっきから、耳元で『慰めて』とでも言うような甘えた声がする。
(ど、どうしてこうなった!?)
ハロルドの機嫌を損なって殺されないように慎重に日々過ごしていたら、気がつけばこんなことになっていた。
「で、殿下? 少し落ち着いてくださ……」
メアリーを抱きしめる腕にぎゅっと力がこもる。
「私のことは、ハロルドと呼んで?」
「いえ、そんなっ、恐れ多い……」
耳元でハロルドのため息が聞こえる。
「メアリーのそういう所が大好きだけど、ときどきすごく、もどかしいよ」
ハロルドは、メアリーの肩にスリスリと頬ずりをする。
(ひ、ひぃい!?)
強制的にハロルドの婚約者にされてから、まだ三カ月しかたっていない。
腹黒ハロルドの妻なんて絶対に嫌なので、どうにか婚約破棄をしてもらおうと考えている間におかしなことになってしまっている。
(ハロルドのこの態度は何? 罠なの!?)
つい最近まで殺されそうになっていたのに、なぜかとても気に入られてしまっている。
(そういえば、ハロルドは怯えている私が良いって言っていたような? だったら、私が怯えなかったら、飽きて手放してくれるかも?)
嫌われて殺されたらシャレにならないので加減が難しいが、やってみるしかない。
(怖くない、怖くない……)
メアリーは深呼吸をすると、グッとお腹に力を入れた。
「殿下、お話づらいので、私は膝からおりますね」
震えずはっきりと口にすると、ハロルドは抱きしめていた腕を離してくれた。
(よし、良い感じ!)
メアリーが立ち上がり反対側のソファーに座ると、ハロルドは不機嫌そうな顔をする。
「メアリー」
「はい」
落ち着いて返事をすれば、声も震えない。
「私達の結婚式だけど、来年じゃ遅すぎるよね?」
(来年なの!? 早すぎる!)
のんびりしている時間はない。早急にハロルドに嫌われないと、地獄の結婚生活が待っている。
(どうする? どうやって嫌われる? あ、そうだ、殿下が嫌がることをすれば……)
メアリーは「どうして上手くいかないのかな?」とため息をついているハロルドに、ニッコリと微笑みかけた。
「殿下は、とてもお綺麗ですね」
今までの話を聞く限り、ハロルドは外見を褒められる事を嫌っている。そして、優秀なことを褒められると当たり前すぎてうんざりするらしい。
「殿下は、才能に満ち溢れています」
一瞬、ポカンと口を開けたハロルドは、自分の顔を隠すように左腕を上げた。隙間から見える耳や頬が赤くなっている。
(お、怒った?)
メアリーが内心ビクビクしていると、ハロルドに「急にどうして……」と聞かれた。
「思ったことを言っただけです」
「そう……」
それきりハロルドは黙り込んでしまう。相変わらず顔は赤いが怒っているようには見えない。もっと彼が嫌がることをしないといけないようだ。
メアリーは覚悟を決めてソファーから立ち上がり、ハロルドに近づいた。
ハロルドが一番嫌がること。それは許可なく身体に触れられること。そして、舐めた態度で見下されること。
(神様、仏様、どうか私をお救いください!)
メアリーはそっと腕を伸ばして、ハロルドの黒髪に触れた。
「ハロルド、いつも頑張って、えらいえらい」
まるで幼い子供を褒めるように頭をなでると、ハロルドは何も言わずにメアリーを見つめた。
(さ、さすがに、やりすぎた……?)
撫でていた左手首をハロルドにつかまれた。とっさにメアリーは「す、すみません!」と叫ぶと、ぐっと引っ張られ、気がつけばハロルドの腕の中に収まっていた。
(こ、殺される!)
ガタガタと震えていると、メアリーの耳元でハロルドの穏やかな声がした。
「メアリー」
「ひ、ひいぃ! すみません!」
「今日から王城で私と一緒に暮らそうね」
「はいぃ、何でもします許してくださ……え?」
「そうすれば、ずっとメアリーと一緒にいられる」
メアリーの顔のすぐ側で、少し頬を赤らめたハロルドが嬉しそうに微笑んでいた。
メアリーはソファーに座るハロルドの膝の上に座らされ、後ろから抱きしめられていた。
「メアリー……聞いてよ。あいつら、本当に腹立たしいんだ」
メアリーの肩の上にハロルドの綺麗な顔がのっている。さっきから、耳元で『慰めて』とでも言うような甘えた声がする。
(ど、どうしてこうなった!?)
ハロルドの機嫌を損なって殺されないように慎重に日々過ごしていたら、気がつけばこんなことになっていた。
「で、殿下? 少し落ち着いてくださ……」
メアリーを抱きしめる腕にぎゅっと力がこもる。
「私のことは、ハロルドと呼んで?」
「いえ、そんなっ、恐れ多い……」
耳元でハロルドのため息が聞こえる。
「メアリーのそういう所が大好きだけど、ときどきすごく、もどかしいよ」
ハロルドは、メアリーの肩にスリスリと頬ずりをする。
(ひ、ひぃい!?)
強制的にハロルドの婚約者にされてから、まだ三カ月しかたっていない。
腹黒ハロルドの妻なんて絶対に嫌なので、どうにか婚約破棄をしてもらおうと考えている間におかしなことになってしまっている。
(ハロルドのこの態度は何? 罠なの!?)
つい最近まで殺されそうになっていたのに、なぜかとても気に入られてしまっている。
(そういえば、ハロルドは怯えている私が良いって言っていたような? だったら、私が怯えなかったら、飽きて手放してくれるかも?)
嫌われて殺されたらシャレにならないので加減が難しいが、やってみるしかない。
(怖くない、怖くない……)
メアリーは深呼吸をすると、グッとお腹に力を入れた。
「殿下、お話づらいので、私は膝からおりますね」
震えずはっきりと口にすると、ハロルドは抱きしめていた腕を離してくれた。
(よし、良い感じ!)
メアリーが立ち上がり反対側のソファーに座ると、ハロルドは不機嫌そうな顔をする。
「メアリー」
「はい」
落ち着いて返事をすれば、声も震えない。
「私達の結婚式だけど、来年じゃ遅すぎるよね?」
(来年なの!? 早すぎる!)
のんびりしている時間はない。早急にハロルドに嫌われないと、地獄の結婚生活が待っている。
(どうする? どうやって嫌われる? あ、そうだ、殿下が嫌がることをすれば……)
メアリーは「どうして上手くいかないのかな?」とため息をついているハロルドに、ニッコリと微笑みかけた。
「殿下は、とてもお綺麗ですね」
今までの話を聞く限り、ハロルドは外見を褒められる事を嫌っている。そして、優秀なことを褒められると当たり前すぎてうんざりするらしい。
「殿下は、才能に満ち溢れています」
一瞬、ポカンと口を開けたハロルドは、自分の顔を隠すように左腕を上げた。隙間から見える耳や頬が赤くなっている。
(お、怒った?)
メアリーが内心ビクビクしていると、ハロルドに「急にどうして……」と聞かれた。
「思ったことを言っただけです」
「そう……」
それきりハロルドは黙り込んでしまう。相変わらず顔は赤いが怒っているようには見えない。もっと彼が嫌がることをしないといけないようだ。
メアリーは覚悟を決めてソファーから立ち上がり、ハロルドに近づいた。
ハロルドが一番嫌がること。それは許可なく身体に触れられること。そして、舐めた態度で見下されること。
(神様、仏様、どうか私をお救いください!)
メアリーはそっと腕を伸ばして、ハロルドの黒髪に触れた。
「ハロルド、いつも頑張って、えらいえらい」
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(さ、さすがに、やりすぎた……?)
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(こ、殺される!)
ガタガタと震えていると、メアリーの耳元でハロルドの穏やかな声がした。
「メアリー」
「ひ、ひいぃ! すみません!」
「今日から王城で私と一緒に暮らそうね」
「はいぃ、何でもします許してくださ……え?」
「そうすれば、ずっとメアリーと一緒にいられる」
メアリーの顔のすぐ側で、少し頬を赤らめたハロルドが嬉しそうに微笑んでいた。
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