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第二話 大切なもの
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国語の授業の音読中に突然倒れてしまい、気がついたら保健室のベッドで寝込んでいた私。怪我はなかったので教室に戻ることになったが、そこである行動を目撃してしまったのだ。
机が荒らされてしまったのだ。
大切に使っているノートやプリント類がぐちゃぐちゃになっているのをただ呆然として見ていた。まるで、ごみ収集に出されるゴミ袋のような有様だった。
涙が出ることはなかったが、焦りと悲しみが込み上げてきた。
「私、もしかしていじめられているのかな。」
「みんなとの接点がなかったのに、いじめに遭うわけがないのに。」
と、考え込んでいると混乱していてその場から一歩も踏み出せずにいた。
今、私は椅子に恐る恐る座って整理整頓をしていたところだった。私は、もう何も感情が出てこなくなった。一度にたくさんのことが起こってしまうからだ。
すると、私はあるものを見つけた。
それは亡き妹の写真だった。
粉々になってシワシワになっていた。
色もなぜか落ち始めている。
「え?何で?これがこんなことになってるの?」
私は何も言葉が出ないぐらい悲しかった。そして私は学校の屋上に逃げた。
大雨で水溜りが所々できている。コンクリートに打ちつける雨水の波紋が美しかった。その中で、私は粉々になった写真を持って、過去のことを思い出した。
思えばもう5年前だったかな。
私には二歳下の妹がいた。当時私は小学五年生で妹が三年生だった。
九月私はいつものように妹とお互いの友達と一緒に公園で鬼ごっこをして仲良く遊んでいた。まだ私は現在では消え失せているはずの笑顔が残ってた。すると私は地面に頭をぶつけるように倒れた。
「お姉ちゃん大丈夫?」
と、妹が呼びかけてくれたけどわたしは目が覚めなかった。
救急車で搬送された私は妹と両親に見つめられながら緊急治療室に入った。
とてもみんな心配していたらしい。
「お姉ちゃん大丈夫かな?」
「ああ、大丈夫だよ。必ず帰ってくるさ。」
「ええ、あの子はきっと帰ってくるわ。」
と三人は病院のベンチで数時間待ち続けていた。
私の緊急治療が終わり、担当医師が両親と妹に私の状態について話してくれたのだ。
話を聞いた一同は驚きが止まらなかった。
「ええ!入院ですか?そしてまだ意識が戻っていない!?」
「どうすれば治るんですか?」
担当医師はこう言った。
「心臓が弱っているので、ご家族の中から心臓の臓器移植の検診を受けていただかない限り不可能だと考えられます。」
この言葉に両親はさらに深刻になった。
病室で寝込んでいた私はそんな深刻な話になるとは思っていなかった。意識もないのにそんなことを考えてしまう。
夜になった。両親は心臓の臓器移植について話し合っていた。
「まさかこんなことになるなんて思ってなかった。呼吸器を外すという選択は、無理だろう。死ぬってことがわかってしまうから。」
お父さんは断固呼吸器を外すことを反対した。
「うんきっとあの子も思っているはず。」
とお母さんも賛成した。心臓移植することに。
「とりあえず、私とあなたが心臓の移植検診を受けるべきだわ。」
「でももし僕たちが合わなかったらどうするんだよ。」
「もうどうしたらいいかわからなくなってきた。」
と、困り果てていた。
なぜなら検診でヒットしたら、本人の意思のもとで受けるか受けないかを決めるのだが、もし1人しかヒットする居なかったら受けざる終えなくなり、その人が命を落としてしまうことになってしまうからだ。
その時妹はぐっすり寝ていたが、両親の相談している声が聞こえて、体がブルブルして眠れなかったと言う。
実は妹はあることを考えていた。
「ねぇ私も心臓移植の検診受けていい?」
妹は両親に言った。
「何であなたが受けるのよ。相当な覚悟がないと無理に決まってるじゃない。」
「死ぬかもしれないんだぞ。できるだけお前を死なせたくない。」
もちろん両親に賛成なんかするわけないと思ってたけど、想像を絶する猛反対を喰らった。
「そうだよね。変な事を言った私が馬鹿だったわ。今のことは忘れて。」
その日からしばらくが経った。
両親は私を救うために心臓移植の検診を受けることになった。
なぜ、この選択に至ったのかというと、呼吸器を外すということもできたが、私は幼い頃から心臓のことで何度も入院しているため、移植をして心臓のことで二度と入院したくないと考えていた。家族も頭を抱えなくて済むからだ。しかし、呼吸器の場合、その人が死んでしまうというとこがわかってしまう。心臓移植という選択になると、心臓移植する側と差し出す側の双方が命を落としてしまうリスクを頭の中に入れておくことを忘れないでほしい。
第三話に続く
机が荒らされてしまったのだ。
大切に使っているノートやプリント類がぐちゃぐちゃになっているのをただ呆然として見ていた。まるで、ごみ収集に出されるゴミ袋のような有様だった。
涙が出ることはなかったが、焦りと悲しみが込み上げてきた。
「私、もしかしていじめられているのかな。」
「みんなとの接点がなかったのに、いじめに遭うわけがないのに。」
と、考え込んでいると混乱していてその場から一歩も踏み出せずにいた。
今、私は椅子に恐る恐る座って整理整頓をしていたところだった。私は、もう何も感情が出てこなくなった。一度にたくさんのことが起こってしまうからだ。
すると、私はあるものを見つけた。
それは亡き妹の写真だった。
粉々になってシワシワになっていた。
色もなぜか落ち始めている。
「え?何で?これがこんなことになってるの?」
私は何も言葉が出ないぐらい悲しかった。そして私は学校の屋上に逃げた。
大雨で水溜りが所々できている。コンクリートに打ちつける雨水の波紋が美しかった。その中で、私は粉々になった写真を持って、過去のことを思い出した。
思えばもう5年前だったかな。
私には二歳下の妹がいた。当時私は小学五年生で妹が三年生だった。
九月私はいつものように妹とお互いの友達と一緒に公園で鬼ごっこをして仲良く遊んでいた。まだ私は現在では消え失せているはずの笑顔が残ってた。すると私は地面に頭をぶつけるように倒れた。
「お姉ちゃん大丈夫?」
と、妹が呼びかけてくれたけどわたしは目が覚めなかった。
救急車で搬送された私は妹と両親に見つめられながら緊急治療室に入った。
とてもみんな心配していたらしい。
「お姉ちゃん大丈夫かな?」
「ああ、大丈夫だよ。必ず帰ってくるさ。」
「ええ、あの子はきっと帰ってくるわ。」
と三人は病院のベンチで数時間待ち続けていた。
私の緊急治療が終わり、担当医師が両親と妹に私の状態について話してくれたのだ。
話を聞いた一同は驚きが止まらなかった。
「ええ!入院ですか?そしてまだ意識が戻っていない!?」
「どうすれば治るんですか?」
担当医師はこう言った。
「心臓が弱っているので、ご家族の中から心臓の臓器移植の検診を受けていただかない限り不可能だと考えられます。」
この言葉に両親はさらに深刻になった。
病室で寝込んでいた私はそんな深刻な話になるとは思っていなかった。意識もないのにそんなことを考えてしまう。
夜になった。両親は心臓の臓器移植について話し合っていた。
「まさかこんなことになるなんて思ってなかった。呼吸器を外すという選択は、無理だろう。死ぬってことがわかってしまうから。」
お父さんは断固呼吸器を外すことを反対した。
「うんきっとあの子も思っているはず。」
とお母さんも賛成した。心臓移植することに。
「とりあえず、私とあなたが心臓の移植検診を受けるべきだわ。」
「でももし僕たちが合わなかったらどうするんだよ。」
「もうどうしたらいいかわからなくなってきた。」
と、困り果てていた。
なぜなら検診でヒットしたら、本人の意思のもとで受けるか受けないかを決めるのだが、もし1人しかヒットする居なかったら受けざる終えなくなり、その人が命を落としてしまうことになってしまうからだ。
その時妹はぐっすり寝ていたが、両親の相談している声が聞こえて、体がブルブルして眠れなかったと言う。
実は妹はあることを考えていた。
「ねぇ私も心臓移植の検診受けていい?」
妹は両親に言った。
「何であなたが受けるのよ。相当な覚悟がないと無理に決まってるじゃない。」
「死ぬかもしれないんだぞ。できるだけお前を死なせたくない。」
もちろん両親に賛成なんかするわけないと思ってたけど、想像を絶する猛反対を喰らった。
「そうだよね。変な事を言った私が馬鹿だったわ。今のことは忘れて。」
その日からしばらくが経った。
両親は私を救うために心臓移植の検診を受けることになった。
なぜ、この選択に至ったのかというと、呼吸器を外すということもできたが、私は幼い頃から心臓のことで何度も入院しているため、移植をして心臓のことで二度と入院したくないと考えていた。家族も頭を抱えなくて済むからだ。しかし、呼吸器の場合、その人が死んでしまうというとこがわかってしまう。心臓移植という選択になると、心臓移植する側と差し出す側の双方が命を落としてしまうリスクを頭の中に入れておくことを忘れないでほしい。
第三話に続く
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