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第五話 過去への一歩
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私はなぜか学校の屋上で眠っていた。あれほどの大雨だったのに目が覚めたら、雨が上がっていて夕焼けが綺麗だった。すると、なぜか悠木先生が隣にいたので驚いたが、私を心配してくれている。私が持っていた亡き妹の写真が粉々になっていることから先生は気にかけてくれたのだ。私は、初めていじめにあったことを他人に話すことができた。先生は私を抱きしめた。
「よく言った。先生が探してあげるから。」
男の人に抱きしめられるなんて久しぶりすぎて涙が止まらなかった。
「ありがとう。」と私は先生に感謝を伝えた。
翌日
「行ってきます。妹そしてお父さん。」
私は学校に行く前にいつも二人の仏壇で線香をあげてこのように願っていた。
「もう家族に犠牲者が出ませんように。もういなくならないで。こっちは楽しくやってるよ。もう5年も経ったんだね。今日も行ってくるよ。」
このことがあってから、私は過去の自分に戻ってこれるような気がした。普通は未来に向かって進むはずなのに。
「過去に忘れ物をしてきた。」と。
でもこれが現実。
学校に行ってもクラスメイトからは変な目で見られる。中には笑ってる人もいたかな。だから自分から話しかけたり、行動したり、委員会とかを決めたりすることが苦手だった。いつも最後に残ってしまったものを一年間やっていた。そしていつものように窓の外を眺めて放課後になる。その繰り返しだった。
しかし、私に転機が訪れた。
部活にて、担任兼部顧問の悠木先生が私が描いているバインダーに向かった。
「おお、結構かけてるじゃん。こんな才能があったとはな。」と先生が褒めてくれた。
「ありがとうございます。けれど私こういうのに自信なくて、自分で上手とは・・・。」
私がこう言っている途中に先生はなんと私が描いている絵を部員全体に見せた。
「みんなこれどう思う?」
先生はみんなに問いかけた。わたしはとても恥ずかしそうに顔が赤くなっていたので、足早に顔を隠した。
「わたしなんか上手なわけがないよ。どうせ誰にも評価させるわけがない。」と思っていたが、
「なにこれちょーうまいじゃん。」
「結構かけてるよね。」
「すごいじゃんこの子。」
「いい才能に出会えて良かったね。」
とみんな言ってくれたのだ。
私は、顔を上げた。
「皆さん、ありがとうございます。」と返しといた。
夕方になって、部活が終わった後に私は、先生に感謝を伝えた。
「先生ありがとうございました。まさか自分の絵がこんなにも称賛の嵐を浴びるとは思っていなくて。」
「いいんだよ。お前あの時恥ずかしくて顔を隠してたけど、もしかして友達っているのか?」
「友達ですか?もう5年くらいいません。」
「本当か?それは寂しかっただろう。」
「いいえ、何も寂しくはありませんでした。私半分くらい病院にいたので行事に参加したことがなかったんです。中学の時は部活には入っていましたが、幽霊部員扱いになりました。」
「そうだったのか。」
すると学校の放送が鳴った。
「悠木先生、至急職員室に来てください。」
「ああ。もうこんな時間か。職員室に行かないと。じゃあなまた明日。学校で会おう。」
「さようなら。」
と悠木先生はその場を後にした。
私は、今何をしているのかというぐらい変な感覚が出ている。こんな感覚今まで味わった感覚ないのに。
すると誰かが私の肩を叩いた。
「ねぇ、さっきの絵良かったよ。」話しかけてきたのはショートヘアに眼鏡をかけた女の子だった。
「うん、ありがとう。」
「お世辞かもしれないけど、今回は素直に受け入れた方がいいよね。」と私は心に決めていた。
「私、1年5組の下村優奈(ゆな)っていうのよろしく。」
「え?私と同じクラスだったんだ。今まで気づかなかったよ。
「あなたの名前は?」
「私、林 由香里よろしく。」
と言い忘れていたが、私の名前はゆかりっていう名前なの。誰かに呼ばれるなんて先生以外いなかったから少し驚いた。
「いつも由香里一人でいるから心配してたんだ。」
「ずっと見てたの?」
「うん、あたし休み時間基本勉強してるんだ教室で。だから由香里のこと見てたんだ。」
「そうだったんだ。ありがとう。」
2人は自転車置き場に向かって話をしていた。
「由香里さ、あたし思うんだけどクラスの雰囲気って正直嫌じゃない?」優奈は私に言った。
「たしかに。そうだね。」
「あたしさ、実はうるさすぎるのが苦手でねー。本当はみんなと盛り上がりたい性格なんだけど。由香里がいれば治る気がするんだ。」
「え?なんで?」
「だって一人だけじゃあ何もメッセージ性って感じないと思うの。私と由香里みたいに複数で行動しないと意味がないじゃん。」
「ああ、そういうことだったのか。」
実は優奈は私と先生の会話を聞こえていたのだ。だから友達がいなかったということは知っている。
「優奈ありがとう。私なんかに話してくれて。」
「何言ってんのよ由香里。ここで関係を離すわけにはいかないでしょ。明日学校で話そうよ。話したいこといっぱいあるんだもん。」
「優奈。そんなふうに思ってくれてたなんて知らなかったよ。わかった。明日ね。」
2人が別れた後、私は考え事をしていた。
「最近いろんなことがありすぎて頭の整理ができない。一時限目の国語で急に倒れるし、昼休みに帰ってきたらいろんなものはぐちゃぐちゃだし、屋上行ったら寝てたし、そして部活で歓声の嵐か。何やってんだ。」と困惑していたがこれが過去の私だったら、こんなことになっていたのかもしれない。自分探しの旅に出かけたいが、急に倒れるかもしれない。
「優奈という話し相手もできたし、少しは楽になるのかな。」
と、私は考えながら自転車を走らせていた。
これからはうまく行くと思っていたが、私の闇が再び襲うことになってしまう。
第六話に続く
「よく言った。先生が探してあげるから。」
男の人に抱きしめられるなんて久しぶりすぎて涙が止まらなかった。
「ありがとう。」と私は先生に感謝を伝えた。
翌日
「行ってきます。妹そしてお父さん。」
私は学校に行く前にいつも二人の仏壇で線香をあげてこのように願っていた。
「もう家族に犠牲者が出ませんように。もういなくならないで。こっちは楽しくやってるよ。もう5年も経ったんだね。今日も行ってくるよ。」
このことがあってから、私は過去の自分に戻ってこれるような気がした。普通は未来に向かって進むはずなのに。
「過去に忘れ物をしてきた。」と。
でもこれが現実。
学校に行ってもクラスメイトからは変な目で見られる。中には笑ってる人もいたかな。だから自分から話しかけたり、行動したり、委員会とかを決めたりすることが苦手だった。いつも最後に残ってしまったものを一年間やっていた。そしていつものように窓の外を眺めて放課後になる。その繰り返しだった。
しかし、私に転機が訪れた。
部活にて、担任兼部顧問の悠木先生が私が描いているバインダーに向かった。
「おお、結構かけてるじゃん。こんな才能があったとはな。」と先生が褒めてくれた。
「ありがとうございます。けれど私こういうのに自信なくて、自分で上手とは・・・。」
私がこう言っている途中に先生はなんと私が描いている絵を部員全体に見せた。
「みんなこれどう思う?」
先生はみんなに問いかけた。わたしはとても恥ずかしそうに顔が赤くなっていたので、足早に顔を隠した。
「わたしなんか上手なわけがないよ。どうせ誰にも評価させるわけがない。」と思っていたが、
「なにこれちょーうまいじゃん。」
「結構かけてるよね。」
「すごいじゃんこの子。」
「いい才能に出会えて良かったね。」
とみんな言ってくれたのだ。
私は、顔を上げた。
「皆さん、ありがとうございます。」と返しといた。
夕方になって、部活が終わった後に私は、先生に感謝を伝えた。
「先生ありがとうございました。まさか自分の絵がこんなにも称賛の嵐を浴びるとは思っていなくて。」
「いいんだよ。お前あの時恥ずかしくて顔を隠してたけど、もしかして友達っているのか?」
「友達ですか?もう5年くらいいません。」
「本当か?それは寂しかっただろう。」
「いいえ、何も寂しくはありませんでした。私半分くらい病院にいたので行事に参加したことがなかったんです。中学の時は部活には入っていましたが、幽霊部員扱いになりました。」
「そうだったのか。」
すると学校の放送が鳴った。
「悠木先生、至急職員室に来てください。」
「ああ。もうこんな時間か。職員室に行かないと。じゃあなまた明日。学校で会おう。」
「さようなら。」
と悠木先生はその場を後にした。
私は、今何をしているのかというぐらい変な感覚が出ている。こんな感覚今まで味わった感覚ないのに。
すると誰かが私の肩を叩いた。
「ねぇ、さっきの絵良かったよ。」話しかけてきたのはショートヘアに眼鏡をかけた女の子だった。
「うん、ありがとう。」
「お世辞かもしれないけど、今回は素直に受け入れた方がいいよね。」と私は心に決めていた。
「私、1年5組の下村優奈(ゆな)っていうのよろしく。」
「え?私と同じクラスだったんだ。今まで気づかなかったよ。
「あなたの名前は?」
「私、林 由香里よろしく。」
と言い忘れていたが、私の名前はゆかりっていう名前なの。誰かに呼ばれるなんて先生以外いなかったから少し驚いた。
「いつも由香里一人でいるから心配してたんだ。」
「ずっと見てたの?」
「うん、あたし休み時間基本勉強してるんだ教室で。だから由香里のこと見てたんだ。」
「そうだったんだ。ありがとう。」
2人は自転車置き場に向かって話をしていた。
「由香里さ、あたし思うんだけどクラスの雰囲気って正直嫌じゃない?」優奈は私に言った。
「たしかに。そうだね。」
「あたしさ、実はうるさすぎるのが苦手でねー。本当はみんなと盛り上がりたい性格なんだけど。由香里がいれば治る気がするんだ。」
「え?なんで?」
「だって一人だけじゃあ何もメッセージ性って感じないと思うの。私と由香里みたいに複数で行動しないと意味がないじゃん。」
「ああ、そういうことだったのか。」
実は優奈は私と先生の会話を聞こえていたのだ。だから友達がいなかったということは知っている。
「優奈ありがとう。私なんかに話してくれて。」
「何言ってんのよ由香里。ここで関係を離すわけにはいかないでしょ。明日学校で話そうよ。話したいこといっぱいあるんだもん。」
「優奈。そんなふうに思ってくれてたなんて知らなかったよ。わかった。明日ね。」
2人が別れた後、私は考え事をしていた。
「最近いろんなことがありすぎて頭の整理ができない。一時限目の国語で急に倒れるし、昼休みに帰ってきたらいろんなものはぐちゃぐちゃだし、屋上行ったら寝てたし、そして部活で歓声の嵐か。何やってんだ。」と困惑していたがこれが過去の私だったら、こんなことになっていたのかもしれない。自分探しの旅に出かけたいが、急に倒れるかもしれない。
「優奈という話し相手もできたし、少しは楽になるのかな。」
と、私は考えながら自転車を走らせていた。
これからはうまく行くと思っていたが、私の闇が再び襲うことになってしまう。
第六話に続く
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