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出会いとは何か

悲しみの連鎖

　今日はいい天気だ。こんな日は日向ぼっこが気持ちいい。庭ではマカルとムーフーが遊んでいた。声が出ないのでジェスチャーでおままごとをしている。こんな可愛い子達が被害に遭うなんて。助けたい。エニスは立ち上がり近寄ると同じ歳位の男の子が飛び出してきた。
「お姉ちゃん達に近寄るな！」
「いや、僕はそんな…」
「ごめんなさいね」とスーザンヌが窓から顔を出す。
「チャグー。この人は悪い人じゃないのよ」
チャグーが膨れる。
「だって、だって…」
この状況で無理はなかった。チャグーにとって知らない人は全て悪い奴に見えるのだろう。チャグーもまた被害者であった。
「チャグーこっちおいで」と駆け寄る少女がいた。
「初めまして。私、シャラー。ムーフーは幼い時からの友達なんです。ムーフー達が声を奪われているからというもの街では色んな噂や中傷が飛び交ったの。チャグーがこうなるのも無理はないわ」
チャグーが泣き出した。
「助けてよ！お兄ちゃん助けてよ！」
シャラーがチャグーを慰める。
「あ、すいませんでした。ほら、チャグー。あっち行って遊ぼうね」
「可哀想やろ」後ろで声がした。ポッツだった。
「みんなの人生が狂い始めとるんや。早くなんとかせんと。そや、コーナーズの所に用事があるんやけど一緒に行けへんか」

　コーナーズはギルドの酒場にいた。スパルがお待ちしておりましたと奥に案内した。
書斎にはエリーヌ、ヤミー、メオリー、コーナーズの三人が待っていた。エリーヌは座るよう促すと。
「コーナーズが西の祠に行きたいって言うの。私は止めてるんだけど。元々戦うために集まったギルドではないのよね」
コーナーズは泣きながエリーヌに訴えたようだ。涙で目が腫れている。ポッツの目が険しくなる。
「あかん！ただでさえこうして被害に遭っとるんや。これ以上危険な真似はさせられへん」
リファーは「それでも行かせて」とばかりの目で訴える。アキーチャ、リンレも続く。
「あかん、あかん、あかん！誰がなんと言おうが行かせるわけにはいかへん！わしらオーニズが何とかする。絶対。約束や。だから大人しく待っててくれへんかな。お願いや…」
ポッツは涙ながらに懇願した。皆泣き崩れた。
たかが声かもしれない。だが声を奪われて辛い思いをするのが本人だけではなく。周りもまた被害者なのであった。