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翼をください
19話 セッチ山
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「目が覚めたようね」
エニスが目覚めると目の前に女性がいた。
「こ、ここは?イールビは?みんなは?」
「落ち着いて。少し整理した方がいいわね。あなたは光とともに飛んできて一人で森に倒れていた、そしてここはセッチ山の麓、私の家よ。私はレモ」
「ありがとう、レモさん。僕はエニス。負けた…のか…。探さなきゃ。みんなを探さなきゃ」
「まだ動いては駄目よ。それより何があったのよ。祠の方で爆発音が鳴って家から出てみたら光が登っていろんな方向へ飛んで行ったわ。その光のひとつが私の近くに飛んできて、それがあなただった」
エニスは事の顛末を話した。
「レモさん、光が飛んで行った方向を教えてください。そこに仲間がいるんです」
「光のひとつはこのセッチ山の山頂目掛けて飛んで行ったわ。そう、そんな事が。ムヒコーウェルと関係があるか分からないけど、この山頂には古の賢者が住んでいると言われているの。仲間もその方向だし行ってみる価値はあるかもしれないわね」
二日経ち、エニスはレモに礼を言い家を後にした。
「探さなきゃ…みんなを…強くならなきゃ…」
エニスは三日三晩山を登り続けた。雨が降り、雪が降り。そんなもの何も感じなかった。眠い、痛い、寒い。とにかく登った。胸が温かい。なぜか「近くにいる」そう思った。
突然目の前に御殿が開けた。
気が抜けたのかエニスはその場に倒れた。
「目が覚めたか」
見知らぬ男が横にいた。
「どいつもこいつも弱いくせに先走る。だからダメなのだ。私は前々から言っておろう」
エニスは知っていた。誰だか分からないが知っていた。
「あなたは…」
「記憶が無いか。無理もない。よかろう、私はナカムト」
「そして」と後ろから女の子が顔を出した。「ノーラ、アオイン、ウニョでーす!」
ノーラが前に出る。
「私たち御館様に代々お仕えしてるの」
ウニョが前に出る。
「ほんとに御館様は私たちがいないと何も出来ないのよ」
アオインが前に出る。
「私はお料理担当なの、ほら御館様ご飯の準備ができてますよ。早く食べてください!」
「わかったわかった今行くよ。お前もこい」
ナカムトに連れられエニスは食堂に入るとアオインが肉をせっせと焼いていた。
「ほらほら、焼けてますわ。食べてください。エニスはこれ、はい」
「おいおいアオイン待ってくれよ、まだ皿に残って…」
「いいんです!しっかり食べてもらわないと」
「分かったって。それよりエニス、隣の部屋で寝てるやつはお前の友達じゃないのか?」
「やっぱりここに」
エニスは隣の部屋に駆けつけた。「まだ食事中ですよ!」とアオインが怒ってるのも聞こえなかった。
「ジースー…良かった…」
「よく寝てる」とナカムトが入ってくる。とジースーが目を覚ました。
「もう朝?まだ起きたくないよー、スーザンヌ」
無邪気もここまで来ると笑いが込み上げた。
エニスが目覚めると目の前に女性がいた。
「こ、ここは?イールビは?みんなは?」
「落ち着いて。少し整理した方がいいわね。あなたは光とともに飛んできて一人で森に倒れていた、そしてここはセッチ山の麓、私の家よ。私はレモ」
「ありがとう、レモさん。僕はエニス。負けた…のか…。探さなきゃ。みんなを探さなきゃ」
「まだ動いては駄目よ。それより何があったのよ。祠の方で爆発音が鳴って家から出てみたら光が登っていろんな方向へ飛んで行ったわ。その光のひとつが私の近くに飛んできて、それがあなただった」
エニスは事の顛末を話した。
「レモさん、光が飛んで行った方向を教えてください。そこに仲間がいるんです」
「光のひとつはこのセッチ山の山頂目掛けて飛んで行ったわ。そう、そんな事が。ムヒコーウェルと関係があるか分からないけど、この山頂には古の賢者が住んでいると言われているの。仲間もその方向だし行ってみる価値はあるかもしれないわね」
二日経ち、エニスはレモに礼を言い家を後にした。
「探さなきゃ…みんなを…強くならなきゃ…」
エニスは三日三晩山を登り続けた。雨が降り、雪が降り。そんなもの何も感じなかった。眠い、痛い、寒い。とにかく登った。胸が温かい。なぜか「近くにいる」そう思った。
突然目の前に御殿が開けた。
気が抜けたのかエニスはその場に倒れた。
「目が覚めたか」
見知らぬ男が横にいた。
「どいつもこいつも弱いくせに先走る。だからダメなのだ。私は前々から言っておろう」
エニスは知っていた。誰だか分からないが知っていた。
「あなたは…」
「記憶が無いか。無理もない。よかろう、私はナカムト」
「そして」と後ろから女の子が顔を出した。「ノーラ、アオイン、ウニョでーす!」
ノーラが前に出る。
「私たち御館様に代々お仕えしてるの」
ウニョが前に出る。
「ほんとに御館様は私たちがいないと何も出来ないのよ」
アオインが前に出る。
「私はお料理担当なの、ほら御館様ご飯の準備ができてますよ。早く食べてください!」
「わかったわかった今行くよ。お前もこい」
ナカムトに連れられエニスは食堂に入るとアオインが肉をせっせと焼いていた。
「ほらほら、焼けてますわ。食べてください。エニスはこれ、はい」
「おいおいアオイン待ってくれよ、まだ皿に残って…」
「いいんです!しっかり食べてもらわないと」
「分かったって。それよりエニス、隣の部屋で寝てるやつはお前の友達じゃないのか?」
「やっぱりここに」
エニスは隣の部屋に駆けつけた。「まだ食事中ですよ!」とアオインが怒ってるのも聞こえなかった。
「ジースー…良かった…」
「よく寝てる」とナカムトが入ってくる。とジースーが目を覚ました。
「もう朝?まだ起きたくないよー、スーザンヌ」
無邪気もここまで来ると笑いが込み上げた。
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