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翼をください
21話 それぞれの強さ
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「痛っっ…」
チュラーが目覚めると草原にいた。
「ここは…私は戦っていたはず。闇に飲み込まれて気がついたらここに…みんなは!」
チュラーはとりあえず歩いた。小さな町を見つけると、いい匂いが漂ってきた。突然お腹がすいていたことに気づく。
「とりあえず腹ごしらえするか」
食堂は活気に満ちていた。こんな小さな村のどこに人がいるのだろうと思うくらい流行っていた。
「いらっしゃいませ」
活気のいい声が飛んできた。
「何にします?うちの名物いちごのチョコフォンデュなんてどうですか?」
「いや、お腹がすいてデザートは…」
「うちの名物なんです!」
笑顔に負けた。
「いちごのチョコフォンデュでお願いします」
不満は残ったが腹ごしらえをすると聞き込みをした。だが情報はない。途方に暮れているチュラーの元に電子鳩が飛んできた。チュラーは足に巻き付けてある紙を取り出した。
「西の銅像へ向かえ」そう書かれてあった。
「一体誰の電子鳩なんだ?とりあえず行ってみるか」
西へ向かうと街があった。街の中心の銅像周りに見知った顔があった。
「ポッツ!ナツァーキ!セイク!みんな無事だったのか!」
いつも陽気なポッツが沈んでいた。
「あかんな…わしら…妹を救えんかった…」
セイクが肩を叩く。
「あいつは強かった。私達が弱い訳では無い。ところでみんなの所へ電子鳩が飛んできてここに集められたんだが、一体誰が…」
銅像の影から凛とした声が出てきた。
「ようやく集まったようだね」
猫耳が付いた女性。
「私はヨツネコ。ナカムトの使いで来ましたにゃ」
ナツァーキが驚く。
「ナカムトと言えば三賢者の一人じゃないか!王国図書館の書物に書かれていたあのナカムトか!」
「君よく知ってるね。もうみんにゃ名前すら忘れてしまっているけどね」
「その三賢者がなんの用があるんや」
「今、ナカムトの所にはエニスとジースーがいるにゃ」
「ジースーもエニスも無事やったんやー良かった。それじゃ今から二人の所へ…」
「ダメだにゃ。あなた達は今以上に強くならないといけないにゃ。そのために私はここに来たにゃ。あなた達の秘められた力を解放するために」
セイクが思い当たる。
「聞いたことがある。人はその実力以上の力が使えると。でもそれは精神論であって、そんなマンガみたいな話…」
ヨツネコが遮る。
「違うにゃ。みんな理解していないだけにゃ。そして理解しないで知らずに使っている。それを今から私が教える。着いてくるにゃん」
チュラーがチピが居ないことに気づいた。
「チピは来てませんか?」
「来るのを拒否したにゃ。そんな暇は無いと」
「馬鹿野郎…あいつ一人で戦う気か…」
「行くにゃ」とヨツネコは歩き出した。
「ちょっと待って!」ナツァーキは止める。
「王国が心配なんだ。兵ばかりに戦わせて申し訳ないからね。指揮官としてこれ以上抜ける訳にはいけない、僕は王国へ帰らせてもらうよ。大丈夫、有事には駆けつける。約束だ」
チュラーが握手を交わした。
「色々とありがとう。ルイ王にもお礼を言っておいてくれないか」
ポッツが涙ぐんでいた。
「着いてきてくれてありがとな。何から何までこんな知らん奴のために…」
ナツァーキはポッツと握手をしながら答える。
「僕はタイミングとか偶然とかは信じない。全てが必然。だから私の信じる道を選んだまでだ。礼には及ばない。セイクも元気で」
「ああ、ピーヤ姫も声が戻るといいな。道中気を付けて」
ヨツネコは四人を町外れの小屋に案内した。
「ここなら迷惑もかからずに修行できるにゃ。これから三年びっちり修行付けるから覚悟するにゃ!」
ポッツは驚く。
「三年ってそんなに待ってられへん!妹が大変なんや!」
「待てないなら一生そのままでいるがいいにゃ。このまま行って勝てると思う?」
ポッツは言葉が出なかった。チュラーはポッツの肩に手を置く。
「残念ながら彼女の言ってることは正論だ。まだ彼女の話に乗った方が勝機はある」
「せやけどマカルが…」
「俺も同じだポッツ…だが今はどうすれば最善なのかよく考えなくては。感情だけでは勝てるものも勝てない」
「せやな…せやけどなチュラー、お前もたまには感情を出さなあかんで。すぐ隠そうとするからな。辛い時は心を解放してやらんと」
「……ふぅ。お前は感情を出しすぎなんだよ…」
チュラーはスクッと立ち上がると空に向かって叫んだ。
「ムーフーぅぅぅ!待ってろよぉぉ!絶対に俺は強くなるからなあぁぁぁ!!!!!」
その声は遠くこだました。
チュラーが目覚めると草原にいた。
「ここは…私は戦っていたはず。闇に飲み込まれて気がついたらここに…みんなは!」
チュラーはとりあえず歩いた。小さな町を見つけると、いい匂いが漂ってきた。突然お腹がすいていたことに気づく。
「とりあえず腹ごしらえするか」
食堂は活気に満ちていた。こんな小さな村のどこに人がいるのだろうと思うくらい流行っていた。
「いらっしゃいませ」
活気のいい声が飛んできた。
「何にします?うちの名物いちごのチョコフォンデュなんてどうですか?」
「いや、お腹がすいてデザートは…」
「うちの名物なんです!」
笑顔に負けた。
「いちごのチョコフォンデュでお願いします」
不満は残ったが腹ごしらえをすると聞き込みをした。だが情報はない。途方に暮れているチュラーの元に電子鳩が飛んできた。チュラーは足に巻き付けてある紙を取り出した。
「西の銅像へ向かえ」そう書かれてあった。
「一体誰の電子鳩なんだ?とりあえず行ってみるか」
西へ向かうと街があった。街の中心の銅像周りに見知った顔があった。
「ポッツ!ナツァーキ!セイク!みんな無事だったのか!」
いつも陽気なポッツが沈んでいた。
「あかんな…わしら…妹を救えんかった…」
セイクが肩を叩く。
「あいつは強かった。私達が弱い訳では無い。ところでみんなの所へ電子鳩が飛んできてここに集められたんだが、一体誰が…」
銅像の影から凛とした声が出てきた。
「ようやく集まったようだね」
猫耳が付いた女性。
「私はヨツネコ。ナカムトの使いで来ましたにゃ」
ナツァーキが驚く。
「ナカムトと言えば三賢者の一人じゃないか!王国図書館の書物に書かれていたあのナカムトか!」
「君よく知ってるね。もうみんにゃ名前すら忘れてしまっているけどね」
「その三賢者がなんの用があるんや」
「今、ナカムトの所にはエニスとジースーがいるにゃ」
「ジースーもエニスも無事やったんやー良かった。それじゃ今から二人の所へ…」
「ダメだにゃ。あなた達は今以上に強くならないといけないにゃ。そのために私はここに来たにゃ。あなた達の秘められた力を解放するために」
セイクが思い当たる。
「聞いたことがある。人はその実力以上の力が使えると。でもそれは精神論であって、そんなマンガみたいな話…」
ヨツネコが遮る。
「違うにゃ。みんな理解していないだけにゃ。そして理解しないで知らずに使っている。それを今から私が教える。着いてくるにゃん」
チュラーがチピが居ないことに気づいた。
「チピは来てませんか?」
「来るのを拒否したにゃ。そんな暇は無いと」
「馬鹿野郎…あいつ一人で戦う気か…」
「行くにゃ」とヨツネコは歩き出した。
「ちょっと待って!」ナツァーキは止める。
「王国が心配なんだ。兵ばかりに戦わせて申し訳ないからね。指揮官としてこれ以上抜ける訳にはいけない、僕は王国へ帰らせてもらうよ。大丈夫、有事には駆けつける。約束だ」
チュラーが握手を交わした。
「色々とありがとう。ルイ王にもお礼を言っておいてくれないか」
ポッツが涙ぐんでいた。
「着いてきてくれてありがとな。何から何までこんな知らん奴のために…」
ナツァーキはポッツと握手をしながら答える。
「僕はタイミングとか偶然とかは信じない。全てが必然。だから私の信じる道を選んだまでだ。礼には及ばない。セイクも元気で」
「ああ、ピーヤ姫も声が戻るといいな。道中気を付けて」
ヨツネコは四人を町外れの小屋に案内した。
「ここなら迷惑もかからずに修行できるにゃ。これから三年びっちり修行付けるから覚悟するにゃ!」
ポッツは驚く。
「三年ってそんなに待ってられへん!妹が大変なんや!」
「待てないなら一生そのままでいるがいいにゃ。このまま行って勝てると思う?」
ポッツは言葉が出なかった。チュラーはポッツの肩に手を置く。
「残念ながら彼女の言ってることは正論だ。まだ彼女の話に乗った方が勝機はある」
「せやけどマカルが…」
「俺も同じだポッツ…だが今はどうすれば最善なのかよく考えなくては。感情だけでは勝てるものも勝てない」
「せやな…せやけどなチュラー、お前もたまには感情を出さなあかんで。すぐ隠そうとするからな。辛い時は心を解放してやらんと」
「……ふぅ。お前は感情を出しすぎなんだよ…」
チュラーはスクッと立ち上がると空に向かって叫んだ。
「ムーフーぅぅぅ!待ってろよぉぉ!絶対に俺は強くなるからなあぁぁぁ!!!!!」
その声は遠くこだました。
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