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翼をください
22話 重圧
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「はあ!おりゃ!」セッチ山では金属が激突する音と怒号が響いていた。ナカムトの激が飛ぶ。
「そんなんじゃダメだ!もっと感じろ!お互いのanythingを!」
ジースーがエニスの剣技に耐えながら。
「くっ!anythingってほんとにあるんですか?てかなんで僕が剣使うの!うおーー!」
「お互いの特性を理解するんだ。それに、信じろ。anythingはあると信じるんだ」
「anythinganythinganythinganything!」
「ジースー!言わんでもいい!」
「言った方が残るんだよ!僕の場合!うおーー!」
ナカムトが異変に気付いた。
「お前…なんで…いや、まさか…」
エニスも違和感を覚えた。
「くっ!ジースーは無いんだよ。分からないけど無いんだよ。空気と戦ってるような不思議な感じがする」
「やめ!」ナカムトが止めた。
「ジースー、お前の生まれはどこだ?」
「僕の実家はアムーロ地方の教会さ!訳あって家族とは離れて孤児院で暮らしてるけどね。僕もよく分からないんだ」
「アムーロ地方の教会…」
ナカムトはしばらく黙った後、こう続けた。
「その昔、アムーロ地方の教会で何やらおかしな赤子が生まれたと聞いた事があるが…まさかな…」
ジースーの顔が曇った。
「そんなわけないでしょ、僕がそのおかしな子だなんてアハハ」
エニスも同意する。
「ジースーがそんな事なんてありえませんよ。こんなにいい人なのに」
「いい人が善人とは限らない。ジースーが悪いと言っている訳ではなくてな。ジースーちょっと来い」
ジースーはナカムトに連れていかれた。
「おかしな赤子か…」
残されたエニスは剣を振る。一体anythingとは何なのか。自分の進む道はこれでいいのか。ムヒコーウェルを打てば全てが終わるのか。もう分からなかった。
しばらくしてナカムトが戻る。
「今日から一人で修行をしてもらう」
「ジースーは?」
「あいつは別メニューだ。そんなことより始めるぞ。人の心配してないで自分をまず鍛えよ。強くなれ!かかってこい!」
「はっ、はい!おあぁぁぁぁ!」
金属のぶつかる音とエニスが弾き飛ばされる。
ナカムトが追撃する。
「そらそらそらそら!こんなものか!」
エニスは仰向けでナカムトの剣を受けるも全てを受けきれず傷が増える。痛みと共に怒りが込み上げる。
「なんで…なんでこんなことを…ぅぅううう…」
エニスはナカムトの剣を弾き飛ばし、がむしゃらに剣を振った。ナカムトの眉間にシワがよる。
「なんだその攻撃は。おまえの攻撃は憎しみだ。そうじゃない。憎しみからは何も生まれない。憎しみを捨てろ」
「そんなこと言ったって僕はなんの為にこんな辛い思いをしなきゃいけないんだ!もう分からないよ!西に行けってなんの為に!こんなに傷だらけになってなんの為に!そりゃあみんな良くしてくれて助けてくれて…でも僕がやらないといけないの?他の仲間達も強い、みんなだけでも大丈夫だよ。なんで僕が…記憶は取り戻したいけど…もう疲れたよ…」
「エニス…みんなはお前ではない。お前の成すことはお前しかできないんだ。みんなだってそう、役割があるんだ。ただ、その意味は今は分からないだろうが必ずわかる日が来る。お前が存在している意味がな」
「僕の存在している意味…」
「戦え。戦ってその先を見ろ。疲れたら休んだらいい。休む事と止める事は違う。進めば見えるはずだ、お前の世界が。それに、頑張ってる仲間を見殺しにしてもいいならそこで泣いてろ」
エニスはうつ伏せたまま動かなかった。
「そんなんじゃダメだ!もっと感じろ!お互いのanythingを!」
ジースーがエニスの剣技に耐えながら。
「くっ!anythingってほんとにあるんですか?てかなんで僕が剣使うの!うおーー!」
「お互いの特性を理解するんだ。それに、信じろ。anythingはあると信じるんだ」
「anythinganythinganythinganything!」
「ジースー!言わんでもいい!」
「言った方が残るんだよ!僕の場合!うおーー!」
ナカムトが異変に気付いた。
「お前…なんで…いや、まさか…」
エニスも違和感を覚えた。
「くっ!ジースーは無いんだよ。分からないけど無いんだよ。空気と戦ってるような不思議な感じがする」
「やめ!」ナカムトが止めた。
「ジースー、お前の生まれはどこだ?」
「僕の実家はアムーロ地方の教会さ!訳あって家族とは離れて孤児院で暮らしてるけどね。僕もよく分からないんだ」
「アムーロ地方の教会…」
ナカムトはしばらく黙った後、こう続けた。
「その昔、アムーロ地方の教会で何やらおかしな赤子が生まれたと聞いた事があるが…まさかな…」
ジースーの顔が曇った。
「そんなわけないでしょ、僕がそのおかしな子だなんてアハハ」
エニスも同意する。
「ジースーがそんな事なんてありえませんよ。こんなにいい人なのに」
「いい人が善人とは限らない。ジースーが悪いと言っている訳ではなくてな。ジースーちょっと来い」
ジースーはナカムトに連れていかれた。
「おかしな赤子か…」
残されたエニスは剣を振る。一体anythingとは何なのか。自分の進む道はこれでいいのか。ムヒコーウェルを打てば全てが終わるのか。もう分からなかった。
しばらくしてナカムトが戻る。
「今日から一人で修行をしてもらう」
「ジースーは?」
「あいつは別メニューだ。そんなことより始めるぞ。人の心配してないで自分をまず鍛えよ。強くなれ!かかってこい!」
「はっ、はい!おあぁぁぁぁ!」
金属のぶつかる音とエニスが弾き飛ばされる。
ナカムトが追撃する。
「そらそらそらそら!こんなものか!」
エニスは仰向けでナカムトの剣を受けるも全てを受けきれず傷が増える。痛みと共に怒りが込み上げる。
「なんで…なんでこんなことを…ぅぅううう…」
エニスはナカムトの剣を弾き飛ばし、がむしゃらに剣を振った。ナカムトの眉間にシワがよる。
「なんだその攻撃は。おまえの攻撃は憎しみだ。そうじゃない。憎しみからは何も生まれない。憎しみを捨てろ」
「そんなこと言ったって僕はなんの為にこんな辛い思いをしなきゃいけないんだ!もう分からないよ!西に行けってなんの為に!こんなに傷だらけになってなんの為に!そりゃあみんな良くしてくれて助けてくれて…でも僕がやらないといけないの?他の仲間達も強い、みんなだけでも大丈夫だよ。なんで僕が…記憶は取り戻したいけど…もう疲れたよ…」
「エニス…みんなはお前ではない。お前の成すことはお前しかできないんだ。みんなだってそう、役割があるんだ。ただ、その意味は今は分からないだろうが必ずわかる日が来る。お前が存在している意味がな」
「僕の存在している意味…」
「戦え。戦ってその先を見ろ。疲れたら休んだらいい。休む事と止める事は違う。進めば見えるはずだ、お前の世界が。それに、頑張ってる仲間を見殺しにしてもいいならそこで泣いてろ」
エニスはうつ伏せたまま動かなかった。
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