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最終決戦
28話 ダッタン国立図書館
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「酷い、こんなん酷すぎるで」
ポッツは憤りを隠せない。ナツァーキは一息つくと。
「二人はチルンとルミナリエ。これは彼女達の意思なんだ。ムヒコーウェルが現れてから図書館の番人である姉妹の様子が変わってしまった。黒い霧に包まれ書物の内容が全て彼女達に詰め込まれた。その知識量の膨大さから精神にも異常をきたし、チルンは言葉を、ルミナリエは視界を失ってしまったんだ。そして自分を、他人を傷つけないようにと本人の意思で鎖に繋がれた。どういう訳かルミナリエは視界が奪われているがチルンの出すものが読めるらしい。文字通り二人で一つなんだ」
ジースーは二人に近づいた。二人は急に震えだし鎖を引きちぎらんばかりに逃げようとした。
「ご、ごめん、驚かせるつもりはなかったんだ」
ナツァーキが制す。
「ジースーの何かに反応しているみたいだね。一体君は…」
「……。助けたかった。けどそれではなかったみたいだね」
チュラーは何かに引っかかったようだ。
「ジースー、とりあえず後ろにいてくれないか」
チュラーは二人が落ち着くのを待った。
「チルンさんとルミナリエさん、ムヒコーウェルの事を教えて貰えませんか?」
口を封じられたルチンはうなづくと目を開いた。チルンの目から光が出て地面に見慣れない文字を浮かび上がらせた。その文字を目を封じられたルミナリエが読む。
それは儚く気を張っていないとどこかへ消えてしまいそうな声だった。
「その昔、ムヒコーウェルは西の果ての深い谷、オーカマバレーの奥深くで封印された。しかし封印は時と共にほつれ、その隙間を縫って魔力を送り込んだ。封印が解けるのも近い。ムヒコーウェルは今その鍵を握った。語り部…」
言いかけて姉妹はガタガタ震えだし体を仰け反らせ胸のあたりを掻きむしろうとしていた。ナツァーキは咄嗟に二人を押さえつけ。
「ここまでだ、もう限界みたいだ。一旦出よう」
図書館を出ると一室に通された。さすがお城だけあって一部屋が大きい。
チュラーは中央のソファーに向かう中、ジースーを止めた。
「ジースー、お前最近何か変化はなかったか?」
「ん?いや、なんの事かな?分からないけど…」
「ならいい。何かあったら言えよ」
「う、うん。わかったよ」
中央からポッツが呼んだ。
「おーい、何してんねん早うこっち来いや」
ジースーは目を輝かせる。
「今行くねー!すっごい!ふっかふかなソファーだ!」
セイクが口を開く。
「ムヒコーウェルの所に急げと言っていたな。それに語語り部?」
ナツァーキは答える。
「語り部か。聞いたことはある。ムヒコーウェルが封印された時の目撃者で語り継ぐ者だと。話ではムヒコーウェルの核の一部を埋め込まれたらしいが…何せ見てきた訳では無いので」
エニスは呟く。
「ムヒコーウェルの核…それをムヒコーウェルが手に入れたということか。チュラーはどう思う」
「そうだな、イールビも気になるが早急にムヒコーウェルを討った方が良さそうだな。ポッツは?」
「順番的にはイールビかもしれへんけど。元凶は?と考えると、わしもその方がええと思うな。イールビに時間を取られてそれこそムヒコーウェルが完全に復活したら元も子もないで、ジースーは?」
「僕はムヒコーウェルよりも…」
ジースーはエニスを見た。エニスは何かを見透かされているようで鼓動が速くなる。ジースーはニコッと笑い。
「ムヒコーウェルでいいと思う!ね、エニス」
「ああ、そうだな。セイクは?」
「もし、イールビがムヒコーウェルの復活に何かしらの影響があったらどうする?放置しておくのも危ない気がする」
ポッツは「なるほど」と。
「さすがセイクやな!目の付け所が違うわ!天才やな!」
セイクは照れながら。
「ポッツやめろ。褒めすぎだ!」
「まあ、赤くなった顔も可愛ええのぅ」
セイクは真っ赤になった。
「切り刻んでやろうか!」
「とりあえず」とエニスは進めた。
「僕はチルンとルミナリエを信じてみようと思う。色々心配はあるが図書館の知識を総動員して得られた情報だ。かけてみたいんだが」
セイクはフッとわらった。
「私も同じだ。ただ悪い可能性も潰しておかねばと思ってな。まあ、どうもムヒコーウェルの線が濃そうだからな」
チュラーはまとめた。
「それじゃ満場一致でムヒコーウェル討伐へ向かう。それに向けて各自準備するように。絶対、生きて帰る!いや、みんな生きて帰らせる!」
「せやな!そのために頑張ってきたんや後は全力で当たって砕けろや!」
ジースーは少し考えた。
「当たって砕けたら帰れないよね?」
「ものの例えや!ところでジースーも強うなったんやろなぁ」
「え?もちろんだよ。あれ見てて」
ジースーが指を刺したのは窓から見える大きな岩だった。
ジースーは人差し指を岩に向けた。片目をつむる。
「いくよ、バーン」
岩は粉々に砕け、ついでにポッツの腰も砕いた。
ポッツは憤りを隠せない。ナツァーキは一息つくと。
「二人はチルンとルミナリエ。これは彼女達の意思なんだ。ムヒコーウェルが現れてから図書館の番人である姉妹の様子が変わってしまった。黒い霧に包まれ書物の内容が全て彼女達に詰め込まれた。その知識量の膨大さから精神にも異常をきたし、チルンは言葉を、ルミナリエは視界を失ってしまったんだ。そして自分を、他人を傷つけないようにと本人の意思で鎖に繋がれた。どういう訳かルミナリエは視界が奪われているがチルンの出すものが読めるらしい。文字通り二人で一つなんだ」
ジースーは二人に近づいた。二人は急に震えだし鎖を引きちぎらんばかりに逃げようとした。
「ご、ごめん、驚かせるつもりはなかったんだ」
ナツァーキが制す。
「ジースーの何かに反応しているみたいだね。一体君は…」
「……。助けたかった。けどそれではなかったみたいだね」
チュラーは何かに引っかかったようだ。
「ジースー、とりあえず後ろにいてくれないか」
チュラーは二人が落ち着くのを待った。
「チルンさんとルミナリエさん、ムヒコーウェルの事を教えて貰えませんか?」
口を封じられたルチンはうなづくと目を開いた。チルンの目から光が出て地面に見慣れない文字を浮かび上がらせた。その文字を目を封じられたルミナリエが読む。
それは儚く気を張っていないとどこかへ消えてしまいそうな声だった。
「その昔、ムヒコーウェルは西の果ての深い谷、オーカマバレーの奥深くで封印された。しかし封印は時と共にほつれ、その隙間を縫って魔力を送り込んだ。封印が解けるのも近い。ムヒコーウェルは今その鍵を握った。語り部…」
言いかけて姉妹はガタガタ震えだし体を仰け反らせ胸のあたりを掻きむしろうとしていた。ナツァーキは咄嗟に二人を押さえつけ。
「ここまでだ、もう限界みたいだ。一旦出よう」
図書館を出ると一室に通された。さすがお城だけあって一部屋が大きい。
チュラーは中央のソファーに向かう中、ジースーを止めた。
「ジースー、お前最近何か変化はなかったか?」
「ん?いや、なんの事かな?分からないけど…」
「ならいい。何かあったら言えよ」
「う、うん。わかったよ」
中央からポッツが呼んだ。
「おーい、何してんねん早うこっち来いや」
ジースーは目を輝かせる。
「今行くねー!すっごい!ふっかふかなソファーだ!」
セイクが口を開く。
「ムヒコーウェルの所に急げと言っていたな。それに語語り部?」
ナツァーキは答える。
「語り部か。聞いたことはある。ムヒコーウェルが封印された時の目撃者で語り継ぐ者だと。話ではムヒコーウェルの核の一部を埋め込まれたらしいが…何せ見てきた訳では無いので」
エニスは呟く。
「ムヒコーウェルの核…それをムヒコーウェルが手に入れたということか。チュラーはどう思う」
「そうだな、イールビも気になるが早急にムヒコーウェルを討った方が良さそうだな。ポッツは?」
「順番的にはイールビかもしれへんけど。元凶は?と考えると、わしもその方がええと思うな。イールビに時間を取られてそれこそムヒコーウェルが完全に復活したら元も子もないで、ジースーは?」
「僕はムヒコーウェルよりも…」
ジースーはエニスを見た。エニスは何かを見透かされているようで鼓動が速くなる。ジースーはニコッと笑い。
「ムヒコーウェルでいいと思う!ね、エニス」
「ああ、そうだな。セイクは?」
「もし、イールビがムヒコーウェルの復活に何かしらの影響があったらどうする?放置しておくのも危ない気がする」
ポッツは「なるほど」と。
「さすがセイクやな!目の付け所が違うわ!天才やな!」
セイクは照れながら。
「ポッツやめろ。褒めすぎだ!」
「まあ、赤くなった顔も可愛ええのぅ」
セイクは真っ赤になった。
「切り刻んでやろうか!」
「とりあえず」とエニスは進めた。
「僕はチルンとルミナリエを信じてみようと思う。色々心配はあるが図書館の知識を総動員して得られた情報だ。かけてみたいんだが」
セイクはフッとわらった。
「私も同じだ。ただ悪い可能性も潰しておかねばと思ってな。まあ、どうもムヒコーウェルの線が濃そうだからな」
チュラーはまとめた。
「それじゃ満場一致でムヒコーウェル討伐へ向かう。それに向けて各自準備するように。絶対、生きて帰る!いや、みんな生きて帰らせる!」
「せやな!そのために頑張ってきたんや後は全力で当たって砕けろや!」
ジースーは少し考えた。
「当たって砕けたら帰れないよね?」
「ものの例えや!ところでジースーも強うなったんやろなぁ」
「え?もちろんだよ。あれ見てて」
ジースーが指を刺したのは窓から見える大きな岩だった。
ジースーは人差し指を岩に向けた。片目をつむる。
「いくよ、バーン」
岩は粉々に砕け、ついでにポッツの腰も砕いた。
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