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最終決戦
31話 悪魔の子
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嵐の夜、とある街の教会で産声が上がった、その時だった。激しい落雷と共に黒い霧が辺りを包み込んだ。
「悪魔じゃ!悪魔の所業じゃ!」産婆は慌てふためき逃げ出す。
母親は必死に子供を守ろうと抱き抱えた。黒い霧は渦を巻きながら赤子の中に入っていった。
「やめて!私の赤ちゃんから出ていって!お願い!」
外からバタバタと神父が入ってくる。
「子供を渡せ!その子は悪魔の子だ!ここに居させる訳にはいかない」
母親は泣き叫ぶ。
「嫌です!この子は私の子、誰にも渡しません!絶対この子は護る。悪魔だろうがなんだろうが私が護ります!」
母親は産後の疲労を抱えながら教会を飛び出した。
「追いかけろ!」と母と子を追う。
母親は雨に濡れ泣きながら走った。
「私の赤ちゃん…あなたは絶対に護るから…絶対に…」
母親はつまずき転びながら走った。しかし産後の体力では限界があった。神父達は追いつき赤子を取り上げた。
「やめて!お願いします!返してください!」
母親は泣きながら懇願したが聞き入れられなかった。
「この子は司教の所へ連れていく。話はそれからだ」
と、神父達は母親もろとも司教の元へ連行した。
街の教会本部では司教が待っていた。
「この子か、悪魔の子は。放っておいては我が教会の恥となる。殺せ」
「はっ!」と赤子を連れていこうとする神父に母親はすがり付く。
「お願いします…私の赤ちゃんを殺さないで!お願いします。この子は私の命に代えても護ります!ですからどうか…」
「やめんか!司教様の命令だ!」
神父は母親を蹴り離した。
それでも母親は泣きながらしがみつく。
「お願いです!この子はまだ悪魔と決まったわけではありません。ただ霧が入り込んだだけです!それを悪魔と決めつけるのは…」
「毒をもって毒を制す…か…賭けだな…」
司教は少し考えた。
「分かった。確かに悪魔と決まったわけではない。だがもしこの赤子に少しでもおかしな事があれば殺す。それで良いか?」
「ありがとうございます司教様…」
「ただ、この街に居させることはできん。それでも良いか?」
母親は少し考え答えた。
「はい…この子が生きていてくれるなら」
司教は「おい!」と二人の少年を呼んだ。
「この子達を監視役として付ける。そしてこの…」
と十字架をかたどった短剣を出す。
「何かあればこの短剣で悪魔を殺せ」
と、二人の少年に渡した。
「そして」と手紙を渡す。
「ここに私が懇意にしている教会の場所を書いておいた。ここで世話になるが良い。行け!」
赤子を抱えた少年達は母親が泣きじゃくるのを横目に旅立つ。その後を仔犬が追いかけた。
「悪魔じゃ!悪魔の所業じゃ!」産婆は慌てふためき逃げ出す。
母親は必死に子供を守ろうと抱き抱えた。黒い霧は渦を巻きながら赤子の中に入っていった。
「やめて!私の赤ちゃんから出ていって!お願い!」
外からバタバタと神父が入ってくる。
「子供を渡せ!その子は悪魔の子だ!ここに居させる訳にはいかない」
母親は泣き叫ぶ。
「嫌です!この子は私の子、誰にも渡しません!絶対この子は護る。悪魔だろうがなんだろうが私が護ります!」
母親は産後の疲労を抱えながら教会を飛び出した。
「追いかけろ!」と母と子を追う。
母親は雨に濡れ泣きながら走った。
「私の赤ちゃん…あなたは絶対に護るから…絶対に…」
母親はつまずき転びながら走った。しかし産後の体力では限界があった。神父達は追いつき赤子を取り上げた。
「やめて!お願いします!返してください!」
母親は泣きながら懇願したが聞き入れられなかった。
「この子は司教の所へ連れていく。話はそれからだ」
と、神父達は母親もろとも司教の元へ連行した。
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「この子か、悪魔の子は。放っておいては我が教会の恥となる。殺せ」
「はっ!」と赤子を連れていこうとする神父に母親はすがり付く。
「お願いします…私の赤ちゃんを殺さないで!お願いします。この子は私の命に代えても護ります!ですからどうか…」
「やめんか!司教様の命令だ!」
神父は母親を蹴り離した。
それでも母親は泣きながらしがみつく。
「お願いです!この子はまだ悪魔と決まったわけではありません。ただ霧が入り込んだだけです!それを悪魔と決めつけるのは…」
「毒をもって毒を制す…か…賭けだな…」
司教は少し考えた。
「分かった。確かに悪魔と決まったわけではない。だがもしこの赤子に少しでもおかしな事があれば殺す。それで良いか?」
「ありがとうございます司教様…」
「ただ、この街に居させることはできん。それでも良いか?」
母親は少し考え答えた。
「はい…この子が生きていてくれるなら」
司教は「おい!」と二人の少年を呼んだ。
「この子達を監視役として付ける。そしてこの…」
と十字架をかたどった短剣を出す。
「何かあればこの短剣で悪魔を殺せ」
と、二人の少年に渡した。
「そして」と手紙を渡す。
「ここに私が懇意にしている教会の場所を書いておいた。ここで世話になるが良い。行け!」
赤子を抱えた少年達は母親が泣きじゃくるのを横目に旅立つ。その後を仔犬が追いかけた。
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