anything

むひ

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旅立ちとはまさに出会いである

13話 王の力

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 ヨッシューは続ける。
「幼い頃、僕とユラン、メクは親友だった。成績も優秀で人望もある。次期、王になるとは関係なく僕らは唯一無二の親友だった。だがメクは王家の相続争いに巻き込まれ、この鬼の仮面を付けられ幽閉されたんだ。僕らは奪還を図るも王家に阻まれた。そして綿密な計画を練り今日決行の合図としてanythingの呻き声が上がった」
「anythingの呻き声…」
リファーはハッと気付いた。
「だから街の人は聞こえてなかったのね。こんなに不気味なのになんで誰も反応しないんだろって思ってたのよ」
「そう、この呻き声はanythingを自ら使えるものしか聞こえない魂の叫びなんだ。もうすぐユランが壁を開けてくれる」
「壁を開けるって…」
どこからか綺麗な弧を描いてボールみたいなものが窓際に投げ込まれた。入るか入らないかでボールは爆発し、窓があった場所にポッカリと穴が空いた。
ヨッシューは口笛を吹く。
「ナイシュー、ユラン」
「朝飯前だよ、ヨッシュー。早いとこ方をつけるぞ、衛兵が来る」

「お遊びはここまでだ」
声の方を振り向くとナツァーキが後ろに衛兵を従え腕を組んで立っていた。
ユランはヨッシューに目配せをすると、ヨッシューが飛び上がった。
そのままクルクルと回転をして穴の中に入り、メクを抱き抱えまた出てきた。メクは長年繋がれ、自分で歩く体力もないようだった。
ナツァーキは衛兵に指示を出す。
「捕らえろ!」
衛兵が襲いかかる。
マカルは叫んだ。
「ちょっとー!あたし達まで?もしかしてダッタン国を敵に回したの?草!」
「草生やしてる場合じゃないよマカル!」ムーフーがマカルの手を引っ張る。リファーも後に続いた。
「そうよね、今は一旦逃げましょ。私たちまで仲間だと思われてるわ」
「こっちだ」ヨッシューが先頭に立つも回り込まれた。
「くそっ…メク…」
メクはよろよろと顔を上げるとまたあの呻き声を出した。
すると、ドーンという音と共に透明な石が落ちたかのように所々衛兵が潰れていく。
ナツァーキは瞬間移動で右へ左へ避ける。
「どうなってるの?」リファーはヨッシューに聞いた。
「俺も分からないんだよね。メクが嘆くと誰かが潰れたり急に空に飛び上がったかと思えば消えたり。さっぱり分からないけど何か特別な力があるみたいなんだ。ゆっくり話してる暇はないぞ!今だ逃げろ!」
衛兵がパニックで隊列の崩れた隙間を見逃さなかった。そのまま城を出て走り森の奥へと一気に走った。
ユランは森の向こうを指さす。
「あの洞窟が我々のアジトだ」
洞窟へ滑り込むように到着した。
マカルは息を切らしながらメクの仮面が気になった。
「これって取れないのかな?夜こんな鬼見たらトイレにも行けないよぉ」
ヨッシューは仮面を取ろうとするもどういう訳か外れなかった。
「ダメだ。何か特殊な力で張り付いているのかも」
マカルは何かを感じた。
「待って」と言うと虚無を出し、仮面に持っていく。
虚無が仮面の近くに来るとフッと仮面を吸い込んだ。
「やったー!」
仮面が取れたメクはカハッっと息を吐くと力が入るのが分かった。
「ありがとう。この仮面はanythingを封じるものなんだ。あの呻き声を出す力を貯めるのに精一杯だった。何で決行を今日にしたと思う?」
リファー達は考えたが分からなかった。
「僕のanythingが教えてくれたんだ。『今だ』って」
マカルが悩む。
「私達がいることですよね。違いといえば」
「そうかもしれないし違うかもしれない。現に君たちがいなかったら例え抜け出せたとしても仮面を取ることはできなかった。anythingが導いてくれたんだ」
「にぃに達がよく言ってた『anythingの導きのままに』って事なのかな」
「分からないけどね。結局のところそれがいいのか悪いのかは今直ぐに判断できるものじゃないから。でもanythingが導いたなら…
今日はもう遅い。寝るとしよう。僕も疲れたよ」
洞窟の闇が一層深くなった。
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