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そして出逢いは繰り返す
27話 会再
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セッチ山の麓。オーニズは休息を取っていると少し離れたところから話し声が聞こえた。ポッツは二人を呼ぶ。
「チュラー、ジースー。誰かおるで」
三人は声のする方へ向かうと、突然ポッツが直立不動のまま動かなくなった。
ジースーらポッツを揺する。
「ポッツどうしたんだよ」
ポッツは震えながら指を指した。
「ご、ご主人がおる…何でこんなとこに…」
チュラーは「リカーか、久しぶりだな」と、
「カクトとヒャノもいるじゃないか。あの頃と全然変わらない。ジースーはまだ赤ん坊だったから分からないだろうが、アムーロ教会にいた時、俺とポッツはあの三人とよく遊んでいたんだ」
ジースーは「ふむ」と、
「そうなんだ。でもなんでポッツは『ご主人』なんて呼んでるんだい?」
ポッツは冷や汗を垂らしながら答えた。
「それはやな、ある日五人で遊んでいると、ご主人が『新しい技を覚えたから実験台になれ』と技をかけられたんや。どうやらその技は剣で切った者を従える能力があったんや。ご主人は技が成功して喜んで技を解除するの忘れとったんやな、ほんで直ぐにワシとチュラーは司教に呼ばれジースーを逃がした、っちゅうわけや」
「へー、そうだったんだ。でももう、25年も経ってるから完全に忘れてるんだろうね」
「ジースー…悲しいこと言わんでくれ…」
チュラーは「シー」っと、人差し指を立てた。
長い黒髪が風になびく。カクトは地面から痕跡を探っていた。
「鍵はここに来たみたいね」
リカーは足跡をなぞる。
「下山の方向だな。もう降りたか」
ヒャノは「ちょっと待って」と詠唱を始めた。
「青炎鳥!」
ヒャノの手から青い炎の鳥が飛び立ち頭上をクルクル回った。
「もう近くにはいないみたいよ」
「そうか、行こう」カクトが促した瞬間、愛銃のトナー315を構えた。
「そこ!」パーンと乾いた銃声が響き岩を掠めた。
カクトは一息つくと「気のせいみたいと歩き出した。リカーはチラッと岩陰を見た。
「何かいたのか?」
「気配がしたと思ったんだけど…」
「私もさっきから懐かしい、そして何か忘れてたものを思い出す感じがあるんだ」
ヒャノが手に青炎鳥を収める。
「既視感ってやつ?」
「何だろう。分からない。とにかく先を急ごう。鍵が発動する前に」
ポッツは青ざめていた。
「チ、チ、チ、チ、チュラー!狙われたで!掠ったで!」
「見えていないにしてもいい感をしている。カクトはトナーを使っているのか。トナーの角は希少で世界一硬くて柔軟だ。よく手に入ったものだ。それにヒャノの魔法も私と同系の魔法。よく鍛錬している」
「感心しとる場合ちゃうて!ところで『鍵』を探しとったな。何の鍵や?家か?」
「ポッツじゃないんだから家の鍵では無いだろ。ジースー分かるか?」
「………」
「どうしたんだ?ジースー」
「いや、なんでもないよ。ほら、早くナカムトのとこに行かなきゃ」
「ああ、そうだな。ポッツ、歩けるか?」
「何とか…まだ手足が緊張しとるけどな」
プルリのツボに入ったようだ。
「ポッツはロボットしゃん!ロボットしゃん!」
ケラケラとした笑いに皆つられて笑った。
「チュラー、ジースー。誰かおるで」
三人は声のする方へ向かうと、突然ポッツが直立不動のまま動かなくなった。
ジースーらポッツを揺する。
「ポッツどうしたんだよ」
ポッツは震えながら指を指した。
「ご、ご主人がおる…何でこんなとこに…」
チュラーは「リカーか、久しぶりだな」と、
「カクトとヒャノもいるじゃないか。あの頃と全然変わらない。ジースーはまだ赤ん坊だったから分からないだろうが、アムーロ教会にいた時、俺とポッツはあの三人とよく遊んでいたんだ」
ジースーは「ふむ」と、
「そうなんだ。でもなんでポッツは『ご主人』なんて呼んでるんだい?」
ポッツは冷や汗を垂らしながら答えた。
「それはやな、ある日五人で遊んでいると、ご主人が『新しい技を覚えたから実験台になれ』と技をかけられたんや。どうやらその技は剣で切った者を従える能力があったんや。ご主人は技が成功して喜んで技を解除するの忘れとったんやな、ほんで直ぐにワシとチュラーは司教に呼ばれジースーを逃がした、っちゅうわけや」
「へー、そうだったんだ。でももう、25年も経ってるから完全に忘れてるんだろうね」
「ジースー…悲しいこと言わんでくれ…」
チュラーは「シー」っと、人差し指を立てた。
長い黒髪が風になびく。カクトは地面から痕跡を探っていた。
「鍵はここに来たみたいね」
リカーは足跡をなぞる。
「下山の方向だな。もう降りたか」
ヒャノは「ちょっと待って」と詠唱を始めた。
「青炎鳥!」
ヒャノの手から青い炎の鳥が飛び立ち頭上をクルクル回った。
「もう近くにはいないみたいよ」
「そうか、行こう」カクトが促した瞬間、愛銃のトナー315を構えた。
「そこ!」パーンと乾いた銃声が響き岩を掠めた。
カクトは一息つくと「気のせいみたいと歩き出した。リカーはチラッと岩陰を見た。
「何かいたのか?」
「気配がしたと思ったんだけど…」
「私もさっきから懐かしい、そして何か忘れてたものを思い出す感じがあるんだ」
ヒャノが手に青炎鳥を収める。
「既視感ってやつ?」
「何だろう。分からない。とにかく先を急ごう。鍵が発動する前に」
ポッツは青ざめていた。
「チ、チ、チ、チ、チュラー!狙われたで!掠ったで!」
「見えていないにしてもいい感をしている。カクトはトナーを使っているのか。トナーの角は希少で世界一硬くて柔軟だ。よく手に入ったものだ。それにヒャノの魔法も私と同系の魔法。よく鍛錬している」
「感心しとる場合ちゃうて!ところで『鍵』を探しとったな。何の鍵や?家か?」
「ポッツじゃないんだから家の鍵では無いだろ。ジースー分かるか?」
「………」
「どうしたんだ?ジースー」
「いや、なんでもないよ。ほら、早くナカムトのとこに行かなきゃ」
「ああ、そうだな。ポッツ、歩けるか?」
「何とか…まだ手足が緊張しとるけどな」
プルリのツボに入ったようだ。
「ポッツはロボットしゃん!ロボットしゃん!」
ケラケラとした笑いに皆つられて笑った。
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