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そして出逢いは繰り返す
30話 私は誰
しおりを挟む赤いウエーブの髪。濃い化粧。
ムヒコーウェルの復活。
周りの空気が凍りつく。
イールビが手を広げて一歩前に出た。
「おぉ…姐さん。復活おめでとうございます」
「うむ。イールちゃん、あたしが留守の中よくやってくれたわ」
ムーフーが食いつく。
「私の親友が大変なの!助けて!」
イールビが制止する。
「姐さんに向かって失礼だろ!」
ムヒコーウェルはイールビを下がらせる。
「いいけどさ、あんた初対面でものの言い様ってもんがあるでしょ?それに…」
ムヒコーウェルはマカルを一瞥するとフンッと鼻を鳴らした。
「あんた、なに力使ってんのよ。控えなさい」
マカルはキョトンとしている。
「え?でも戦わなきゃ…にぃにを探さなきゃ行けないし、ムビーの復活も…」
「だから使うなって言ってんの!あんた達ほんとに何も知らないのね。それでよく誰かを救うだの世界がどうのこうのとか言えるわ!敵を倒す前にまず自分を見つめなさい!自分を知ることを始めなさい!敵は向こう側にいないの!自分自身の心の中にいるのよ!」
叱咤されマカルは涙ぐんだ。
と、空が曇り雷がなり始めた。空から一閃黄色いマントに身を包んだ者がムヒコーウェルに飛んでくる。
「マカルを虐めるなあぁぁぁ!ギーガーシュートぉぉぉぉ!」
ムヒコーウェルに電気を帯びたハンマーが振り下ろされる。
ムヒコーウェルの頭に命中し電気が走る。
「アギャギャギャギャギャギャ!」
イールビがムヒコーウェルを守る。
「姐さん!」
マカルは誰か分かった。
「マギ!!!」
「マカル助けに来たよ!」
「マギ!敵じゃないよ。シャラーを助けてもらうために復活させたの」
「え?そうなの?てっきり虐めてんのかと。てへっ」
ムヒコーウェルがプスプス言わせながら立ち上がる。
「ちょっとあんた!『てへっ』じゃないわよ!あたしじゃなかったら死んでるわよ!」
「ごめんて、人には間違いが付き物よね」
「間違いで死ぬとこだったじゃない!」
「もー、ギャーギャーうるさいなー。謝ってんじゃん」
「誰がギャーギャーですって!ムキー!」
総員でムヒコーウェルを「まぁまぁ」と止める。
「まあいいわ」
「いいんだ」
「とりあえずその眠ってる子のとこに連れていきなさい」
一行はシャラーとゲブンの眠っている洞窟に到着した。
ムヒコーウェルは屈んで状態を見る。
「ふんふん、パクにしては毒気が強いわね。ちょっと待ってなさい」
と、袋から草や木の実を調合し始めた。最後に自分の髪の毛を一本抜き入れる。
マギは嘔吐く。
「シャラー可哀想…」
「それどっちの意味で言ってんの?あたしの髪を飲ませる事よね絶対」
「どっちも悲惨だなと思て」
「良薬口に気持ち悪しって言うでしょ。これでもあたしは魔法薬学検定一級持ってますからね」
ムヒコーウェルは二人に薬を飲ます。
しばらくすると二人は目覚めた。
ムーフーは駆け寄る。
「シャラー!良かった!」
泣きながら抱き合い、ゲブンはムヒコーウェルにお礼を言う。
「ありがとう、おばさん」
「お姉さん!」
「お、お姉さん!」
「はい、よろしい。どうやらムビーが力を貸しているようね。あいつは心の隙間が大好きだからそこに漬け込むのよ。二人はこんな時間が続けばいいなと思った。でも繰り返される時間は地獄そのもの。あいつの大好物よね」
リファーが詰め寄る。
「ムヒコーウェルさんはムビーの事知ってるんですか?」
「知ってるも何もあたしの力もムビーから貰ったのよ。あいつは弱みに漬け込んで人の嫌らしさを増幅し糧にしてるわ」
マカルを指さす。
「そしてこの子のホールが世界の穢れを吸い込んでムビーに力を与えている」
「虚無の事かな…」
「虚無って呼んでるの?それは『nothing』と言うanythingとツイを成すもの。anythingが希望ならnothingは絶望。何であんたがnothingを使えるのかよく考える事ね。あんたが一番よく知ってるはずよ」
マカルは息を飲んだ。
「nothing…絶望…私は一体…分かんないよ」
リファーは問いただす。
「ムヒコーウェルさんは知ってるんですか?」
「知ってるけど言ったところでこの子は拒絶するだけよ。自分で見つけるの。それが一番早いわ。これでも助けてるつもりよ。復活のお礼にね」
「じゃあ、おにいを見つける方法も」
「あー、あいつらの事ね。ムビーも上手く隔離したつもりだったけど面白い事になりそう。時が来るのを待ちなさい。何事も焦っちゃダメ。見失うわよ。それより…あたしを復活させたのはムビーの復活を阻止するんでしょ?じゃあ行きましょうよ」
「行きましょうって…ムビーの所へ?」
「そう…魔界へ。あたしを振った腹いせに暴れてやるわ!」
「ぇぇえええ!展開早くないですか?2月まで持たないわよ」
「知らないわよそんなの!そんな人生都合よく行かないの!さっさと準備しなさい!」
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