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むひ

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旅とは先の見えない闇である

32話 救済

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「ムヒコーウェルさん、魔界ってどうやって行くの?」
マカルは魔界と聞いてピンとこないようだった。
「魔界の入口は色々場所を変えるのよ。そこで犬の嗅覚を借りて見つけるのよ。ほら、犬っころ!さっさと見つけなさい」
ロッロは一声吠えると地面を嗅いだ。
鼻が止まり方向を教える。
「あっち見たいね。よくやったわ、褒美よ」
と、ムヒコーウェルはロッロにニハトリの干し肉を与えた。
リファーは疑問を口にする。
「あ、あのー。人間が魔界に入って大丈夫なんですか?」
「んー、大丈夫じゃないわよ。あそこは毒気が強いから常人なら気が狂うわ」
「そんな、じゃあ私達…」
「心配しなくていいわ、あたしのオカマバーリアで守るから」
マカルがムーフーに耳打ちする。
「余計危険な気がするよね」
ムヒコーウェルの耳がピクっと動き紫のオーラが出る。
「なんか言ったかしら…」
「な、なんでもありませんんんんん!ん?あれ何?」
マカルが指さした方に青い炎の鳥が飛んでいた。
「ねえ!こっち来るよ!」
鳥は見る見る近付き三つの影が飛び降り、マカルに突っ込んで来る。
「こっち来るうううう!」
「させるか!」とムーフーが飛ぶ。空中で身体を捻り銃弾がムーフーを掠る。
剣とレイピアが交わる。
甲高い音を立てて二人ははね飛ばされた。
影は立ち上がり体制を整える。
「あなたやるわね。私は教会騎士団、従剣じゅうけんのリカー」
「同じく、青炎せいえんのヒャノ」
遠撃えんげきのカクト。マカルを捕縛する。大人しく引き渡せ」
リファーはシールドを展開した。
「マカルは渡さない。教会騎士団がなぜマカルを狙うのよ」
リカーは構える。
「マカルはムビーを復活させる鍵よ。教会はムビーを復活させるためにマカルを使う事に決定したの」
「民衆を守るための教会がなぜムビーを復活させるのよ!」
「民衆を守る?違うわ。救うの。魂の救済よ。罪の意識を許してあげる、それが教会の役目。そして罪とはムビーからこの世に漏れた雫。教会が大きくなるためにはもっと多くの雫が必要なの」
ムーフーは涙を溜めながらリカーに踏み込む。
「酷い…喰らえ!青針一閃せいしんいっせん!」
パァン!
銃弾がレイピアの先を捉えリカーから切っ先を逸らした。
リカーはムーフーの突進する力を利用し腕を締め上げた。
「ありがとう、カクト。この子可愛いじゃない。切り刻みたい…」
「リカー、趣味は後でやって。私達はそんな教会の方針に疑問を抱いた。だからムビー復活の鍵であるマカルを殺す」
マギはハンマーを振りかぶる。
「マカルを虐めるやつ…」
マギの前に手が出る。ムヒコーウェルはマギを止めた。
「ここは見守るのよ」
「だってマカルがやられちゃうよ!」
「時には見守るのも大事なの」
ムヒコーウェルは遠くを見つめた。

「私が…鍵…ムビーを復活させる…」

リファーが放心状態のマカルの前に来た。
「大丈夫よマカル。私達が守るから。鍵かなんだか知らないけど何か道はあるはずよ」
振り向く。
「とりあえずムーフーを返してちょうだい」
「それはできない。マカルと交換なら考えるわ」

マカルがふらっと前に出る。
「私が…死ねば…ムーフーは助かる…私が…死ねば…みんな助かる…」

リファーは慌てて止めに入る。
「マカルだめ!」

カクトはトナー315を構え、引き金を引いた。
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