anything

むひ

文字の大きさ
79 / 85
旅とは先の見えない闇である

37話 番人

しおりを挟む
 ヒャノはブルーバードをゆっくり旋回しながら偵察を終え帰ってきた。
「たっだいまー!んとね、んとね、オーカマバレーが怪しいよ。ぽっかりと穴が空いてたから絶対そこだよね!」
リカーがヒャノの頭を撫でた。
「お疲れ様だったな。あれ?ジースーは一緒じゃなかったのか?」
「オーカマバレー行こうって言った瞬間反対に飛んでっちゃったの」
ポッツは「いつもの事や」と。
「あいつの方向音痴は何とかならんのかいな。まあほっといても匂いで着いてくるやろ。とりあえずオーカマバレー行こか」
みんな同意した。

「全力で走れ!」
突然チュラーは何かに気付いたようだった。急に叫ぶ。
ゴゴゴゴゴと音を立てながら地割れが襲ってきた。
「フハハハハハ!オーカマバレーには行かせぬ!」
「誰やねん!邪魔せんといてくれる?」
割れた地面からヌルッと馬鹿でかい棒を持った影が出てきた。
黒髪に赤のメッシュ。
「我はギョウ。空間の番人である。貴様らは数々の違反を侵した。抹殺する」
ポッツは思い当たった。
「わしか!ほんまごめんて、しゃあ無いんやったんやて。許してーな」
「そうか、それじゃ許そう…ってなると思うか!仲間も同罪二度と出られぬ亜空間に閉じ込めてしんぜよう。それではまず罰を与える。時空棍!ふぬ!」
髪を振り乱し時空棍を振り回すと空間を割りながら棒が迫る。
チュラーは嫌な感じがした。
「みんな棒に触るな!逃げろ!」
それぞれ逃げる中マギは向かって行った。
「こんなの打ち返せばよくない?」
ハンマーを振りかぶり電気を溜める。
「ギーガーーシューーーーート!!!」
ハンマーと棒がゴーンと音を立ててぶつかる。と同時にマギは消えた。
チュラーは引き返すも遅かった。
「マギ!くそう!どうすればいいんだ。触れれば飛ばされる」

「君たちは先に行け」

後ろから声が飛んできた。
チュラーは振り向く。
「ナツァーキ!どうやってここへ!」
「忘れたかい?僕の瞬間移動を。王国には暇を貰ってイーモズをずっと付けていた。空間の狭間が閉じる瞬間に入ってきたのさ。こいつは僕が相手する」
ズドーンとギョウに銃弾が刺さる。
「一人でいい格好させないわよ」
カクトは照準を合わせる。
ポッツもいきり立つ。
「せやで!一人よりみんなで戦った方が早いしな。何よりも心配を背負って前にすすめへんで。マギちゃんもやられた敵討ちや!」
ナツァーキは「フッ」と目を閉じる。
「好きにしろ」
と言い残し、砂埃を残し跳躍した。
ギョウは時空棒を振り回すとナツァーキにクリーンヒットした。
「ナツァーキはん!」
と思った瞬間ヒットしたナツァーキは消えギョウの肩に細剣を刺していた。
ポッツは混乱した。
「何が起こっとるんや!」
「僕の速度は光を超えた。それが何を意味すると思う?時間が少し戻せるのさ。つまり軌道が先に読める。ただ、ステ振りしすぎて火力に劣る」
「小癪な!」
ギョウは怯みながらもナツァーキを掴みにかかる。カクトは銃弾をお見舞した。
「今よ!あんまりダメージは与えられてないけどね」
「すまない」
と後ろに飛んだ。
ギョウは構えを深くする。
「亜空演舞」
唸りを立て時空棍をクルクル回転させた。回転は勢いを増し黒い円となった。
チュラーは号令をかける。
「白兵戦は分が悪い。魔法部隊一斉射撃!」
ヒャノ、ジースー、チュラー、ムヒコーウェル、イールビの魔法攻撃は瞬く間に吸い込まれた。
「手は無いのか!」
ナツァーキから汗が出る。
「嫌な予感がするな」
ナツァーキが消えギョウの目の前で剣を振るうが黒い円に剣が触れた瞬間剣が消えた。
「くっ!今吸い込まれたぞ」
亜空間の円は徐々に大きさを増していった。
「これじゃ手出しができないな」
ナツァーキはポッツの耳元で何かを囁いた。ポッツは目を丸くする。
「ナツァーキはん!そんな事でけへんて!」
しおりを挟む
感想 132

あなたにおすすめの小説

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

冴えない建築家いずれ巨匠へと至る

木工槍鉋
ファンタジー
「建築とは、単なる箱を作ることではない。そこに流れる『時』を設計することだ――」 かつてそう語り、伝説の巨匠と呼ばれることになる男も、かつては己の名前に怯えるだけの冴えない二級建築士だった。 安藤研吾、40代。独立したものの仕事はなく、下請けとして「情緒のない真四角な箱」の図面を引き続ける日々。そんな彼が恩師に教えられた座標の先で迷い込んだのは、昭和初期を彷彿とさせる、魔法のない異世界だった。 現代の建築知識、そして一釘一釘を大切にする頑固大工との出会い。 「便利さ」ではなく「住む人の幸せ」を求めて、研吾は廃村に時計台を建て、水路を拓き、人々の暮らしを再生していく。 異世界で「百年の計」を学んだ研吾が現実世界に戻ったとき、その設計は現代の建築界をも揺るがし始める。 これは、一人の男が仕事への誇りを取り戻し、本物の「巨匠」へと駆け上がるまでの、ひたむきな再建の記録。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

「お前を愛する事はない」を信じたので

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」 お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。 それが約50年前。 聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。 英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。 俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。 でも…英雄は5人もいらないな。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

処理中です...