ある少女の日記

ササラギ

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2018年8月18日

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2018年8月18日 土曜日 晴れ
私はとうとう死のうと思う。みんな私が死んだらどんな顔するかな。驚くかな。悲しむかな。笑うかな。でもどうせ死ぬなら笑ってほしいな。もしみんなが悲しい顔してたら、空から見たとき後悔しちゃうかもしれないから。って、心配しなくてもみんな笑うか。もう迷惑な奴がいないんだもんね。きっとお母さんも楽になるよ。私がいなくなった家庭で、幸せな生活を送るよ。欲を言えば、せめて遥にだけは悲しんでほしいけど、私が今まで遥に迷惑かけてきたことは事実だし、それなのに図々しく悲しんでなんて言えないよ。私がいなくなったらきっと遥も幸せになる。私もそんな遥を見れば幸せに旅立てると思う。ちょっと悲しいけど、それがいいよ。お世辞にも幸せな人生だったとは言えないな。ずっとずっと苦しかったよ。でもすべては私がいけなくて、誰のせいでもないし誰のせいにもしちゃいけない。私が弱いから、私がろくでもない人間だから、散々人のせいにして悲劇のヒロインやってきたけど、本当は最初から自分が悪いってわかってたから、この日記を書く度に自己嫌悪が重なっていった。自己嫌悪を繰り返して死にたいと思ってからどれくらい経っただろう。私はそうやって足踏みしてる間にもたくさんの迷惑をかけて、この世界から排除されるべきだという認識を確実にしていった。排除されるべきだと知っていながら生き続けてしまう毎日は罪悪感に強く支配されていた。私は今なら、自分の贖罪のために自殺をする犯人の気持ちがわかる、痛いほどわかる。現実世界の犯罪者も、フィクションの悪役も、もしかしたら辛い過去を背負い、苦しみ続けた人なのかもしれない。さて、明日からの日々は後悔を失くすための日々にしよう。遥とか、今まで迷惑をかけたいろんな人に、精一杯の謝罪と感謝を伝える日々にしよう。会いたい人には会っておこう。やりたいことはやっておこう。今まで素直にはなれなかったけど、最後だから躊躇うことなく素直さを見せられる気がする。決行日までの時間は限られてるから、全部は無理かもしれないけど、後悔の種になるようなことはなるべく消していこうと思う。今度はちゃんと目的ができた。また明日。
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