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旦那さま、やっぱりお覚悟ください ②

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 その声を聞いて、わたしは無理やり彼の手をはがして振り返った。
 わたしの断固たる決意を感じたのか、クリストフは拘束するように抱きしめていた腕をゆるめてくれる。

「クリストフさま」
「ああ」

 わたしの目の前にあるのは、断罪を待つような、なにかをあきらめた笑顔。力なく濁った緑の瞳。
 わたしはこの人にそんな顔をさせたくて、結婚したんじゃない。

「クリストフさま、わたくしはあなたが好きで、好きで、大好きで……媚薬を使ったり色っぽい寝衣を用意したり、自分から閨に誘ったり、無茶なこともしてきました」
「お、おう」
「一度はそれを反省したのです。淑女らしくないし、あなたのお心を無理やり手に入れようとする卑怯な行動だったと」
「卑怯なんてことはない。俺が情けなかったんだ」
「いいえ。わたくしが間違っていました。わたくしは引いてはいけなかった」
「……ん?」
「わたくしは、あなたを幸せにしたいだけなのです。クリストフさま――旦那さま、やっぱりお覚悟ください」

 彼の胸をドンと押してベッドに倒そうとしたんだけど、クッションに寄りかかっているので、これ以上は倒れない。
 そこでわたしは、彼の上衣の胸もとをつかんで、勢いよく唇を押しつけた。

「ミル……ぐっ!?」

 唇を離すと、胸ぐらをつかんだまま、驚いた顔の夫を見据える。

「経験の有無なんて関係ありません。わたくしはとってもヤキモチ焼きなので、むしろうれしいくらいです」
「あ、ああ」

 たぶん、わたしがなにをしようとしているのか、想像がつかないのだろう。
 戸惑った様子のクリストフは、わたしの強引な行動に抵抗することなくじっとしている。

「このまま動かないでくださいね。これからあなたに、わたくしの気持ちをわかっていただきます」
「なにを……」

 クリストフの上衣のボタンを上から外していく。
 太く筋の浮き出た首すじ、鍛えられた大胸筋。腹筋は八つに割れて盛り上がっている。
 わたしはその見事な上半身を手のひらでなでてみた。
 クリストフの体がピクンと震える。

「……ッ」

 わたしがお願いしたとおり、クリストフは動かない。
 調子に乗って、彼の腹筋をなでまわす。硬いけど、弾力がすごい。
 手のひらに感じる体温が上がって、クリストフの顔を見上げると彼は目をつぶっていた。

(見られていないなら、少しはやりやすいかも……)

 小さな乳首にちゅっと口づけると、彼はまた身震いしてかすかなうめき声を上げた。
 下半身を見ると、まださわってもいないのに股間が大きく盛り上がっている。
 反応してくれているんだと思ったら、うれしくなった。

「クリストフさま、ちょっと下衣もゆるめますね」

 えいっと勢いをつけて、寝衣と下着を一緒にめくる。
 すると、下着の中からクリストフの男の象徴が飛び出してきた。
 太くて長い肉の棒のようなものが、彼のおへそのあたりまでグンと反り返る。

「え……? これが、クリストフさまの……? お……大きい……」

 それは、なにか別の生き物みたいだった。
 彼の肌の色よりもかなり濃い色の屹立には、木の幹を這うツタのように太い血管が浮き出ている。
 幹の部分の上にキノコの笠に似た塊がついていて、そのてっぺんからは透明な液体がにじんでいた。

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