【完結】廃墟送りの悪役令嬢、大陸一の都市を爆誕させる~冷酷伯爵の溺愛も限界突破しています~

遠野エン

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24.歓喜と悲劇

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アトランシアの民とクレイヴァーンの騎士が垣根を越え、一つの巨大な熱量となって坑道を満たす。変化は三日後に訪れた。

ガギィンッ!!

魔法掘削機の先端が、これまでとは明らかに違う硬質な手応えと共に甲高い音を立てた。静寂の中、つるはしを持った熟練の鉱夫が一人、慎重にその場所を掘り進める。騎士も市民も誰もが呼吸すら忘れて見守る。突如、崩れた岩肌から一筋の光が漏れ出した。闇を切り裂くように蒼く、神秘的な輝き。

それはただの鉄ではなかった。古い文献にのみ記されていた金属。魔力を帯び、自ら発光する希少な『魔鉱鉄』。

「……あった」

誰かの掠れた呟きが、静寂を破った。

「あったぞぉぉぉぉッ!!鉱脈だ!!俺たちの手で掘り当てたんだ!!」

次の瞬間、坑道は地鳴りのような大歓声に揺れた。ヘルメットを空に放り投げ、泥だらけの顔で抱き合う人々。騎士も市民も関係ない。ただ共に困難を乗り越えた仲間として肩を叩き合い、涙を流して喜びを爆発させた。

その歓喜の輪の中心から少し離れた場所でシオンが私に向き直った。

「皆、いい表情をしているな。君はこの地に眠っていた人々の絆をも掘り起こした。何より君が自分自身を信じた結果だ。……感謝する。最高のパートナーを得られたことを」

私は胸がいっぱいになり、ただ微笑み返すことしかできなかった。ありがとうと伝えようと口を開いた次の瞬間――――。

――ミチッ、ミチチチチ……!!

不吉な亀裂音が頭上を走った。歓声で緩んだ坑内の空気が一瞬で緊迫した。掘削機の振動が脆くなっていた岩盤に最後の追い打ちをかけたのだ。

「――ッ!?」

見上げた先、私たちの真上の天井から巨大な岩塊が剥がれ落ちてくるのが、スローモーションのように見えた。

「危ない!」

私の体は思考よりも早く動いていた。すぐ隣にいたシオンの体をありったけの力で突き飛ばす。

不意を突かれた彼は数メートル先に、体勢を崩して倒れ込んだ。彼が安全圏に入ったのを見届けたコンマ数秒後、轟音と衝撃が全身を襲い、視界が闇に閉ざされる。左足に経験したことのない激痛を感じたのを最後に意識は途切れた。

粉塵が舞い上がった坑道にシオンの絶叫が木霊した。

「ルティアーーーーーーッッッッッッ!!!!!!!」
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