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1.幸せをありがとう
しおりを挟む自由ってなんなんだろうか。
ジャラ…
手に付けられた手錠をみて私は考えた。
外の世界はどんな物なんだろう
数年前、母と父と仲良く過ごしていたあの頃が遠ざかりすぎて忘れてしまった。
「おい。部屋の掃除をしろ」
「…はい。」
私はあんな。名字は…忘れちゃった。長い間名前は呼ばれたことないけど、何となく覚えてる。小さい時にお母さんにそう呼ばれていた記憶があるから。
私は父と二人暮しで、17歳ぐらい?よく分からない。中学校からお家では手錠をかけられ監禁状態だから。ボロボロなワンピースを着ている私は誰から見ても不潔だ。体もアザだらけで綺麗なものでは無い。
今は多分、お昼の1時ぐらい。この時間はいつもおうちをくまなく掃除しろと言われ、手錠を外される。
私の日常は、
朝、おふろ場で寝ている私は父の怒鳴り声で起こされ、父の朝ごはんを用意し、そのあと合図があるまでまたお風呂場で過ごす。合図があれば、掃除をしたり洗濯をしたりするのだ。
「おい。買い物に行ってこい」
「へ…?」
この日は驚いた。買い物に行けと言われた。この長い間1度も言われたこと無かった。初めて外出を認められた。私が逃げたりするとかそんな心配などはないのだろうか。不意にそんなことを思った。
お金を渡されてお酒を買ってこいと言われた。
私は数年ぶりに外に出た。
「わぁ…。」
青く広がったさ空。真っ白でやわらかそうな雲
子供たちの笑い声。車の音。
すごく落ち着く。
ヒタ…
初めての地面。コンクリートはほんのり暖かかった。
外の世界に感動していると…
裸足でボロボロな格好の私を見て周りの子供たちの親は引いていた。私はものすごく恥ずかしくなった。
次第に感動よりも、自分はここにいちゃいけないんだと思って、逃げ出した。
はぁはぁ
適当に走った。このまま帰りたくない。
そんなことを思った。
すると…
ドン!!!!!
「うがっ!!」
「きゃっ!!」
誰かとぶつかった。
「いってぇな。どこ見て走ってんだよ!!このクソアマが!!」
掠れた図太い声で怒鳴られ私はビクッとした。
殴られる…!
「ったく。ちゃんと前ぐらい見ろよな。おい。立てるか?」
さっきまで私に向かって怒鳴っていた男性は私に手を差し伸べた。
ちらっと指の隙間からその男性をみると太陽のような眩しい人だった。
綺麗に脱色された金髪にジャラジャラしたピアス。
怖かった。
「あ…の、すみません、悪気はなくて…」
私が震えながらそう呟くと
「わかってるよ。ほら。立てよ。俺がいじめてるみたいになってるじゃねぇかよ」
と、私の腕をぐいっと引っ張る彼。
さっきまであんなに怖かったのに…。
彼の手はすごく暖かかった。
「おまえ…なんでそんな格好してるの?」
「…え?」
「ブラは?風呂は…入ってんのか?」
私の体をジロジロ見てそういう彼
「…ぶ…ら?」
私は小学校5年生ぐらいから服が買い与えられてないし外に出たことがない為理解が出来なかった。
「え、ほら、こんなやつ」
そう言って自分の胸元を両手でぎゅっとする彼
私がきょとんとした。
「とりあえず、こんな所でその格好はやばいぞ。来いよ。」
と手を引かれ着いたのは立派な豪邸
扉が開くとエプロン姿の女性たちが
「まぁ!!しゅん様が女の子を連れてまいりました
わ」
と騒ぎ出した。
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