公主のひめごと

濱田みかん

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第二章

軽薄なご友人

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「どうしました?」

 突然の声にびくっと肩を揺らした紫水が振り返ると、斉潁が小包を手に立っていた。

「あ…、ありがとうございます」

 一瞬、紫水の口がひきつったが、すぐに誤魔化して笑顔を作った。

「何を持っているんです?」

 知ってか知らずか、斉潁は紫水の胸の前で握りしめた手に視線を向けた。

「あ、これ、賞品で」
「笛ですか」

 差し出された手のひらから指先で笛を挟み、目の高さに持ってしばし眺める。

「競技会の副賞で貰ったんです。金吾衛召集の笛」
「ほう。立派ですね。…これは首から下げるんですか?」
「手首に着けようかなと」
「では、飾りは真珠がよさそうですね」
「そんな高価なものは!切れたらどうするんですか」

 さらっと言う男に、紫水は驚く。給金の額の違いか、金銭感覚が違うらしい。

「後で店を見てみましょう。今日は他に行くところがあるので、まずそちらから」
「はぁ」

 またしても背中を押されやって来たのは、これまた立派な店構えの香舗。中に入るとすぐに、店の人間が出てきた。

「斉様、お待ちしておりました。どうぞ」

 二人は店子に案内され、奥の個室に通された。
 こじんまりとした部屋には大きな窓があり、その先の箱庭のような空間には竹が伸びていた。
 席に着くと香りのよい茶が呈され、後から主人らしい男が部屋に入って来た。

「いらっしゃいませ。今日はお連れ様もご一緒なのですね」
「あぁ。主人、久しいな」
「素敵な方でらっしゃいますね。ようこそいらっしゃいました。店主の聞でございます」

 紫水は軽く会釈をする。
 斉穎は親しげに話しているので、よく来る店なのだろう。

「本日のご所望の品は、いかようなお品でしょう?」
「この人に合うものを、頼みたい。白い香りがいいかな」
「はい」

 どうやら紫水の香を選ぶらしい。
 元々身の回りのことは全て梅梅にお任せで、あまり拘りもない。香も衣装も、充てがわれた物を身に纏うだけ。
 かなり無頓着な人間かもしれない。
 香りを色で伝える斉潁を横目で見ながら、紫水は大人しく座っていることにした。

「少々、ご希望とは逸れますが、先日、とても珍しい香材が手に入りまして」

 店主は壁の棚に重ねて置かれた黒漆の箱の山から一つを取ると、その蓋を開いた。紅い絹が敷かれた台座に鎮座するのは黄土色をした、鶏卵より小さく岩のようにゴツゴツとした何かの塊。

「昌東に珍しい樹脂がありまして。滅多に都には上らないのですが、先日東都に出向いた際に、行商人から手に入れたもので。こちら、いかがでしょう」

 店主は粉を薄布に移し、指先でこすり合わせると紫水に手渡した。
 香合わせの時の見様見真似で、鼻の前で薄布を揺らし香りを立てる。

「…」

 どこかで嗅いだことのある香り。
 でも、すぐには思い出せない。紫水は首を傾げる。
 黙ったままの彼女に、店主は眉を寄せた。

「甘すぎますかね」
「ん…。なんともです」
「私もいいかな」
「はい」

 紫水から受け取ると、斉潁は薄布を宙に揺蕩わせた。
 小さな黄色い花が一斉に咲いたような香りは、笑顔がはじける年頃を彷彿とさせた。

「彼女には、濃いかもしれないね」
「そうでしたか。失礼いたしました。では改めて、白を基調としたものをご用意しますね」

 そう言って主人は席を外すと、しばらくの後、手のひらに乗るほどの香炉と共に戻って来た。

「お待たせ致しました。こちらいかがでしょう」

 小さな箱から取り出されたのは、蜜で固めた薫丸。

「斉様がお好きなものに、花の香を足したものです」

 香炉を焚くと雪中花水仙の香りの中に、藿香かっこうが広がった。

「爽やか、ですね」
「お召し物に合わせてみました」
「あぁ。よく合う」

 夏の小川を渡る風ような、爽やかな香り。紫水の好きな香りだ。彼も満足そうに頷いた。

「こちらはこれからの季節に合わせ、軽やかさを増やしております。どうぞ」
「ほんと…、軽くなってる」
「夏の宵に、涼し気な色のお召し物とぜひ合わせて頂きたい香りでございます」

 なんとも粋なことを言う店主。
 商売だから当然だとは思うが、それにしても顧客をよく見て品を出す。
 紫水はその手腕に、心の中でひとり感心した。
 結局二つとも頼み、二人は店を出た。

「少し、何か召し上がりますか。喉も乾いたでしょう」

 言われる通り、多少の緊張もあってか、紫水の喉はカラカラだった。香舗で出されたお茶の二杯目を、飲み干してしまったほど。

「あ、はい。ぜひ」
「では飯店に行きましょうか」
「はい」

 即答した紫水に、斉穎は微笑むと背中に手を添えた。
 普段されることのない女の子扱い。
 彼の卒のない振る舞い、手慣れたものだ。経験豊富な感じが、先程から随所に滲み出ている。
 そういえば、次兄と同じ齢だった気がする。
 きっと自分のような小娘など、簡単に手のひらで転がせるとでも思われているのだろう。

 悔しいな…。
 紫水はちらと隣を窺うが、大人な彼は今日も優雅に袖をたなびかせている。
 今はまだ、敵いそうもない―。
 心の中でうなだれた紫水は、渋々とまた引かれるまま歩いた。


 ◇


 東市を出た二人がやって来たのは、東市の西にある坊、平康坊。
 ここは都城内でも一、二を争う歓楽街。皇城の前を東西に走る横街路メインストリートにあり、北里《北側》には官吏や外国使節団向けの高級路線の酒家や妓楼が建ち並ぶ。
 しばらく坊街を歩いていると、斉潁がはたと足を止めた。

「どうなさいました?」

 紫水は隣を見上げると、彼の顔が曇ったのが分かった。

「今日は、よく人に会いますね…」

 気だるそうに呟いた視線の先には、手を大きく振る男の姿。紫水の顔見知りではない。
 相手は斉潁が気づいた事を確認すると、こちらにやってきた。

「潁公!こんなところで」
「ご機嫌よう。よう司郎中殿」

 にこやかに答える斉潁の陰で、紫水は借りてきた猫のように大人しく様子を伺う。

「そなたが女連れとは、珍しいな」

 隣の紫水を上から下までじろじろ見る。遠慮がない。

「買い物ですよ。姚殿は休暇ですか」
「あぁ。昨日妓楼で飲み過ぎてね。寝過ごしてこの時間だよ」

 くだけた様子の彼とは対照的に、答える斉潁は穏やかで控え目な印象。紫水が普段見ている彼とは別人だ。

「で、貴公らは、今から酒店に?」
「えぇ。彼女を歩かせてしまったので、一休みをと」
「それは丁度いい。我も行こう」

 半ば強引に便乗した男を先頭に、三人は近くの酒店に入った。
 給仕に案内されたのは、中庭をのぞむ調度品も豪華な個室。窓の外に賑やかな声が響くその部屋で、三人は壇に設けられた席に向かい合って座った。

「ここは初めて?」
「はい」

 紫水は頷く。東市周辺はほとんど来たことが無い。西市周辺が活動範囲だ。

「じゃぁ、我のお勧めを召し上がって。絶対に後悔させないから」

 にっと口角をあげた姚氏は菜譜を手に取り、ひとりでいくつも注文した。その間に紫水は桂花茶を口に運ぶ。香りよい茶が喉に流れていくと、少し気持ちが落ち着いた。
 給仕の娘が退くと、姚氏は座り直し、紫水の顔を正面に捉えた。

「我は姚廉ようれん吏部人事部の人間だ。よろしくな」
「九瑶と申します。どうぞ、お見知りおき下さい」

 いつもよりしおらしく、丁寧に頭を下げる。
 司郎中というと、五品の高官だ。斉潁と同じくらいの見た目なので、彼も恩蔭おんいんでの任官だろう。

「にしても、こんな可憐な女子を毒牙にかけるとは、貴公も隅に置けないなぁ」
「毒牙とは。人聞きの悪い」
「いいのか、ばらしても」
「脅しですか。恐ろしい人ですね」

 言葉とは裏腹な相変わらずのにこやかな横顔をする男を紫水は横目で窺うが、その本音はまったく読み取れない。

「九瑶、この男ね、悪い奴なんだよ。騙されちゃだめだよ」

 楽しそうに言う姚廉は、なんだか告げ口をする子供みたいだ。

「…そんな気がします」
「いいねぇ。人を見る目は大事だよ。特にこういう遊び慣れた男には気を付けて」
「ご自分を棚に上げて、よく言いますね」

 言われている斉潁も何故か楽しそうだ。

「だって、我は隠すこともないし」
「少しは隠した方がいいですよ。この前も立ち回りを演じたそうじゃないですか」
「あぁ、あれね。我が格好良すぎるせいだよ」
「…」

 開き直る彼に斉潁が「ははっ」と笑うその横で、紫水は目を丸くした。
 自分で言う人、すごい。確かに、甘い顔立ちに軽やかな話術トークは女性には好かれそうだ。自信があるのは羨ましいが、色々不都合がありそうで他人事ながら心配になる。

「お父上も心配されてましたよ」
「うるさい親父だよな。まったく」
「お会いする度に姚殿の現況を私に尋ねられます。もうお気の毒で」
「適当に流してくれよ」
「心労が絶えないと嘆いてらっしゃいますよ」
「そうやって愚痴に付き合って善人ぶるところが、ご年配の老獪たちに受けるんだろうなぁ。嫌だわぁ」

 結構な悪口。歯に衣着せぬ物言いがおかしくて、つい笑ってしまった。そんな紫水に姚廉は嬉々とした顔を向ける。

「九瑶も、そう思うだろう?」
「なんとも…」
「遠慮しなくていいよ。我は正直者だからさ、嘘つけないんだ。官僚のみなさまと違ってね」

 そういう言葉がすごく軽い。羽毛くらい軽い。

「で、二人はどういう関係なんだ?」
「今、口説いているところですよ」

 本人を前にして平然とのたまう顔は、春風の様に穏やか。

「なんだ、まだ籠絡した訳じゃないのか。お前みたいに手が早い男に限って、意外だな」
「身体だけ繋げても、意味は無いですしね。心を許してもらうまで、時間をかけようと」

 恐ろしい宣戦布告に、紫水は内心震え上がった。
 まだ序の口、とでも言うような風情を漂わせる隣の男。この半月あまり、夜毎盛大に玩ばれているというのに、まだ続くのか。

「外堀を完全に埋めてから一気に攻略、ってか―。ほんと、策士だなぁ。九瑶、早くこの男から逃げた方がいいよ。なんなら我に乗り換えても」

 姚廉はお茶目な顔をしてみせるが、紫水は苦笑いしかできない。
 どうにも逃げ出せる気がしない。この男の頭脳が相手を翻弄する事に尋常てないほど長けている事を、身をもって知ってしまった。

「にしても、こんな女子、どこに隠してた?誰かの紹介?」
「いえ。何度か会った事があって。もう5,6年前でしょうか。禁苑で話したのが初めてですね」
「じゃぁ、元から知り合いだったのか」
「一方的ですが」

 聞いていない。その話は果たして本当なのか。紫水には全く覚えが無い。

「先日、偶然にも宮中で再会して。それがきっかけです」
「なんだ、最近か。じゃ、我にも可能性があるな」

 紫水に片目をつむって見せる。本当に軽い人だ。

「誰に仲介を頼んだんだ?」
「彼女の兄君のご友人と知り合いで。その後、御父上にお伺いを」
「え、もう挨拶済みか?」
「えぇ。聞名まで済ませました。彼女も妙齢なので、早い方がよいと先方のご意向があって」
「―」

 斉潁の話を隣で聞いていた紫水の視線が、宙をさまよった。

 待て待て。どういう事だ…?
 父が承知済みだと…?

 この時代、「聞名」の前に行う「納采」が事実上の婚姻承諾。つまり、既に法的にも婚約が成立している事になる。
 なんてことだ。あまりの展開の速さに、頭がくらくらする。

「相変わらず抜かりないなぁ。段取り九割の男、さすがだな」
「私の父の喪が明けたら、正式に進めようと。それまではお互いを知る良い時間に、と」
「完璧すぎて嫌になるな、お前は」
「計画が一番大事ですよ、何事も」
「あー、そう。有能な方はこれだから」

 つまんないの、とボヤく姚廉に対して、紫水の心はすっかり凍りついていた。

「我はてっきり、第五公主の婿争いにお前が参加すると思って楽しみにしてたのに」
「…何ですか、それ」

 聞き逃せない言葉に、紫水は思わず食いついた。

「あぁ。最近宮中で噂になっててね。聞きたい?」
「はい」

 紫水が興味を示した事に、姚廉は機嫌を良くしたらしい。目を輝かせて、半身を卓子に乗り出した。

「ここだけの話だよ」

 と、身をかがめて声を下げる。紫水も合わせて身体を前に進める。

「…第五公主は病弱で、降嫁の話も今まで出てなかったんだ。だけど、この前の行幸で突然、宴席に姿を現した」

 そこまでは知っている。事実だ。
 紫水は頷いて、彼の話に耳を傾ける。

「噂は前からあったんだ。天女の美貌を持つ公主―。何年か前の笄礼で話題になってね。その時は周辺国に降嫁するって言われてたんだけど、結局、その話は消えたんだ。何でだと思う?」
「…病気、とか?」
「そう。出せない理由があるんじゃないかって。しかも、実際に顔を見た事があるは宰相や太常寺卿だけ―。これは公主に何か瑕疵があるのかも、とね」

 まあ、いろんな噂があることは承知していた。根も葉もない噂が湧く度に梅梅は怒っていたが、その方が都合がいいからと何度もなだめたものだ。

「それが、秦王の宴席に現れたんだ。噂に違わぬ目のくらむような姿で」

 あの日は豪奢な衣装に完全に負けていた記憶がある。着飾ると人は装飾の金銀の輝きに目を奪われるらしい。
 隣の斉穎は表情ひとつ変えず、この話を黙って聞いている。

「びっくりしたよ、本当にいたんだってね」

 残念ながら、それも事実。死んだ事にでもしておけば良かったかも、と今更考えても遅いか。

「それで今、秦王が注目の的なんだ」
「何故秦王が?」
「考えてみて。秦王の宴席に出たということは、公主の縁談は秦王が主導権を握ってるって事だろう?まだどうなるかわからんこの政局に、足場を固めたい奴は多い。野心ある人間が一気に騒ぎ出したんだ。そうだよね。こんなおいしい話、この先当分回ってこないから」

 口から生まれたであろうこの人は、とめどなく喋る。よく喋る。

「しかも、ただの美女じゃない。天子の血をひく本物の天女。興味ない男などこの世にいないよ。最近、密かに秦王府を訪れる者が増えてるそうな。今頃、目下選考中だろうね」

「…一方的に騒がれて、さぞかし当人は迷惑してるでしょうね」

 つい本音が出てしまう。人の話題にのぼるのは気分のいいものではない。しかも、政争の道具としてなら余計に。
 しかし、紫水の言葉に姚廉は軽く首をひねった。

「そうかなぁ。考え過ぎじゃない?政略結婚はその事実があればいいんだよ。婚外恋愛はいくらでも出来るしね。しかも今回は色んな奴が興味を示してる。選り取り見取りだ。だから、公主にとっても悪い話じゃないと思うけど」
「そうですかね。自分の預かり知らぬ処で勝手に進められて、迷惑だと本人は言うと思いますけど…」
「―もしかして、九瑤は知ってるの?第五公主」

 しまったと、紫水は内心舌打ちした。軽いノリでもやはり官僚、人の話をよく聞いている。ただの話好きじゃなかった。

「あ、前に宮中で働いたことがあって…。少しだけですが」

 口ごもりつつ答えると、隣りで斉穎がふっと口角を上げた。なんだか悔しい。

「うっそ、ちょっと侍女とか紹介してよ。我も公主見たい」
「たぶん、がっかりされますよ…。近くで見たら、きっと」
「だって天女だよ?一度は見ないと」

 派手に着飾った姿は虚像に過ぎない。実物はいたって地味な人間。これだから人の噂は当てにならない。

「尾ひれついてると思います、それ」
「そうかなぁ」
「ところで姚殿のご自身の縁談は?先日、司農寺卿のご息女との話を耳にしていたのですが」

 不意に斉穎が口を開いて、話題を変えた。

「あぁ、あれ?断ったよ。我、美女しか抱けないの」
「なんですか、それ」

 なんとも贅沢な発言に、紫水はまたしても聞き返してしまった。

「ほら、政略結婚だと、相手は美女だとは限らないでしょ?顔見てから決めたいんだ。性格より見た目重視なの」
「いいんですか?それで…」
「うん。我、出世競争に興味無いの」
「…珍しい、ですね。そんな方が官僚の中にいるとは…」

 感心したように言う紫水に、姚廉は頬を緩めた。

「今の地位で十分。我は我の天井を知ってるから、この程度でのらりくらりと生きていければいいのさ。常に上を目指せっていう、この宮廷の風潮は肌に合わないんだ。人を蹴落とす競争は、苦手なんだよ」

 ため息とともに漏れた言葉の後ろに、それなりの苦労が垣間見えた。
 同情に似た感情を覚えた紫水は「そうですか」と、小さく頷いた。

「だからさ、自由が利くこの今の、現状維持でいいの。それに、我はひとりの女に縛られたくないし、沢山の美女と戯れたいし」

 ガクッと紫水の頭が落ちた。それを見た斉潁がくっと笑いを噛んだ。

「お待たせ致しました」

 丁度見計らったように、給仕が皿を運んできた。温かい湯気と、香ばしい香りが線を引く。並んだ料理はなんとも美味しそうで、紫水の目は釘付けになった。

「さぁ、食べて飲んで。今を心ゆくまで味わおう」

 満面の笑みを見せる彼に、紫水は「そうしましょう」と微笑んで、箸を手に取った。
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