ロンリー・ライアー

花咲由菜

文字の大きさ
2 / 5
終わりの始まり

無表情のこいつと俺

しおりを挟む
パラ………………
紙をめくる音だけが響く室内で
俺は居た堪れなくなっていた
「……なぁ、いみか」
忌華と呼ばれたその人は
ページを捲る手を止め
一言。
「なに?」
…と呟いた
(いやいやいや、何じゃねーよ!
彼氏の部屋に二人きりで
部屋来た途端に漫画読むとか
男子中学生かっつの!)
「なんかさぁ…
…ん~まぁ…いいや」
口で言ってもわかるわけがない
それなら行動に移すまでだ
「……しょう…?…!?」
バシッ
「…っ!痛えな…まだダメ?」
「翔は…それしかないの?」
真っ直ぐ目を見て言われると何も言えなくなる
「悪かったよ…」
「…」
謝るとまるで
何事も無かったかのように
忌華は漫画の続きを読む
もう付き合って2年だ
それなのに忌華は
キスもそうゆう事もさせてはくれない
「…なぁ忌華…
…なんでダメなの?」
「…答える必要ない」
その答えを聞いた瞬間
抑えていた感情が溢れてきた
「はぁ!?それはないでしょ
なんなの?お前マジなんなの?」
思わず怒鳴ってしまった
(しまった…)
「忌華ごめん
怒鳴るつもりなかったんだ」
…でもやっぱり忌華は
泣きもせず怒りもせず
俺に静かに言った
「…ねぇ翔…
嫌なら捨てればいいじゃん」
俺はまたそれを言われるのか…
そう思うと苦しくて
やりきれなくて
「私…笑えないの
…泣けないの、怒れないの
前からずっと言ってるよね」
「それはっ……」
嘘なんだよな、とは言えなかった
勝手にアルバムを覗いたのは
俺だし、その嘘を
そうなった理由を
忌華ははなしてはくれないから
だから言えなかった


でもやっぱり言えばよかったんだ

あんな事になる前に
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

この離婚は契約違反です【一話完結】

鏑木 うりこ
恋愛
突然離婚を言い渡されたディーネは静かに消えるのでした。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

抱きしめて

麻実
恋愛
夫の長期に亘る不倫に 女としての自信を失った妻は、新しい出会いに飛び込んでいく。

離婚すると夫に告げる

tartan321
恋愛
タイトル通りです

可愛らしい人

はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」 「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」 「それにあいつはひとりで生きていけるから」 女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。 けれど、 「エレナ嬢」 「なんでしょうか?」 「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」  その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。 「……いいえ」  当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。 「よければ僕と一緒に行きませんか?」

走馬灯に君はいない

優未
恋愛
リーンには前世の記憶がある。それは、愛を誓い合ったはずの恋人の真実を知り、命を落とすというもの。今世は1人で生きていくのもいいと思っていたところ、急に婚約話が浮上する。その相手は前世の恋人で―――。

雪の日に

藤谷 郁
恋愛
私には許嫁がいる。 親同士の約束で、生まれる前から決まっていた結婚相手。 大学卒業を控えた冬。 私は彼に会うため、雪の金沢へと旅立つ―― ※作品の初出は2014年(平成26年)。鉄道・駅などの描写は当時のものです。

処理中です...