ロンリー・ライアー

花咲由菜

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終わりの始まり

崩壊の音

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「今日は~なんていい日なんだ!
……雨だけど………ま、まぁそれでも…!」
(それでもいいんだ。)
今日は久しぶりの外でのデートだ
普段は仕事帰りの忌華が
俺の家に寄るくらいでデートは出来ていない
お互い都合が合わず
外でのデートなんて本当に久しぶりだった
その事に浮かれまくっている俺は
自分の中で今日を失敗するなんて
思っていなかった



「ごめん!待った?」
俺は浮かれすぎて30分前についたのだが
忌華はもう待ち合わせ場所にいた
「………早かったね」
「…?…忌華の方が早かったろ」
少しなんだか不機嫌だ
待った?とは言ったが
待ち合わせの時間の30分前に俺は来た
だから別に遅刻した訳ではないのだが
(……もしかして……)
「忌華、今日って何時に待ち合わせにした?」
「え?」
「俺の記憶が確かなら
10時30分だったと思うんだけど…違った?」
少し驚いたように目を見開くと
「間違ってない、大丈夫」
そう呟いた
「…そっか、なら行くぞ」
今日は映画を見て
レストランで食事をして
(…といってもファミレスだが。)
…忌華は俺ん家に泊まる
(最高のプランだ!)
心の中でガッツポーズをした
「な、なぁ忌…華…?」
振り向くと忌華は数歩後ろで立ち止まっていた
「どうした?具合でも悪いのか?」
すると忌華は肩を震わせ始めた
こんな忌華は見たことない
「ど、どうしたんだ?」
「……と、がいる……」
「え?」
ボソボソと話す忌華
けれどその言葉を聞いた途端に
何も言わないでくれと思った
けれど忌華は何度も呟いた
そして何度も聞けば
何を言っているのか聞き取れた
「哉斗がいる」
そしてそう呟いた忌華の顔は
笑っていた、泣きながら笑っていた
忌華は急にこっちを見ると
「ごめん私…行かなきゃ」
そう言ってすごい速さで走り去っていった
呼び止める暇も捕まえる隙も与えずに
「な…え?何これ…
訳わかんねぇな…」
遅れて追いかけたのが運の尽き
この時の俺はそんな事知るはずもなかった



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